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<title>カンガルーは荒野を夢見る</title>
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<description>本は電車で読もう！立川在住・一児の父が読書と子育てに明け暮れる日々を綴ります。</description>
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<title>「発見。角川文庫 夏の100冊2008」VS「発見。角川文庫 夏の100冊2009」</title>
<description>[タイトル・表紙] 今回ようやくタイトルが落ち着いた。昨年と同様に「発見。角川文庫 夏の １００冊」だ。〈百冊〉でもないし、〈発見。夏の１００冊〉でもないし、それにキャラも2008年に引き続いて松山ケンイチだ。ただし、昨年の「角川文庫６０周年」記念のロゴ〈60th〉がそっと姿を消した。それに合わせるように昨年フィーチャーしていた「絶望」というキーワードの呪縛がなくなった。今年のテーマは「旅」。いや「自分探しの旅」だ。これは、夏の文庫フェアの王道に戻ったと言っていい。     ...</description>
<dc:subject>夏の文庫フェア</dc:subject>
<dc:creator>アスラン</dc:creator>
<dc:date>2009-07-07T03:22:04+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<strong><span style="color:#CB0098;">[タイトル・表紙]</span></strong><br /><br />　今回ようやくタイトルが落ち着いた。昨年と同様に「発見。角川文庫 夏の １００冊」だ。〈百冊〉でもないし、〈発見。夏の１００冊〉でもないし、それにキャラも2008年に引き続いて松山ケンイチだ。ただし、昨年の「角川文庫６０周年」記念のロゴ〈60th〉がそっと姿を消した。それに合わせるように昨年フィーチャーしていた「絶望」というキーワードの呪縛がなくなった。今年のテーマは「旅」。いや「自分探しの旅」だ。これは、夏の文庫フェアの王道に戻ったと言っていい。<br />　　<a href="http://elleryqueen.up.seesaa.net/image/B3D1C0EECAB8B8CB2009.jpg" target="_blank"><img src="http://elleryqueen.up.seesaa.net/image/B3D1C0EECAB8B8CB2009-thumbnail2.jpg" width="150" height="105" border="0" align="" alt="角川文庫2009.jpg" onclick="location.href = 'http://elleryqueen.seesaa.net/upload/detail/image/B3D1C0EECAB8B8CB2009-thumbnail2.jpg.html'; return false;" style="cursor:pointer;" /></a>　　　<a href="http://elleryqueen.up.seesaa.net/image/B3D1C0EECAB8B8CB2008.JPG" target="_blank"><img src="http://elleryqueen.up.seesaa.net/image/B3D1C0EECAB8B8CB2008-thumbnail2.JPG" width="150" height="105" border="0" align="" alt="角川文庫2008.JPG" onclick="location.href = 'http://elleryqueen.seesaa.net/upload/detail/image/B3D1C0EECAB8B8CB2008-thumbnail2.JPG.html'; return false;" style="cursor:pointer;" /></a><br /><br /><strong><span style="color:#CB0098;">[目次・スペシャルカバー]</span></strong><br />　目次も昨年と変わりない。「学ぶ」が「見つける」に変更されたぐらいだ。スペシャルカバーの他社とのガチンコ対決は今年も続いている。今年の松山ケンイチスペシャルは、<br /><strong><blockquote>「銀河鉄道の夜」(宮沢賢治)<br />「変身」(カフカ)<br />「恐るべき子供たち」(コクトー)<br /></blockquote></strong>の三冊。<br /><br />　この三冊に共通するキーワードをあげるとするならば、「無垢」「孤独」「絶望」と言ったところだろうか。やはり松山ケンイチスペシャルだけあって、男っぽいクールさに満ちたラインナップだ。ちなみに昨年2008年のスペシャルカバーは、<br /><strong>　「人間失格・桜桃」(太宰治)<br />　「走れメロス」(太宰治)</strong><br />の二冊だった。角川さん、ちょっと一年フライングだったんじゃないかな。だって今年こそが太宰治の記念年なのに…。<br /><br /><strong><span style="color:#CB0098;">[特集:太宰治生誕百年]</span></strong><br />　と思ったら、今年の角川は「太宰治生誕百年」にきっちりターゲットを絞ってきました。「日常のなんでもないホゲッとした一瞬」を写してしまう、あの梅佳代が写真担当で、装丁は祖父江慎。(生まれてきて)すみません、彼の装丁がどんなものなのか全然知りません。そして角川文庫太宰作品全十冊のカバーが、この強力タッグによるカバーに差し替えられた。 全十冊の表紙は一応特集ページで見ることができるが、店頭で手にとって見ないとなんとも言えない。最近、名作の表紙をアイドルの写真にして売っている文庫があるが、あれみたいなすっきりとしたイメージになるんだろうか。<br /><br />　フェアに含まれる「人間失格」の表紙は、悪ガキ小学生たちのワンカット。「走れメロス」はなんとおじさんが自転車に乗って連れ回している子犬の写真だ。写真が横長に配置されているのも文庫のお約束を破っていて驚かされる。二人の対談を読む限り、〈なんでもあり〉というのが方針のようだ。「表紙を隠さないでも太宰が読める」をコンセプトにしたと祖父江さんが語っている。いいんじゃないですか、読んでももらえれば…。<br /><br />　さて、今年のラインナップを検証していこう。<br /><br />　今年は全１０１冊、新たな本５２冊(昨年と同じ本４９冊)だ。<br /><br /><span style="color:#CB0098;"><strong><br />[躍進した作家]</strong></span><br /><strong><blockquote>山田悠介(1->3)<br />三浦綾子(0->2)<br />有川浩(1->2)<br />森見登美彦(1->2)<br />恩田陸(1->2)<br />金城一紀(1->2)<br />筒井康隆(1->2)</blockquote></strong><br /><br /><span style="color:#CB0098;"><strong>[後退した作家]</strong></span><br /><strong><blockquote>京極夏彦(3->1)<br />森絵都(4->2)<br />相田みつを(2->0)<br />森鴎外(2->0)<br />ダン・ブラウン(2->0)<br />芥川竜之介(2->1)<br />江國香織(2->1)<br />寺山修司(2->1)<br />灰谷健次郎(2->1)<br />山本文緒(2->1)</blockquote></strong><br /><br />　躍進組の筆頭は山田悠介だ。「パズル」や「リアル鬼ごっこ」など、ホラーやミステリーのジャンルで意気盛んなところを見せる流行作家が大躍進。もう一人はベテラン三浦綾子。こちらは小林多喜二の伝記と合わせ技で昨年の０冊から躍進。以上の二人以外に注目したいのは、いままさに上り調子の有川浩と森見登美彦だろう。<br /><br />　一方の後退組の筆頭は京極夏彦と森絵都だ。ただし、森は昨年が４冊の大台だったので、２冊に減ったのを後退と言ってしまうのは可哀想か。京極は明らかに大躍進の山田悠介に同じジャンルで喰われたと言っていい。そのほかには、相田みつを、森鴎外、ダン・ブラウンが２冊から大きく後退して姿を消した。でも相田みつをは、きっとジェイソンかエイリアンのように何度も何度も甦るだろうから心配はいらない。ダン・ブラウンは夏に入る前に「天使と悪魔」でだいぶ儲けたから、夏のフェアからはご退場願ったようだ。<br /><br />　躍進・後退とは違った意味で重要なのは、作家の顔ぶれの入れ替えだ。<br /><br />　新しく入った作家　２８名<br />　消えた作家　　　　２４名<br /><br />　この中には一年おきの常連組もいるから、出入りだけで判断してもあまり意味がない。特に注目株だけを抜き出してみよう。<br /><span style="color:#CB0098;"><strong><br />[新しく入った作家(注目)]</strong></span><br /><strong><blockquote>海堂尊<br />小林多喜二<br />葵せきな<br />野村美月<br />支倉凍砂<br />はらだみずき</blockquote></strong><br /><br /><span style="color:#CB0098;"><strong>[消えた作家(注目)]</strong></span><br /><strong><blockquote>吉本ばなな<br />ダン・ブラウン</blockquote></strong><br /><br />　海堂は「チーム・バチスタの栄光」や「ジェネラル・ルージュの凱旋」(２作とも宝島社)が次々に映画化されるほどの売れっ子ぶりが目立つ。ようやく捉まえた逸材というわけだ。小林多喜二はもちろん時代の寵児だ。派遣切りやリストラが日常化している社会状況をいち早く先取りしたかのような「蟹工船」が、古くて新しい小説としてよみがえった。これはひょっとして〈夏の文庫フェア３社比較〉でも、最重要トピックに挙がるかもしれない。そのほかの顔ぶれは僕らの世代には見慣れない名前だ。これについては、次節で取り上げよう。<br /><br />　消えた作家の話はそれほど面白いわけではないから簡単にいこう。何と言っても最大にして最重要な作家は吉本ばななだ。これは正直大変な事になったぞ、と思った。吉本ばななが角川のフェアから姿を消した。これは「キッチン」がいよいよ姿を消した事を意味する。これも小林多喜二同様、〈３社比較〉で大きなトピックになることは間違いない。と予告したところで、それ以上は深く突っ込まない事にしよう。<br /><span style="color:#CB0098;"><br /><strong>[角川文庫以外の文庫(14冊6レーベル)]</strong></span><br /><strong><blockquote>狼と香辛料　支倉凍砂(電撃文庫)<br />生徒会の一存　葵せきな(富士見ファンタジア文庫)<br />涼宮ハルヒの憂鬱　谷川流(角川スニーカー文庫)<br />"文学少女"と死にたがりの道化　野村美月(ファミ通文庫)<br />夜市　恒川光太郎(角川ホラー文庫)<br />霧が晴れた時　小松左京(角川ホラー文庫)</blockquote></strong><br /><br />　以前から古典が「角川ソフィア文庫」という別レーベルになっている事は気付いていたが、まさか他のレーベルからも入っているとはうかつにも気付かなかった。少なくとも昨年は気付いていない。今年は、さきほど見てきた「新しく入った作家」に見慣れない名前が何人も出くわした。その中で実は野村美月という作家の〈文学少女〉シリーズは、たまたま最近読んだばかりだったので、あれが角川文庫だとはどう考えても思えなかった。そこでようやく、こんなにもラノベ組の作家と作品が進出している事に思い至ったわけだ。それにしても、さすが角川文庫だ。必ずしも角川文庫レーベルでなくても「発見。角川文庫」に採り入れてしまう節操のなさは大したものだ。