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2007年03月07日

僕の心の積ん読リスト追加(2006年9〜10月当時)

 またまた浮世の垢落としに精を出さないと。もちろん浮世の垢とは昨年の積ん読のこと。読んでいれば問題ない。読んでもなく借りてもなく、ましてや買ってもない本は心の積ん読リストに吐き出さないと。

[2006/9〜10]
文芸時評という感想 荒川洋治
 今年の「小林秀雄賞」受賞作。「詩とことば」を読んだ直後だったので、著者がどんな時評を書いているか興味があった。最近高橋源一郎の「ニッポンの小説」で著者の文章の引用があって、この作品も取り上げられている。気分が高まっているうちに読まないと。

「近代日本文学」の誕生 坪内祐三
 こういう明治を起源とした、もしくは明治国家を起