いや、これ、決してけなしているわけじゃないよ。<br /><br />　ちなみに2008年は11冊4レーベルだった。11冊と14冊なのでそんなに違わないように思われるかもしれないが、古典を提供している角川ソフィア文庫を除くと３冊から６冊へと２倍になっていることがわかる。６冊のうち４冊がライト・ノベルスだから、ターゲットとなる１０～２０歳の若者のニーズにしっかりと応えている事になる。<br /><br /><span style="color:#CB0098;"><strong>[キャッチコピー]</strong></span><br />　今年の紹介ページの特徴は、キャッチコピーの見直しだ。以前からこの企画で指摘してきたが、角川のキャッチコピーは詰まらない。何故か本文と同様に説明的で、大仰な惹句が多い。その点で、ワンフレーズで僕らの心をグッとつかんでしまう新潮文庫のキャッチコピーに見劣りがしてしまう。今回、そこをがらりと変えてきたのだ。例えば、<br /><br /><strong><blockquote>月魚　三浦しをん<br />　(2008年)古書店「無窮堂」を巡るふたりの青年の物語。<br />　(2009年)夢も、野心も、すべてあの夏の日に生まれた。<br /></blockquote></strong><br />　どちらがいいかは一目瞭然だろう。2008年のコピーは解説に書いてあれば十分だろう。キャッチコピーは非常に短い解説文ではないのだ。まずは言葉どおり読者を捕まえなければ意味がない。そこにようやく角川も気づいた。だからだろうか、解説の中の印象的なフレーズをコピーと入れ替えたりしている。<br /><br />　では〈大仰な惹句〉とは何か。これはあきれ返る程、2008年には溢れていた。<br /><strong><blockquote>最強傑作(グラスホッパー)<br />抱腹絶倒(ドミノ)<br />痛快ストーリー(坊つちゃん)<br />痛快ファンタジー(ペキー・スー)<br />歴史的一大奇書(ドグラ・マグラ)<br />(日本軍の)衝撃の記録(悪魔の飽食)<br />非日常系ストーリー(涼宮ハルヒの憂鬱)<br />当代随一(覘き小平次)<br />感動作(兎の眼)<br />決定版(知っておきたい日本の神様)<br /></blockquote></strong><br />　こんな下手な客引きでは、素直にお代を払ってくれる人は少ない。やもっとグッとくる言葉で迫ってほしい。これらの惹句の代わりにどんな魅力的な言葉に変わったか。この夏に読むには最適な宮沢賢治の童話二冊で、とくと今年のキャッチコピーの妙を味わってみよう。<br /><br /><strong><blockquote>注文の多い料理店　宮沢賢治<br />　(2008年)生前に出版された唯一の童話集。<br />　(2009年)神秘に満ちた、イーハトーブの世界を旅しよう<br /><br />銀河鉄道の夜　宮沢賢治<br />　(2008年)死の直前まで推敲された宮沢賢治の最高傑作<br />　(2009年)せつない気持ちを抱え、少年は宇宙を旅する<br /></blockquote></strong><br /><br />　ほらね。説明的な文章も無駄な表現もなくなって、煽りが効いた表現になってるでしょ。あれっ？でも二冊とも「旅する」んだ。もうちょっと工夫が必要ですね、編集部の方々。<br /><br /><strong><span style="color:#CB0098;">[その他、気になった点]</span></strong><br />　キャッチコピーにはずいぶん手が入ったけれど、本の紹介文の方は基本的に大きな変更はない。ただし、太宰治「人間失格」だけは書き直し部分があり、比較すると面白い。<br /><br /><strong><blockquote>人間失格　太宰治<br />　(2008年)本書が世間に発表されたのは、1948年。太宰治が玉川上水に入水した後になる。(以下、略)<br />　(2009年)本書が脱稿したのは、1948年5月。太宰治が玉川上水に入水し、命を絶つ１ヵ月前のことである。(以下、略)</blockquote></strong><br /><br />　入水自殺してしまえば原稿は書けない。死後の発表は取り立てて驚く事でもないだろう。発表時期が死ぬ直前ならば価値があるが、直後にはあまりない。しかし脱稿が自殺直前ならば、その小説には作家にとっての重要な意味が込められているだろう。昨年までの解説は、そこらへんの状況を見誤っていたのだ。この変更は当を得たものだが、惜しむらくは「本書が脱稿した」という表現は間違いで、「本書が脱稿された」か「本書を脱稿した」でなくてはならない。残念です。<br /><br />　最後の最後に、夏目漱石の２冊の表紙が変わった事を指摘しておこう。「坊つちゃん」が〈下駄とイナゴ〉。「こゝろ」が〈金魚と百合〉だ。両方とも同じデザイナーの手によるものだろう。昨年までの装幀と比べると、非常に涼しげでスタイリッシュな表紙になっている。これ、いいなぁ。２冊とも買ってしまいたくなった。<br /><strong><span style="color:#CB0098;"><br />[今年新たに入った本リスト(52冊)]</span></strong><br /><strong><blockquote>或る「小倉日記」伝,松本清張<br />海の底,有川浩<br />狼と香辛料,支倉凍砂<br />おくのほそ道（全）ビギナーズ・角川書店<br />怖るべき子供たち ジャン・コクトー 訳:東郷青児<br />怪談・奇談 ラフカディオ・ハーン<br />海底２万海里 (上)(下) ジュール・ベルヌ<br />蟹工船・党生活者 小林多喜二<br />きみが見つける物語 スクール編 角川文庫編集部<br />きみが見つける物語 休日編 角川文庫編集部<br />巨大投資銀行(上)(下) 黒木亮<br />霧が晴れた時ー自選恐怖小説集 小松左京<br />偶然の祝福 小川洋子<br />クローズド・ノート 雫井脩介<br />古事記 ビギナーズクラシックス 角川書店 著:角川書店<br />ＧＯＴＨ夜の章／僕の章 乙一<br />今夜は眠れない 宮部みゆき<br />サッカーボーイズ 再会のグラウンド はらだみずき<br />少女パレアナ ポーター<br />症例Ａ 多島斗志之<br />新選組血風録 【新装版】 司馬遼太郎<br />心霊探偵八雲１赤い瞳は知っている 神永学<br />スイッチを押すとき 山田悠介<br />青春の逆説 織田作之助<br />生徒会の一存 葵せきな<br />青年社長(上)(下) 高杉良<br />旅人（ある物理学者の回想） 湯川秀樹<br />ちぐはぐな部品 星新一<br />罪と罰 上・下 ドストエフスキー 訳：米川正夫<br />道三堀のさくら 山本一力<br />七つの人形の恋物語 ポール・ギャリコ 訳:矢川澄子<br />日本以外全部沈没 筒井康隆<br />ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ 滝本竜彦<br />眠たい奴ら 大沢在昌<br />母 三浦綾子<br />氷菓 米澤穂信<br />氷点(上)(下) 三浦綾子<br />不道徳教育講座 三島由紀夫<br />“文学少女”と死にたがりの道化 野村美月<br />ぼくは悪党になりたい 笹生陽子<br />万葉集ビギナーズ・クラシックス 角川書店<br />三日月が円くなるまで 宇江佐真理<br />みぞれ 重松清<br />ユージニア 恩田陸<br />夢にも思わない 宮部みゆき<br />夜市 恒川光太郎<br />夜は短し歩けよ乙女 森見登美彦<br />ライヴ 山田悠介<br />螺鈿迷宮 上・下 海堂尊<br />リズム 森絵都<br />レヴォリューション Ｎｏ．３ 金城一紀<br />私という運命について 白石一文<br /></blockquote></strong><br /><strong><span style="color:#CB0098;">[今年消えた本]</span></strong><br /><strong><blockquote>アーモンド入りチョコレートのワルツ	森絵都<br />愛がなんだ	角田光代<br />あやし	宮部みゆき<br />ある愛の詩	新堂冬樹<br />アルケミスト　夢を旅した少年	パウロ・コエーリョ<br />アルテミス・ファウル妖精の身代	オーエン・コルファー<br />アンネ・フランクの記憶	小川洋子<br />生きていてよかった	相田みつを<br />いつかパラソルの下で	森絵都<br />失はれる物語	乙一<br />絵草紙源氏物語	田辺聖子<br />ＮＨＫにようこそ！	滝本竜彦<br />キッチン	吉本ばなな<br />きまぐれロボット	星新一<br />蜘蛛の糸・地獄変	芥川龍之介<br />巷説百物語	京極夏彦<br />彩雲国物語　はじまりの風は紅く	雪乃紗衣<br />山椒大夫・高瀬舟・阿部一族	森鴎外<br />疾走　(上)(下)	重松清<br />小学生日記	華恵<br />世界の終わり、あるいは始まり	歌野晶午<br />太陽の子	灰谷健次郎<br />ダ・ヴィンチ・コード (上)(中)(下)	ダン・ブラウン<br />堕落論　	坂口安吾<br />探偵倶楽部	東野圭吾<br />ツ、イ、ラ、ク	姫野カオルコ<br />つきのふね	森絵都<br />徒然草ビギナーズ・クラシックス	角川書店<br />天使と悪魔　(上)(中)(下)	ダン・ブラウン<br />天使の爪　(上)(下)	大沢在昌<br />電池が切れるまで子ども病院から	すずらんの会<br />動物農場	ジョージ・オーウェル<br />遠い海から来たＣＯＯ	景山民夫<br />新遠野物語付　遠野物語拾遺	柳田国男<br />新版　にんげんだもの　逢	相田みつを<br />パイロットフィッシュ	大崎善生<br />美女入門	林真理子<br />ファースト・プライオリティ	山本文緒<br />フェイク	楡周平<br />不思議の国のアリス	ルイス・キャロル<br />フルメタル・パニック！　戦うボーイ・ミーツ・ガール	賀東招二<br />ブレイブ・ストーリー　(上)(中)(下)	宮部みゆき<br />ポケットに名言を	寺山修司<br />舞姫・うたかたの記	森鴎外<br />枕草子ビギナーズ・クラシックス	角川書店<br />ミミズクと夜の王	紅玉いづき<br />村田エフェンディ滞土録	梨木香歩<br />楽園のつくりかた	笹生陽子<br />冷静と情熱のあいだ　Ｒｏｓｓｏ	江國香織<br />冷静と情熱のあいだ　Ｂｌｕ	辻仁成<br />論語　ビギナーズ・クラシックス	加地伸行<br />嗤う伊右衛門	京極夏彦</blockquote></strong><a name="more"></a>

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<title>ガリレオの苦悩 東野圭吾(2009/5/16読了)</title>
<description> シリーズ長編作「聖女の救済」に少し遅れて図書館で入手した。あの長編でもいつの間にか、テレビドラマで柴咲コウが演じた内海薫が定位置におさまっていた。いったいどの作品からテレビとのギャップを埋めるような手順を踏んだのだろうと気になった。「聖女の救済」では、以前にガリレオこと湯川学の研究室を薫が訪れた事があると、薫自身が独白しているので、きっときっかけとなる作品があるはずだ。src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-...</description>
<dc:subject>書評</dc:subject>
<dc:creator>アスラン</dc:creator>
<dc:date>2009-07-03T12:48:52+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　シリーズ長編作「聖女の救済」に少し遅れて図書館で入手した。あの長編でもいつの間にか、テレビドラマで柴咲コウが演じた内海薫が定位置におさまっていた。いったいどの作品からテレビとのギャップを埋めるような手順を踏んだのだろうと気になった。「聖女の救済」では、以前にガリレオこと湯川学の研究室を薫が訪れた事があると、薫自身が独白しているので、きっときっかけとなる作品があるはずだ。<br /><br /><iframe
src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4163276203&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1"
style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0"
marginheight="0" frameborder="0" align="left" ></iframe>　それがこの短編集の中にあると目星をつけていたが、いざ読んでみると不思議なことに、やっぱりいつの間にか薫はほぼテレビと同じ立ち位置にいる。なるほど著者の東野圭吾はテレビの「内海薫」というキャラクターが気に入ったと見える。もしくは無視できないくらいの存在になってしまって何らかの対応に迫られたようだ。そこで彼がとった方法は「バックれる」ことだ。すなわち新人刑事としていつの間にか配属されて、いつの間にか草薙の代わりに湯川とのコンビを組むようになっているという重大な変更をすんなりと実現させてしまった。<br /><br />　ただし、テレビと微妙に異なるのは薫の推理能力の高さだ。原作では草薙刑事を警視庁に転属させていないため(と言うか、最初から警視庁捜査一課に所属している)、もっぱら草薙をぼんくらに甘んじさせて薫が鋭い観察力を示すという分担ができあがり、捜査一課では解決できそうにない事件を薫が湯川に持ち込むという流れになった。そのせいだろうか、親しみやすい柴崎コウの顔を思い浮かべながら小説の薫の描写を読むと、少し切れ者すぎるなぁと感じる。<br /><br />　しかし、女性ならではの視点で事件に新たな光をあてるというオーソドックスな構図をきちんと盛り込む事で、シリーズとしてのわかりやすさと面白さが一層期待できるようになった。その一つの結実が「聖女の救済」であったわけだ。<br /><br />　ところで、本作の短編の最初の２つ「転落る」「操縦る」は、すでに読む前からストーリーになじみがあった。何故だろう。映画「容疑者Ｘの献身」公開直前にテレビで放映された「ガリレオΦ(エピソードゼロ)」で、この２編が使われていたからだった。「ガリレオの苦悩」という本のタイトルの由来は、この短編の「操縦る」で湯川の恩師が犯した犯罪を湯川自身が暴かねばならない事に、珍しく湯川が苦悩するからに他ならない。だが、テレビドラマ「ガリレオΦ」では湯川は苦悩しない。犯人から恩師という設定をはずしてしまったからだ。<br /><br />　おそらくは「容疑者Ｘの献身」で古くからの友人の犯罪に悩まされるモチーフとダブってしまうと、テレビディレクターは判断したからだろう。逆に、草薙と湯川がコンビを組んで捜査する原点を描くという趣向を持ち込んで、テレビシリーズとはひと味違った面白さを提供して、映画と一線を画していた。ただし、薫の不在が物足りなく感じてしまうのは否めない。<br /><br /><br /><br /><br /><a name="more"></a>

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<title>新田次郎の本</title>
<description> テレ東かテレ朝でやっている夜の番組で、筒井康隆さんが出演して、いろいろと言いたいことをコメントして存在感をしめしている。他の出演者は芸人やアイドルなどのコメンテーターなので、彼らから浮いてる感じが貴重なのだろう。一番の売りは、毎週一冊「ぜひ読みなさい！」と筒井さんが本を紹介するコーナーだ。探してまで見ている番組ではないから、たまたま出くわさないと見られない。この本の紹介コーナーもまだ２回ぐらいしか見たことがない。八甲田山 死の彷徨 新田次郎(新潮文庫,1978年)劔岳 新版...</description>
<dc:subject>あっ、これ読みたい</dc:subject>
<dc:creator>アスラン</dc:creator>
<dc:date>2009-06-29T19:09:03+09:00</dc:date>
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　テレ東かテレ朝でやっている夜の番組で、筒井康隆さんが出演して、いろいろと言いたいことをコメントして存在感をしめしている。他の出演者は芸人やアイドルなどのコメンテーターなので、彼らから浮いてる感じが貴重なのだろう。一番の売りは、毎週一冊「ぜひ読みなさい！」と筒井さんが本を紹介するコーナーだ。探してまで見ている番組ではないから、たまたま出くわさないと見られない。この本の紹介コーナーもまだ２回ぐらいしか見たことがない。<br /><strong><blockquote><span style="color:#CB0098;">八甲田山 死の彷徨　新田次郎(新潮文庫,1978年)<br />劔岳　新版－点の記－　新田次郎(文藝春秋,2009年)<br /></span></blockquote></strong><br />　ちょうどそのときは新田次郎の「八甲田山 死の彷徨」を、ぜひ読むように勧めていた。その理由というのは、軍隊という組織が起こした大惨事のドラマを一種の組織論として反省的にとらえよ、というような感じに主張だった。一人の無能な、というか間違った方向に闇雲に従わせた一人の中間管理職のせいで、二百人以上の舞台のほとんどが帰らぬ人になってしまう。そして、本来の責任者である上長が、映画でも有名になった「天は我らを見放した」と慟哭する。<br /><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4101122148&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><br />　その史実を深く掘り下げた原作を、時代小説の大家としかイメージが沸かない新田次郎が見事な小説に仕上げているらしい。高校の修学旅行で八甲田山の頂上までバスで行った思い出があり、ちょうどそのころに映画も大ヒットとした記憶があるので、原作も筒井さんのオススメにしたがって、俄然読みたくなってきた。<br /><br />　と思ったらタイムリーなことに、今映画館で上映されている話題作「剣岳 点の記」というのも新田次郎の作品なのか。では、こちらもぜひ読んでみなければ…。もし、読んだとしたらば、中井喜一が演じたＮＨＫ大河小説「武田信玄」を熱心に見てたときに読んだ原作以来の新田作品という事になる。<br /><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000J81Y6M&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><a name="more"></a>

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<title>秘密の花園 バーネット(2009/5/4読了)</title>
<description> 「秘密の花園」はかつて読んだことがあると思っていたが、どうやら勘違いだったようだ。最後まで読んでみて「こういう物語だったなぁ」というデジャブは訪れなかった。そのかわり「こういう物語なんだろうなぁ」という予想をまったく裏切らなかったとも言える。実はバーネットという作家は、あの「小公子」と「小公女」を書いた作家としても有名なのだと巻末の解説で初めて知った。この二冊は子供の頃にいずれも読んでいる(はずだ)。 ストーリーもタイトルもよく知っているくせに作者に覚えがない。上記の２作品...</description>
<dc:subject>書評</dc:subject>
<dc:creator>アスラン</dc:creator>
<dc:date>2009-06-25T19:21:51+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　「秘密の花園」はかつて読んだことがあると思っていたが、どうやら勘違いだったようだ。最後まで読んでみて「こういう物語だったなぁ」というデジャブは訪れなかった。そのかわり「こういう物語なんだろうなぁ」という予想をまったく裏切らなかったとも言える。実はバーネットという作家は、あの「小公子」と「小公女」を書いた作家としても有名なのだと巻末の解説で初めて知った。この二冊は子供の頃にいずれも読んでいる(はずだ)。<br /><br /><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4102105034&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0" align="left" ></iframe><br />　ストーリーもタイトルもよく知っているくせに作者に覚えがない。上記の２作品が同じ作者だということすら顧みたことがない。何故なら、こういった作品はすべて小学校の図書室で「図書」の時間に読んでいるからだ。いまも「図書」というカリキュラムはあるのか知らないが、僕が小学生のころには、４５分まるまる図書室で本を読む授業があった。そこで出会った有象無象の物語たちには名前はあるが、子供にとって作者は重要ではない。今の子供たちならばアニメで摂取するであろう少年少女向けの世界の名作の数々を僕は小学校の図書で読んだ。「レ・ミゼラブル」という大層な小説ではなく「ああ！無情」という分かりやすい題名の物語を読んだのも、この「図書」の時間でだった。<br /><br />　「小公子」「小公女」「ハイジ」「フランダースの犬」「母をたずねて三千里」「家なき子」くわえて、あのオランダの堤防の決壊を救った少年の話などなど、図書室には実にけなげな子供たちが主人公の物語であふれ、おそらく道徳教育の観点から大人が子供をしつけるには格好の教材であったこれらの本から、僕はかなりの影響を受けたと思う。強いて突っ込むところがあるとするならば、「けなげな子供」が多すぎるという点だろうか。<br /><br />　過酷な運命に遭遇する読書体験で、感情移入の度合いが人並み以上に働いた当時の僕には、両親が死んで見知らぬ家にひきとられたらどうしようだの、母が遠くに行ってしまったら生きていけないだの、大道芸をしながら諸国を放浪するのはどんなに侘びしいだろう、などと様々に妄想が沸いて出たはずだ。眠れぬ夜の何分の一かは、そういう空想や妄想によるものだったかもしれない。<br /><br />　その中でも「小公子」という物語には、過酷とはひと味違った雰囲気があった。父親を亡くした少年は確かにつらい運命に直面したが、立派な家屋敷をもつ祖父に引き取られる。ただし祖父の心が孤独に覆われていることが少年にとっての悲しみになる。と同時に最愛の母とも一緒に暮らせない事が少年の悲しみに追い打ちをかける。祖父の心を癒そうと、けなげな少年の思いやりが花開く。待ち受けている結末のカタルシスが子供ながらに予感された。幸せな結末は少年少女読者を裏切らない。当時の僕は結末で泣いただろうか？正直よくわからない。ただし眠れぬ夜の妄想が、眠れる夜を誘う空想へと転化していったことは確かだ。<br /><br />　その読書体験から４０年近くたって、同じようなストーリーの骨格を備えた「秘密の花園」という物語を読む巡り合わせとなった。今読んでも素直に楽しめる。この作品は、もちろん子供が読んでもいいが、原作の分量や文章の質の高さを考えると、大人向けの小説としての読みごたえがある。それは誰もが指摘するように、イギリスの荒野の中で奇跡のように育まれた〈花園〉に凝縮した自然が、見事に生き生きと描かれているからだ。と同時に、花園を中心にして交流する三人の子供たちの心の動きが非常にほほえましく、さすがは「小公子」の作者だと、その手際に拍手を送りたくなるからだ。<br /><br />　何より読みやすい。バーネット女史の文章はするすると喉ごしのいいソバでも食べるかのように、すんなりと心の隅々に届いていく。読みやすいと同時に、登場人物の誰一人としてひねくれていないところが気持ちいい。悪人は一人としていないのだ。もちろんお屋敷の当主の息子は、甘やかされてわがまま勝手に育っている。ところが、メアリーという個性的な女の子が救いの手をさしのべるだけで、彼はすぐに本来持っていたまっすぐな心を取り戻す。これは、あたかも花園で枯れかけた草や花が、ほんのちょっと周囲の土を整えるだけで再生してゆく光景と変わらない。<br /><br />　作者にしてみれば、近代人の自我が生んだヒューマニズムなんてこざかしいだけで、人間そのものは花や木や鳥や動物となんら変わらない「自然」の一部であるという信念があるからこそ、このような人物造形ができあがったのだろう。<br /><br />　子供たちの生き生きとした感情描写に比べると、この作品に登場する大人たちに生彩がないのは何故だろう。これが「ハイジ」になると、ハイジに多大な影響を与えるアルムお爺やクララのお婆さん、それにフランクフルトのお医者さん(あるいはアニメに限って言えば家庭教師のロッテンマイヤー)のように、魅力的な大人がたくさん登場するが、この作品では大人は単なる背景にすぎない。<br /><br />　そこが、ひらすら一直線に子供の物語だけを追い続けるシンプルな作品の楽しさに繋がっている事は確かだが、一方で葛藤や乗り越えといったエモーショナルな場面がまったくなくて物足りないとも感じる。特にお屋敷の主人と息子との和解が訪れるクライマックスは、もうちょっと盛り上げてもよかったのではないだろう。あまりに主人公の物わかりの良さが目立つ。あれほど妻の死に悲しみ、妻の死を呪うあまりに息子を疎んじ続けたと言うのに。<br /><br />　しかし、いまさらケチをつけても詮ない話だ。これほどシンプルにして読ませる物語を、著者が健筆を奮った若い頃ではなく初老に近い年齢で書き上げた事に思いを馳せながら、こちらもじっくりと味わうという読み方がいいのかもしれない。<a name="more"></a>

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<title>聖女の救済 東野圭吾(2009/5/2読了)</title>
<description> ご存じ「探偵ガリレオ」シリーズの長編第２作だ。長編第１作は直木賞受賞作である「容疑者Ｘの献身」であるのは言うまでもないだろう。今回から、テレビシリーズで福山雅治扮するガリレオとコンビを組んだ内海薫が登場する。と思ったら、既にガリレオとは面識があることになっている。ひょっとしたら本作以前に別の短編で登場済みなのかもしれない。と、この書評を書き出した頃には、まだ「ガリレオの苦悩」が図書館で予約待ちだったが、その後入手して読んだのでこちらの短編集で初めて内海刑事が登場していた事が...</description>
<dc:subject>書評</dc:subject>
<dc:creator>アスラン</dc:creator>
<dc:date>2009-06-22T01:50:32+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　ご存じ「探偵ガリレオ」シリーズの長編第２作だ。長編第１作は直木賞受賞作である「容疑者Ｘの献身」であるのは言うまでもないだろう。今回から、テレビシリーズで福山雅治扮するガリレオとコンビを組んだ内海薫が登場する。と思ったら、既にガリレオとは面識があることになっている。ひょっとしたら本作以前に別の短編で登場済みなのかもしれない。と、この書評を書き出した頃には、まだ「ガリレオの苦悩」が図書館で予約待ちだったが、その後入手して読んだのでこちらの短編集で初めて内海刑事が登場していた事がわかった。<br /><br /><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4163276106&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0" align="left" ></iframe>　「探偵ガリレオ」ではガリレオの相方は草薙という男の刑事で、湯川とは大学時代からの友人でもあるという設定だ。ところがテレビシリーズでは、柴咲コウ扮する女性刑事・内海薫が毎回湯川学の研究室を訪れるという人物設定が採用された。草薙は警視庁捜査一課に転属になっている。これは女っ気のない原作にテレビ向けのロマンスの一つも持ち込もうというプロデューサーの下心で、これはまんまと当たっている。<br /><br />　原作でも遅ればせながらテレビシリーズとのギャップを埋めようと、新たに内海刑事を登場させたわけだが、この長編に限って言えば、草薙が相方ではうまくない理由がある。草薙(原作では草薙は転属させずに残している)は犯人役の女性に恋愛感情を抱いて、自分を見失ってしまうからだ。「赤毛のレドメイン家」を読んだばかりなので、まったく趣向が同じなのに驚いてしまった。もちろん内容が全く同じというわけではない。草薙が使いものにならない分、とうぜんながら内海の探偵ぶりが目立つ。テレビでの薫のドジぶりとは違って、本書の内海刑事はなかなかの切れ者だ。そして彼女をバックアップして、草薙の逆走を止めるのはガリレオただ一人だ。<br /><br />　本書の犯人の犯罪トリックは信じがたいもので、しかもガリレオに言わせると完全犯罪である。このトリックの存在が明かされるときは、なるほど面白いと思ったが、被害者が毒薬で殺された時点で結末が見えてしまった。作者は「赤毛のレドメイン家」のようなミステリー黄金期の作品から、犯人と警察関係者との恋愛感情という趣向を採り入れただけでなく、メインのトリックにもミステリの父であるエドガー・アラン・ポーの「盗まれた手紙」のトリックをうまく応用している。ただし、盛んに目の前に手がかりをぶら下げたからだろうか、さすがに僕でも気づいてしまった。<br /><br />　読後に思ったのは、長編に仕立てるために恋愛物というオーソドックスな趣向を採用してはいるが、少々間延びしすぎているのではないだろうか。「容疑者Ｘの献身」では長編にするだけの必然性が内容に伴っていたが、今回の題材に長編に耐えるだけの魅力があるとは思えない。せめて中編ぐらいに納めておけば、いつものように切れ味鋭い作品になったのではないだろうか。ちょっと残念だ。<a name="more"></a>

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<title>老人と海 アーネスト・ヘミングウェイ(2009/5/1読了)</title>
<description> 100ページをやや上回る程度の中編だ。中学生の時に一度読んだ覚えがある。理由はもちろん薄い文庫だったからだ。ひとりの老人が出てくる。漁師だ。しかも老いて、かつてのような力量を見せることができなくなっている。ある日、遠出をして、沖で出くわした大きな魚(めかじき)を格闘の末に釣り上げる。ところが陸にもどるまでにサメにあらかた食い尽くされ、老人の数日にわたる激闘は無為に帰してしまう。老人は自らの行為を後悔するだけでなく、心を通わせた大魚にも済まないと思う。老人を心配する少年が、よ...</description>
<dc:subject>書評</dc:subject>
<dc:creator>アスラン</dc:creator>
<dc:date>2009-06-17T12:22:46+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　100ページをやや上回る程度の中編だ。中学生の時に一度読んだ覚えがある。理由はもちろん薄い文庫だったからだ。ひとりの老人が出てくる。漁師だ。しかも老いて、かつてのような力量を見せることができなくなっている。ある日、遠出をして、沖で出くわした大きな魚(めかじき)を格闘の末に釣り上げる。ところが陸にもどるまでにサメにあらかた食い尽くされ、老人の数日にわたる激闘は無為に帰してしまう。老人は自らの行為を後悔するだけでなく、心を通わせた大魚にも済まないと思う。老人を心配する少年が、ようやくに帰ってきた老人をやさしくいたわる。ざっと言ってしまえば、それだけの話だ。<br /><br /><iframe
src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4102100040&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1"
style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0"
marginheight="0" frameborder="0" align="left"></iframe>　中学生当時の僕は、この作品にいったいどんなことを感じただろうか。たぶん何も感じなかったに違いない。もちろん、老人が「かわいそうだ」とか、「哀れだ」と同情したかもしれない。あるいは、作中の少年の気持ちに同化して、老人を見くびる人々に対してくやしさといらだたしさを滲ませたかもしれない。いずれにしても、中学生の僕はよく読んだものだ。今の僕は感心してしまう。<br /><br />　今回あらためて読んでみると、たった100ページの作品を読み切るのに予想以上に手こずった。ジャーナリストが本業であったヘミングウェイの、やや硬質な文章は、老人の一週間ほどの日常を淡々と描いていくのではなく、彼の内面のかなり深いところから出た独白を克明に描いていく。たった一言でもないがしろにできない重みがある。そのせいかストーリーを単に追っていくように流し読みすることは叶わない。絶えず行きつ戻りつするように思索をうながす作品とも言える。<br /><br />　ヘミングウェイの狙いは、自ら選び取ったとしか思えぬような、誰からも理解されぬ老人の「孤独」にある。著者はそこに躊躇なくまっすぐに切り込んでいく。老人の家には寝に帰るベッドのほかには家族の姿も温かな食卓もない。そして、今や寄る辺なき身の上であるだけでなく、行きぬくために身につけてきた漁師の手際さえも失おうとしている。<br /><br />　老人を理解し手を差し伸べるのは少年ただ一人である事に、老人はやるせないむなしさを感じる一方で、最後の時を迎えつつある孤独な人生の救いと感じている。そんな彼の心象風景をようやく味わう事ができる。所詮、中学生には少年の視線から老人を見ることはできても、老人の視点に立つことなどできやしなかった。<br /><br />　この作品は、老いることを人一倍恐れた著者の孤高な理想を描いた文章ではなかっただろうか。そして著者はついに、この老人のようには老いることができなかった。彼は自らの人生に自分で結末をつけてしまった事を、本の扉に書かれた著者紹介で気づいた。「老人と海」こそは、著者ヘミングウェイが、やがては自らにも訪れる〈老い〉というものを正確に捉まえようとしていた時期に、自らのあらぶる魂を鎮めようとした鎮魂の歌だったのだろう。<br /><br />　テレビもない時代の港町の出来事のようになんとなく読んでしまったが、野球の話題だけは時代の新しさを象徴するかように漁師たちの戯れ言のなかに混じってくる。老人はヤンキースの事に触れたり「大ディマジオ」を懐かしんだりする。「シスラー」の名前がでてきて意表をつかれた。これは、あのイチローが最近達成するまで長きにわたって破られることのなかった最多安打の大記録をもつジョージ・シスラーの息子だった。大シスラーの息子は２人とも大リーガーになった。そんな小さな驚きが、著者の死とともに過去に置き去りにされつつある「老人と海」という作品に新たな光を当ててくれる気がした。<br /><br />[追記]<br />　中学一年生の頃に読んだ僕の読後感想は、こうだ。<br /><strong><blockquote>　ぼくにはちょっとむずかしい感じがした。老人が海を愛し、魚たちをともとみているところで老人は、やさしさがあって、さびしがりやだなと思った。</blockquote></strong><br />　なんと、あまりに素直な感想だろう。自分で当時の自分にびっくりさせられた。<a name="more"></a>

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<title>本と珈琲のある風景(2006/7/31)</title>
<description> 今は無きＵＣＣカフェプラザでのんびりとアイス珈琲を飲みながら読書ができた幸せな頃の一枚。３年前だから息子はまだ１年と７ヶ月。昼食後はぐっすりと２～３時間は昼寝をしていてくれた時期だ。添い寝はママにまかせて、暑い夏を僕は自宅を抜け出して立川駅前南口に出来たばかりのＵＣＣカフェプラザですごす初めての夏を、アイス珈琲と本の取り合わせで楽しんだ。 ダ・ヴィンチ・コード ヴィジュアル愛蔵版 ダン・ブラウン すでに前年に当時の人気作は読んでいたが、この愛蔵版はルーブルで飾られているダヴ...</description>
<dc:subject>本と珈琲のある風景</dc:subject>
<dc:creator>アスラン</dc:creator>
<dc:date>2009-06-14T02:58:27+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　今は無きＵＣＣカフェプラザでのんびりとアイス珈琲を飲みながら読書ができた幸せな頃の一枚。３年前だから息子はまだ１年と７ヶ月。昼食後はぐっすりと２～３時間は昼寝をしていてくれた時期だ。添い寝はママにまかせて、暑い夏を僕は自宅を抜け出して立川駅前南口に出来たばかりのＵＣＣカフェプラザですごす初めての夏を、アイス珈琲と本の取り合わせで楽しんだ。<br /><br />　<strong><blockquote><span style="color:#CB0098;"><a href="http://elleryqueen.seesaa.net/article/21900831.html" target="_blank">ダ・ヴィンチ・コード ヴィジュアル愛蔵版</a>　ダン・ブラウン</span></blockquote></strong><br /><br />　すでに前年に当時の人気作は読んでいたが、この愛蔵版はルーブルで飾られているダヴィンチの絵画がふんだんに使われていて、作品を楽しむには非常に都合の良い一冊だった。<br /><br />　珈琲は、なにかこの夏のＵＣＣカフェプラザオリジナル商品だったので頼んだのだが、珈琲から作ったクラッシュアイスに珈琲が注がれていてバニラアイスがのった洒落た飲み物だった。名前は忘れた。でも、ちょっとクラッシュアイスのしゃりしゃり感が、「アイス珈琲はごくごく飲みたい」僕としては邪魔だった。つまりはオシャレすぎたのだろう。僕には似合わない。今回限りで二度と頼まなかった。<br /><img src="http://elleryqueen.up.seesaa.net/image/E0DDE0EAA4CEA4A2A4EBC9F7B7CA060731.JPG" width="320" height="240" border="0" align="" alt="珈琲のある風景060731.JPG" onclick="location.href = 'http://elleryqueen.seesaa.net/upload/detail/image/E0DDE0EAA4CEA4A2A4EBC9F7B7CA060731.JPG.html'; return false;" style="cursor:pointer;" /><a name="more"></a>

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<title>ポトスライムの舟 津村記久子(群像2008年11月号、2009/4/29読了)</title>
<description> 芥川賞受賞作。と文章を始めた時点で何も書くことがないと告白したも同然だ。受賞作だから読むという「にわか読書家」と何も変わるところがない。 しかし、こうも言えるじゃないかな。新進気鋭の作家の短編をひとつ読んだだけで、「何がわかったか」などと偉そうに述べる必要もなければ、それが可能だと考えるべきでもない、と。 直木賞が大衆小説の、いやエンターテイメントの頂点であるという評価がされるほどには、芥川賞が「文学」の頂点であるとは、今や誰も信じてはいないだろう。そうは言っても、そういう...</description>
<dc:subject>書評</dc:subject>
<dc:creator>アスラン</dc:creator>
<dc:date>2009-06-11T19:30:10+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　芥川賞受賞作。と文章を始めた時点で何も書くことがないと告白したも同然だ。受賞作だから読むという「にわか読書家」と何も変わるところがない。<br /><br /><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4062152878&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0" align="left" ></iframe><br />　しかし、こうも言えるじゃないかな。新進気鋭の作家の短編をひとつ読んだだけで、「何がわかったか」などと偉そうに述べる必要もなければ、それが可能だと考えるべきでもない、と。<br /><br />　直木賞が大衆小説の、いやエンターテイメントの頂点であるという評価がされるほどには、芥川賞が「文学」の頂点であるとは、今や誰も信じてはいないだろう。そうは言っても、そういう雰囲気と権威を漂わせているのがこの賞であり、またそうでなければ読んでみようと考えるミーハーな読者がいまなお大勢いる事の理由にならない。自分を棚に上げている訳ではないが、受賞作を読んだ事で一級の「文学」を味わったなどと、訳知り顔になりたくないだけだ。<br /><br />　その点ではここ数年、芥川賞受賞作品をなんとか読んできたが、書評(感想)を書くまでにはいたっていない。どうしてもうまく感想を絞り出せないのだ。おそらく今の社会状況をうまくとりこんで、その中で生きる人間の内面を活写した作品が選ばれやすい。もしくは文体にとてつもなく個性がある作家が評価される。それだけは言ってもいいだろう。<br /><br />　前回の「乳と卵」の川上未映子はおそらく後者の作家だろう。関西弁を駆使した激情的でリズミカルな文体は、僕自身はあまり乗れなかった。ただ、確かに個性的ではあった。今回の作者は文体に特徴があるわけではないが、３０～４０代の独身女性が働く、展望のもてそうにない職場の単調な日々と、それを体現するかのように自閉症を抱えた主人公の目を通して、家族や友人たちの生き方を描いていく。<br /><br />　これにうまく感情移入できないのは〈現代〉がどんな時代なのかを実感できていないからだと言われそうでイヤなのだが、この小説を読んで「だからどうした」と言ってみたい気もする。毎日消費した金額を丹念に計算することで、友人づきあいや親とのつきあいがそれに見合ったものだったかをヒロインはいちいち確認していく。その行為自体に、今を生きる〈生き方〉の脱出口を上手に見いだせない彼女の切実さが見てとれる。せっかくの「世界一周カヌーの旅」のための貯金が一向に貯まる気配がないのは、彼女の生き方が他人からはどんなに息苦しいものに見えたとしても、「カヌーの旅」よりも「かけがえのないもの」を彼女自身が無意識に選び取ってしまっているからだろう。<br /><br />　しかも、そのことに彼女が実感できていないところが、彼女の心の中にある地獄なのかもしれない。安穏とした独白で進行するさりげない日常の中で彼女なりに何かが見えてくるラストシーンが、読む側にとって一つの救いになっている。<br /><br /><div style="font-size:small;">↓クリックの応援よろしく！<br /> <a href="http://blog.with2.net/link.php?91350" target="_blank"><img
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<title>世界の終わりと海辺のカフカ</title>
<description> 週末に立川市の最寄りの図書館に行って、栗本薫のグイン・サーガシリーズ第一作「豹頭の仮面」をゲットしてしまった。乱歩賞受賞作の「ぼくらの時代」の方はまだ来てないはずなので、その間に読んでしまおうと受け付けにもっていくと、あに図らんや「ぼくらの時代」も届いていた。これで川崎市の図書館で借りた中島梓名義の「文学の輪郭」とあわせると、このブログで取り上げたお弔い読書３冊をすべて入手した事になる。とは言え「文学の輪郭」の方はすでに返却日が近づいていたので、とりあえず貸出延長ボタンをポ...</description>
<dc:subject>あっ、これ読みたい</dc:subject>
<dc:creator>アスラン</dc:creator>
<dc:date>2009-06-09T19:53:56+09:00</dc:date>
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　週末に立川市の最寄りの図書館に行って、栗本薫のグイン・サーガシリーズ第一作「豹頭の仮面」をゲットしてしまった。乱歩賞受賞作の「ぼくらの時代」の方はまだ来てないはずなので、その間に読んでしまおうと受け付けにもっていくと、あに図らんや「ぼくらの時代」も届いていた。これで川崎市の図書館で借りた中島梓名義の「文学の輪郭」とあわせると、このブログで取り上げたお弔い読書３冊をすべて入手した事になる。とは言え「文学の輪郭」の方はすでに返却日が近づいていたので、とりあえず貸出延長ボタンをポチッと押した。こういう時に川崎市のシステムはありがたいね。<br /><strong><blockquote><span style="color:#CB0098;">海辺のカフカ(上・下)　村上春樹(新潮文庫,2005年)<br />世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上・下)　村上春樹(新潮文庫,1988年)</span></blockquote></strong><br />　このところの話題は、もっぱら村上春樹の新作「１Ｑ８４」であることは言うまでもないだろう。内容もわからず、ある時いきなり書店に単行本２冊が姿を現した。目次を見るだけで、ああ、これは面白そうだなぁと思うが、購入する余裕も自宅スペースもない。とりあえず、積ん読くべきなのだろうが、それさえも当たり前すぎてつまらない。店頭で見かけた日に川崎市立図書館のサイトにアクセスしたが、まだ蔵書にヒットしなかった。すっかり記憶のかなたになって、改めてアクセスしたところが手遅れ。現在３９０人待ちだ。となると立川市の図書館で早めに予約したいところで、毎日毎日さぐってはみるものの、こちらはなかなか蔵書になってこない。新しモノ好きの川崎と、慎重派の立川と、それぞれに特色が出ている。いや、単に立川は予算がないのか。<br /><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4101001545&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>　<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4101001553&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><br />　そこでと言ってはなんだが、最近古本屋の１０５円コーナーには「海辺のカフカ」の新品同様の文庫が置かれていて、うれしくなって上下そろって購入したのを思い出した。すでに単行本を図書館で借りて読んではいるが、文庫で再読したいと思って買ったのだ。これだけでも、「１Ｑ８４」を待ちわびるどころの話ではないのだけれど、つい最近、１０５円コーナーに「世界の終わりと…」も置かれた。ちょうどいいじゃないか。何故か自宅に上巻だけがポツンと置かれていて、そのせいでなかなか読み出せずにいたのだ。<br /><br />　しかも僕が村上春樹を読み出したのが「ねじまき鳥」からだと言うと、村上春樹ファンの人は必ず「世界の終わりと…」の方が面白いから是非読めと言う。なのに、いまだに読んでなかったのだ。なおさら、「１Ｑ８４」どころの話じゃないだろう。<br /><br />　さっそく下巻だけ拾って店内に入ったら、店のおばさんに「あれ？上巻はいいんですか？」と言われてしまった。やっぱり言われてしまったか。「上巻は前に買って家に持ってるんですよ」と言い訳しながら、そそくさと買って出てきました。<br /><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4101001340&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>　<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4101001359&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><br /><br /><div style="font-size:small;">↓クリックの応援よろしく！<br /> <a href="http://blog.with2.net/link.php?91350" target="_blank"><img
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<title>お弔い読書(栗本薫と中島梓)</title>
<description>文学の輪郭 中島梓(講談社文庫,1985年)ぼくらの時代 栗本薫(講談社文庫,1980年)豹頭の仮面―グイン・サーガ(1) 栗本薫(ハヤカワ文庫改訂版,1983年) 栗本薫が亡くなった。個人的にはクイズ番組の回答者として一時期テレビではおなじみのタレントというイメージがつきまとうが、著作としては、ライフワークの「グインサーガ」は苦手なＳＦということで一冊も読んでない。ほぼ唯一読んだと確実にいえるのは、乱歩賞受賞作「ぼくらの時代」だろう。でも読後の感想をまったく覚えていないとこ...</description>
<dc:subject>あっ、これ読みたい</dc:subject>
<dc:creator>アスラン</dc:creator>
<dc:date>2009-06-04T19:57:45+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<strong><blockquote><span style="color:#CB0098;">文学の輪郭　中島梓(講談社文庫,1985年)<br />ぼくらの時代　栗本薫(講談社文庫,1980年)<br />豹頭の仮面―グイン・サーガ(1)　栗本薫(ハヤカワ文庫改訂版,1983年)</span></blockquote></strong><br /><br />　栗本薫が亡くなった。個人的にはクイズ番組の回答者として一時期テレビではおなじみのタレントというイメージがつきまとうが、著作としては、ライフワークの「グインサーガ」は苦手なＳＦということで一冊も読んでない。ほぼ唯一読んだと確実にいえるのは、乱歩賞受賞作「ぼくらの時代」だろう。でも読後の感想をまったく覚えていないところを見ると、あまり気に食わなかったのだと思う。<br /><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4062759330&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><br />　これはひとえに僕の偏狭な好みにあったと思える。当時の僕ときたら、エラリー・クイーンの諸作を聖典とあがめ、海外ミステリー(それも黄金期の作家の作品)ばかりを読み、日本のミステリーを苦手としてきた頃の読書だったはずだ。乱歩は好きだったはずなのに、乱歩賞作品はどことなく侮っていた。日本のミステリーが偏見なく読めるようになったのは、綾辻行人と北村薫を読むようになってからだから、遅きに失っしたと言われても返す言葉がない。<br /><br />　もう一度、故人を忍んで、まず「ぼくらの時代」を読みかえそうと、図書館で予約をかけた。誰も借りてないと喜んだが、書棚から職員が回収する前に手にとってしまった人がいたようで、１人待たねばならなくなった。<br /><br />　もう一冊、借りてみた。彼女は中島梓のペンネームで文学を物語る評論家として名を成すところからキャリアが始まっている。Wikiによる1977年に「文学の輪郭」で第20回群像新人文学賞評論部門を受賞している。こちらの方も気になって借りてみた。こちらはすぐに借りられ、手元にある。最初の一行から大上段に〈文学〉をまな板ののせている、大変気合の入った評論のようだ。まだ中身はこれからだけれど、きっと江藤淳の評論が好きだっただろうな。<br /><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4061836013&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><br />　最後に、そっとではあるけれどグインサーガ・シリーズの第一巻「豹頭の仮面」を入れておこう。いまさら129巻で未完に終わってしまったシリーズを読破しようなどとも思わないし、そこまで関わろうとも思わないけれど、この有名な作品の出だしがいかなる文章であったのか、試してみたいという欲望に駆られている。読売新聞に追悼文を書いた田中芳樹が、彼女の原稿４００枚を見せてもらったときに書き損じも書き直しもない堂々たる文章に驚嘆したと書いていて、そういう天賦の文才だったのかと、改めてお弔いの読書をしたくなったのだ。<br /><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4150301174&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><br />　果たせるかは、僕の気分がどこまで高揚しているかによる。会社近くの古本屋では１冊１００円で「グインサーガ」の多くが入手できる。「豹頭」もその限りではないが、迷った末に買わなかった。<br /><br /><div style="font-size:small;">↓クリックの応援よろしく！<br /> <a href="http://blog.with2.net/link.php?91350" target="_blank"><img
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<title>赤毛のレドメイン家 Ｅ・フィルポッツ(2009/4/28読了)</title>
<description> 乱歩が選んだミステリー黄金期のベストテン一位に輝いた作品だ。ところが、作者はクリスティでもなければクイーンでもカーでもない。フィルポッツという、日本ではほぼ作品を紹介されることのない作家の作品だった。乱歩は、この作品の持つ雰囲気やトリックにえらく感心したようで、紹介の言葉にも非常に力が入っている。 今読むとあきらかに探偵がボンクラで、犯人としか思えない人物が目の前にいるというのにいっこうに深入りしないことに、僕は違和感を感じてしまう。最初から、ある先入観をもって探偵は捜査し...</description>
<dc:subject>書評</dc:subject>
<dc:creator>アスラン</dc:creator>
<dc:date>2009-06-01T01:49:35+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　乱歩が選んだミステリー黄金期のベストテン一位に輝いた作品だ。ところが、作者はクリスティでもなければクイーンでもカーでもない。フィルポッツという、日本ではほぼ作品を紹介されることのない作家の作品だった。乱歩は、この作品の持つ雰囲気やトリックにえらく感心したようで、紹介の言葉にも非常に力が入っている。<br /><br /><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4087488292&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0" align="left" ></iframe><br />　今読むとあきらかに探偵がボンクラで、犯人としか思えない人物が目の前にいるというのにいっこうに深入りしないことに、僕は違和感を感じてしまう。最初から、ある先入観をもって探偵は捜査している。捜査のイロハは把握していると偉そうに語ったくせに、その後のふるまいはお粗末そのものだ。恋愛感情をもつと、探偵は本来もつ手腕を発揮できないという、今ではありきたりなテーマはどうやらこの時代から始まっていたようだ。最近読んだ東野圭吾の「聖女の救済」でも、作者はまさにこのありきたりなテーマに取り組んでいる。そこでもボンクラ役が出てくるところをみると、本作の「お粗末」も僕ら読者をいらだたせる著者の作戦と考えた方がいいのかもしれない。<br /><br />　乱歩が絶賛しただけあって、ストーリー展開はオーソドックスながらスリリングだ(ネタが割れていることを割り引けばだが…)。これを「退屈」だというのは、ミステリーが歴史を重ねる事で充実したエンターテイメントにまで発展した今の世代だから言えることで、本作は明らかに当時一級のミステリーだったのだろう。<br /><br />　探偵を引退した老人がでてくるところで、俄然物語が動き出す。なるほど、前半のボンクラ探偵にイライラさせられた帳尻は、ここで合うことになっていたのか。しかし、真の探偵というべき老人はその後もボンクラ刑事に捜査をまかせ、自らは事件の発端を遡るためにいったん退場する。ミステリーにはよくある展開だが、老探偵が離れている間に犯人の目的はあらかた達成されてしまう。戻ってきた老探偵が最後に真価を見せて、一挙に事件は解決する。そのときに〈どんでん返し〉が用意されているのは確かだ。<br /><br />　乱歩は「息つく暇もないほどのどんでん返しに次ぐどんでん返し」と持ち上げているが、僕の考えでは本当に「どんでん返し」と言えるのは、犯人が明らかにされるラストの一回しかない。それも「どんでん返し」というにはインパクトが弱い。若い探偵の推理に対して「まったくまちがっているのが後でわかることとなった」などと語り手が思わせぶりに語るが、読者の予想をひっくり返すほどには意外な結末になっていない。<br /><br />　最初の殺人で、当初から考えられていたのとは違って、被害者と犯人が逆だったという展開が、あえて言えば「どんでん返し」にあたるのかもしれない。名家の因襲に彩られたドロドロした血の争いに見入られた乱歩には、こういう趣向が見事に見えたのだろう。だが、僕ら読者には最初から犯人像が見えているため、前半のどこをどういじくってみても印象は揺るがない。<br /><br />　この点について解説者(長谷川？？)は、いたってクールな見方をしている。乱歩が黄金期のベストテンを選んでいながら、半分近くがミステリーを生業としていない作家の作品から選ばれたことから、「かなり乱歩の趣味が反映したランキングである」と、やや否定的な見解をしている。極上のミステリーに仕上がってはいるが、乱歩でなければ一位にまで推す人はなかなかいない。乱歩が推さなければ後生にここまで残らなかったのではないかというのが解説者の見解だ。なかなか説得力のあってうなづける。<br /><br />　その上で、乱歩の作品がそうであったように、たとえ犯人が早々とわかってしまったとしても、ストーリーにもちこんだ趣向の面白さが作品を十分に魅力的なものにする場合がある。乱歩の「陰獣」が良い例ではないか。本作の真の魅力は、ダートマスやコモ湖といった、のどかなイギリスの田舎の雰囲気が非常によく描けている事と、この地を背景とすることで、怪しげでかつ歴史の雰囲気を湛えた名家の連続殺人が十分に味わい深いものになっている点だろう。<br /><br /><div style="font-size:small;">↓クリックの応援よろしく！<br /> <a href="http://blog.with2.net/link.php?91350" target="_blank"><img
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<title>宇宙開発の今を知る</title>
<description> 大切な事をようやく思い出した。図書館で借りて読めずに返した本の事だ。読了すれば読了リストに載るし、やがては書評となって記事になる。だが、読みそこねた本は痕跡がどこにも残らない。再度借り直せばいい話だと思われそうだが、一度読みそこねた本を再度借りるのは意外と大変だ。何故なら、本というのは一回手元に収めてしまうと、欲求の半分近くは満たされてしまうからだ。だからこそ、読みたくて買った本が何年も積ん読状態になるのだ。 以前は、このブログで読了リストだけでなく、図書館で〈貸し出し中〉...</description>
<dc:subject>あっ、これ読みたい</dc:subject>
<dc:creator>アスラン</dc:creator>
<dc:date>2009-05-25T19:05:28+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　大切な事をようやく思い出した。図書館で借りて読めずに返した本の事だ。読了すれば読了リストに載るし、やがては書評となって記事になる。だが、読みそこねた本は痕跡がどこにも残らない。再度借り直せばいい話だと思われそうだが、一度読みそこねた本を再度借りるのは意外と大変だ。何故なら、本というのは一回手元に収めてしまうと、欲求の半分近くは満たされてしまうからだ。だからこそ、読みたくて買った本が何年も積ん読状態になるのだ。<br /><br />　以前は、このブログで読了リストだけでなく、図書館で〈貸し出し中〉のリスト、さらには〈未読了〉のリストを読んだ分量のパーセンテージとともに掲載していた。身の回りが忙しくなるにつれて手間が馬鹿にならないので、やめてしまった。でも未読本リストだけは手放してはいけなかった。これこそ〈積んどく本〉の一種だったのだから。<br /><br />　そこで先週さっそく返却した一冊の本の事を考えた。それ以前に返し続けた本たちのあれこれについては、時間をかけて思い出すとしよう。先週は宇宙に滞在中の日本人・若田浩一さんの本を読まずに返してしまった。「国際宇宙ステーションとはなにか」というブルーバックス本だ。<br /><iframe
src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4062576287&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1"
style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0"
marginheight="0" frameborder="0"></iframe><br /><br />　すでに「絶対帰還」を読んで国際宇宙ステーション(ＩＳＳ)の実状の一通りを知ってはいたが、まさにＩＳＳの「今」を知るには絶好の本だろう。若田さんが長期滞在しているおかげで、絶えず宇宙関連の記事が飛び込んでくる。つい昨日も、宇宙生活での飲み水や電力を作るのに必要な水を確保するために、排泄した尿から水を再生する実験を行って、乾杯したという記事が載っていた。<br /><br />　若田さんの本への関心のついでに、宇宙開発の現状について知っておくべきことがあるような気がして、ピックアップしてみた。<br /><br /><strong><blockquote><span style="color:#CB0098;">国際宇宙ステーションとはなにか－仕組みと宇宙飛行士の仕事－　若田光一(講談社ブルーバックス,2009年)<br />ハッブル望遠鏡の宇宙遺産　野本陽代(岩波新書,2004年)<br />スペースシャトルの落日－失われた２４年間の真実－　松浦晋也(エクスナレッジ,2005年)</span></blockquote></strong><br /><br />　ハッブル望遠鏡の修理の話題も、このところ繰り返し報道されている。このハッブル望遠鏡のおかげで、太陽系外にある様々な銀河や超新星などなどが鮮明な画像となって僕らの宇宙への興味をかき立ててくれた。当たり前のように手に入る遙かかなたの宇宙の姿に僕らはうっかりすると、ハッブル望遠鏡のありがたみを忘れてしまいかねない。ところが、NASAは度重なる故障からハッブルを放棄する事を一度は決定した。当然の事ながら世界中から反対の声が起こり、今回の修理に至った。これで２０１４年までは生き延びるらしいが、そのあとは、やはり引退を強いられるらしい。この機会にあらためてハッブル望遠鏡の意義をかみ<br />しめてみたい。<br /><iframe
src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4004309182&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1"
style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0"
marginheight="0" frameborder="0"></iframe><br /><br />　ところでハッブル望遠鏡の引退は、スペースシャトルの引退と密接な関係があるようだ。若田さんの滞在記事にあわせて、スペースシャトルの引退も取りざたされている。国際宇宙ステーションが完成に近づくとスペースシャトルが不要になるのは何故なのか、本当のところはよく解らないが、すでに何度かの大事故のたびにシャトル開発不要論は議論されてきた。日本のジャーナリストが書いたかなり辛口のスペースシャトルに関する本が三番目の本だ。これらをすべて読めば、とりあえずは最新の宇宙開発の現状が見えてきそうだ。<br /><iframe
src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4767804183&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1"
style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0"
marginheight="0" frameborder="0"></iframe><br /><br /><div style="font-size:small;">↓クリックの応援よろしく！<br /> <a href="http://blog.with2.net/link.php?91350" target="_blank"><img
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<title>矢の家 Ａ・Ｅ・Ｗ・メースン(2009/4/18読了)</title>
<description>(以下の文章では、Ａ・Ｅ・Ｗ・メースン作「矢の家」、Ｓ．Ｓ．ヴァンダイン作「グリーン家殺人事件」、エラリー・クイーン作「Ｙの悲劇」に関してネタバレを含む言及を行っていますので、未読の方は読まないようにお願いします。)src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&amp;o=9&amp;p=8&amp;l=as1&amp;asins=448811301X&amp;fc1=000000&amp;IS2=1&amp;lt1=_blank&amp;m=amazon&amp;lc1=0000...</description>
<dc:subject>書評</dc:subject>
<dc:creator>アスラン</dc:creator>
<dc:date>2009-05-20T13:01:38+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<span style="color:#980098;">(以下の文章では、Ａ・Ｅ・Ｗ・メースン作「矢の家」、Ｓ．Ｓ．ヴァンダイン作「グリーン家殺人事件」、エラリー・クイーン作「Ｙの悲劇」に関してネタバレを含む言及を行っていますので、未読の方は読まないようにお願いします。)</span><br /><br /><iframe 
src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=448811301X&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" 
style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" 
marginheight="0" frameborder="0" align="left" ></iframe>　以前に一度読んでいるはずだ。何故読んだかは、今回読んだのとまったく同じ動機から来ている。エラリー・クイーンの「Ｙの悲劇」はＳ．Ｓ．ヴァンダインの「グリーン家殺人事件」をベースにして、言わば〈改築〉されたわけだが、さらに遡ると、この「矢の家」からリフォームは始まっていたと思われる。これら三作品の類縁に触れていた文章をかつてどこかで読んだ。そのときに興味を覚えて本作を読んだ。ヴァンダインの作品は「グリーン家殺人事件」と言わず、すべての長編を読破するのが７０年代の海外本格ミステリーファンのお約束だったが、「矢の家」はよほどの酔狂でもないとなかなか読まないだろう。<br /><br />　今回読んでみて「グリーン家…」同様、犯人が誰かはすぐにわかってしまうが、結末をどのように迎えるかがまったく記憶になく、ある意味で新鮮なまま読むことができた。そこでわかったことは、「矢の家」と「Ｙの悲劇」には直接の類縁関係はない。だが、「矢の家」が「グリーン家…」へと移築され、「グリーン家」がさらに「Ｙの悲劇」へと改築されたのは間違いない。<br /><br />　ヴァンダインは自らを紹介して「古今東西のミステリー２０００冊を読破した」と豪語したが、それはどうやら眉唾だったことが今ではわかっている。だとしても「矢の家」を読んで感心した事は確かだ。では「矢の家」と「グリーン家殺人事件」は、どこが似ているだろうか。<br /><br /><strong><blockquote><span style="color:#CB0098;">・養女がでてくる。殺人犯だと疑われる。<br />・毒殺事件が起こる。<br />・死んだ当主の書斎(あるいは宝物室)にあった毒を入手。<br />・書斎(宝物室)に鍵がかかっている。<br />・犯人の殺人に関する知識は、犯罪学・薬学などの文献に基づいている。<br />・そのために犯人は、まったくの素人でも可能だった。<br />・被害者は暗闇の中で、犯人とおぼしき人間の顔に触れる。女の顔のようだった。<br />・犯人の要件をまとめたリストが作られる。最終的にリストから犯人が導きだされる。<br />・犯人が身代わりを殺そうとする。<br /></span></blockquote></strong><br />　これらの類似点の中でもとりわけ、<br /><strong><blockquote><span style="color:#CB0098;">・犯人が文献などの知識を利用して殺人を計画した事。<br />・知識の所蔵場所あるいは毒の入手場所があかずの間である事。<br />・被害者が犯人の顔に触れる。</span></blockquote></strong><br />の３点は、作品を構成する重要な特徴であり、偶然に似てしまったと言い訳できないくらいの類似点だ。そして、これらは「Ｙの悲劇」でも踏襲されている。<br /><br />　ここから一足飛びに「グリーン家…」にリフォームできるわけではない。だから、ヴァンダインが何を捨てて何を付け足したかが重要になる。<br /><br />　「矢の家」の結末の印象が薄く、かつて読んだはずの記憶がほとんどなかった理由は、読了してすぐにわかった。エンディングに入ると、急速につまらなくなってしまうのだ。本作の特徴として「匿名の脅迫の手紙が田舎町のいたるところにばらまかれ、住人たちの不安をかき立てる。脅迫事件と毒殺事件とはなんらかの関係がある事が探偵によってあばかれるのだが、結末のつまらなさはそれと無縁ではない。<br /><br />　どうしてもネタを割らずに説明することはできないので容赦願いたいのだが、結末で「単独犯でない」ことがあかされる。そうなると、犯人のねらいはなんだったかがどうしても納得がいかなくなる。町中に脅迫状を送って金をせしめるのが目的であれば、「矢の家」の殺人は犯人たちのメリットと相いれない。そうまでして高い代償を払う必要などないからだ。<br /><br />　そして単独犯でない以上は、当初の血塗られた陰惨な殺人という雰囲気は一挙に雲散霧消してしまう。ちょうどホラー映画で殺人鬼が姿を現して主人公達を追い回す時のようだ。それまで姿が見えない事自体が恐怖を煽っていたのに、実体が伴った時点で興ざめになるのに似ている。しかも犯人たち、いや首謀者(養女)の当初の目的が愉快犯であって、そこから養母への脅迫状が養母の不倫を探り当てて、さらには養母を脅迫するに至っては展開が不可解としか思えない。<br /><br />　この後半の部分は探偵アノーの独壇場で、一気に彼の名推理が語られるのだが、どちらかと言うとホームズの得意とした推理法であって、演繹的ではあるが必ずしも論理的とは言えない。いや、核となる部分は確かに論理的だが、犯人たちが何故徒党を組むに至ったかについては推測の域を出ない。<br /><br />　また全体的なストーリーが時代がかっている事も指摘しておきたい。いちいちアノーのやり方に反感を抱く青年弁護士ジム・フロビッシャーの主観からみた心理描写は、非常に古めかしくかつ煩わしい。養女ベティのか弱さに目が眩んでいるのは最初から読者には一目瞭然だが、こういった恋愛感情に左右される弁護士という設定は、いまのエンターテイメントに慣れた読者から見ると陳腐だ。<br /><br />　実は作品の構成は意外なほど、「グリーン家殺人事件」に踏襲されている。トリックの組み立て方などそのままと言ってもいい。例えば「グリーン家…」を読むとき、殺人現場となるグリーン家２階の平面図を見るだけで、異様なほどある部屋の出入りが多い事に気づけば、それだけで犯人の目星が付いてしまう。それは実は「矢の家」から持ち越しになっているのだ。もちろん、「Ｙの悲劇」ではそんなあからさまな間取りは一切省かれてしまった。<br /><br />　では「グリーン家…」の「矢の家」からの優位性は何かと言えば、二つある。<br /><strong><blockquote><span style="color:#CB0098;">　・舞台を都会に移して、都会の中で外界と隔絶した殺人現場(屋敷)を作り出した。<br />　・犯人を単独犯にして、あくまで屋敷にまつわる血塗られた連続殺人にこだわった。</span></blockquote></strong><br />　ここに、リフォームの手腕を発揮したヴァンダインの手際の良さ、センスの良さが感じられるのはもちろんだ。「矢の家」のやぼったさは、かなり取り去られた。<br /><br /><div style="font-size:small;">↓クリックの応援よろしく！<br /> <a href="http://blog.with2.net/link.php?91350" target="_blank"><img
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<title>よみうりの切り抜き(2009/5/3)</title>
<description> 今回、読売新聞の書評欄から切り抜いたのは、以下の２冊。ビジュアル版 数の宇宙―ゼロ(0)から無限大(∞)まで ピーター・J. ベントリー(悠書館)ロスコ 芸術家のリアリティ―美術論集 マーク・ロスコ(みすず書房) どちらもこのブログに本のリンク＆ビューを貼り付ける準備をしていて、高額な本だと初めて気づいた。いずれも５０００円を超える。まあ、みすず書房の本ならばしょうがないとは思うが、「数の宇宙」の方は何故？と思ってアマゾンのページをよくよくみたら「ビジュアル版」なんだな。カ...</description>
<dc:subject>あっ、これ読みたい</dc:subject>
<dc:creator>アスラン</dc:creator>
<dc:date>2009-05-14T19:56:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　今回、読売新聞の書評欄から切り抜いたのは、以下の２冊。<br /><br /><strong><blockquote><span style="color:#CB0098;">ビジュアル版 数の宇宙―ゼロ(0)から無限大(∞)まで　ピーター・J. ベントリー(悠書館)<br />ロスコ 芸術家のリアリティ―美術論集　マーク・ロスコ(みすず書房)<br /></span></blockquote></strong><br /><br />　どちらもこのブログに本のリンク＆ビューを貼り付ける準備をしていて、高額な本だと初めて気づいた。いずれも５０００円を超える。まあ、みすず書房の本ならばしょうがないとは思うが、「数の宇宙」の方は何故？と思ってアマゾンのページをよくよくみたら「ビジュアル版」なんだな。カラー写真をたくさん使った豪華本のようだ。新聞の紹介文では、その点に触れてなかった。タイトルも「ビジュアル版」を省いて、たんに「数の宇宙」だったし。まぁ、いっか。どうせ、どちらも買うつもりはないし。立川と川崎の図書館のどちらかで購入していてくれれば、問題はない。<br /><br />　「数の宇宙」の方は、宇宙物理学者の池内了が紹介している。通常の書評欄の半分程度の囲みに、手際よく紹介文が書かれている。池内さんの著書は読んだ事がないので、信用度がどれほどかはよく解らないが、「いったん数を発見すると、人類は止めどなく数の世界を豊かにしてきたのだ」と力強く断定され、「家族揃って本書を開き、数の世界に遊んでみるのをお薦めしたい」とすすめられると、ついつい自然科学の読み物好きな僕としては、一度は借りてみなければなるまいと思ってしまう。<br /><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=490348727X&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><br />　それとは対照的に、おそらく借りることも読むこともないだろうと思いながらも、ついつい積ん読いてしまったのが「ロスコ 芸術家のリアリティ」の方だ。こちらは、やはり書評を松山巌が書いているからに他ならない。前回も書いたが、実際の本の内容以上に面白いと思わせてしまう力が、松山さんの文章には感じられるのだ。<br /><br />　例えば、このマーク・ロスコという芸術家の名前を僕は聞いた事がない。当然ながら作品を見たこともないだろう。なのに、この本自体を「積ん読べき」だと思ったのは、書評の魅力を書き残しておきたかったからだ。<br /><br />　「今日の社会では芸術に関する限り真理は趣味に取って代わられてしまった。面白いと思われる趣味が無責任に選び取られ、それは帽子や靴を取り替えるようにしょっちゅう交換されるのだ。…」<br /><br />と、本文を冒頭で紹介し、それが抽象表現主義を代表するマーク・ロスコ本人の言葉である事に「アイロニーを感じざるを得ない」と、松山さんが指摘している事に、僕自身は興味を覚えた。松山さんの「おもしろがり方」に絶対の信頼を置いている僕としては、きっと「訳の分からぬ芸術」と思われてきた抽象画を描き続けてきたロスコともあろう者が、こういう権威主義的な言葉を吐いているからには、そこに何事かを読みとらねばならん。つまりは裏があると松山さんは敏感に反応しているわけだ。<br /><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4622074354&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><br />　もし、ロスコやいろいろな芸術家たちの事を松山さん自身が書いた本が出てくれれば、僕はまっさきに書店に買い求めにいく。いや、行きたいのは山々だが、持ち合わせがないかもしれないから、やっぱり図書館で借りちゃう。借りちゃうかもしれないが、必ず読むだろう。だから、決してこの書評された本は読みそうにはないんだけれど、何度も言うが、積ん読いてもいいんじゃないかな。<br /><br /><br /><div style="font-size:small;">↓クリックの応援よろしく！<br /> <a href="http://blog.with2.net/link.php?91350" target="_blank"><img
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<title>時間封鎖 ロバート・チャールズ・ウイルスン(2009/4/12読了)</title>
<description> 久々に「本の雑誌」のウェブサイトを閲覧しに行ったら、様子が違っている事に気づいた。そういえば、少なくとも半年くらいはのぞきに来てなかったかもしれない。毎月の文庫書評のページが終了していた。単行本の書評の方は続くらしい(その後、単行本書評のコーナーも終了していた)。くわしい事情は分からないが、月５，６冊も(いや、もっとか)読んでまともな(と言うことは「気が利いた」という事でもあるが)感想を書いてくれる読者ボランティアを常時確保するのが難しくなったのだろうか。 拾い物の本がある...</description>
<dc:subject>書評</dc:subject>
<dc:creator>アスラン</dc:creator>
<dc:date>2009-05-11T03:03:23+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　久々に「本の雑誌」のウェブサイトを閲覧しに行ったら、様子が違っている事に気づいた。そういえば、少なくとも半年くらいはのぞきに来てなかったかもしれない。毎月の文庫書評のページが終了していた。単行本の書評の方は続くらしい(その後、単行本書評のコーナーも終了していた)。くわしい事情は分からないが、月５，６冊も(いや、もっとか)読んでまともな(と言うことは「気が利いた」という事でもあるが)感想を書いてくれる読者ボランティアを常時確保するのが難しくなったのだろうか。<br /><br /><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4488706037&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0" align="left" ></iframe>　拾い物の本があるかざっと見て回ると、文庫版の全スタッフが五つ星を付けた文庫があったと言う。そんなことは、このコーナー始まって以来初めてだと大騒ぎだったようだ。僕のように多少なりとも物事を穿って考える人間には、このコーナーが終わってしまう一つの要因を見た気がした。「全会一致」などという事態がまちがっても起こらないのが、このコーナーの読み手の顔ぶれだったはずだ。良いも悪いも個性的な読み手がなかなか集まらないということかもしれない。<br /><br />　しかし疑り深いとは言え、何より物見高い性格なので、さっそく立川の図書館で予約をかけた。最近、国際宇宙ステーションで長期滞在を強いられたクルーを描いた「絶対帰還」を面白く読んだし、アポロ計画以来、人類の宇宙開発には人並みの関心を持ち続けているので、本書はさぞかし興味深く読めるだろうと思ったのだが、どうやら僕には〈ＳＦ読み〉の資質が欠けているのかもしれない。冒頭でいっこうにページが進まないのにいらいらさせられた。<br /><br />　地球が何者かによって時間的にシールドされてしまい、地球の外側では一億倍ものスピードで時間が流れるようになってしまった。ここまではいい。なんとも不可思議で、かつ先を争うように読みたくなる絶好の謎が待ち受けているように思えるからだ。<br /><br />　ところが、僕には「スピン」と名付けられた〈時間封鎖〉の描写や、その理屈がなかなか頭に入ってこない。本当に、あの読者ボランティアの面々は、この本を諸手を挙げて賞賛したのだろうか。彼らは僕とは違って、この〈時間封鎖〉の仕組みを理解できたのだろうか。その上で、まずは退屈な科学的沈黙というべき文章がそろそろと流れ、次に現在と過去の回想が交互にやってくる構成の時間的進行ののろさが耐え難い。いったい、いつになったら、オール五つ星作品の真価が発揮されるのだろうか。<br /><br /><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=elleryqueense-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4488706045&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0" align="right" ></iframe>　それは、上巻の４分の３を読み終えたP.276でようやく訪れた。僕はそれまで、ある〈疑念〉が頭から去らなかった。地球のように人類が住める惑星に火星を改良し、人類を送り込み、一億倍のスピードで進化させたならば、当然のごとく起こりうる事こそ、実は「スピン」の謎の核心なのではないかと考えた。そう思いついたことで本書を侮ってしまい、作品への「退屈さ」を飼い慣らしてしまった。<br /><br />　ところがそうではなかった。著者は、僕のようなＳＦに不慣れな読者には到底予想がつかなった展開を用意していたのだ。下巻を読み切る原動力は上巻の終盤にしかない。そこまでたどり着けなかった読者には、ご愁傷様と言うしかない。そこを乗り切った読者には、抜群の着想から割とオーソドックスなＳＦ的地平へと誘ってくれる本作の面白さを最後まで堪能できるだろう。<br /><br />　だが、あえて言おう。オール五つ星はないよなぁ。<br /><br /><div style="font-size:small;">↓クリックの応援よろしく！<br /> <a href="http://blog.with2.net/link.php?91350" target="_blank"><img
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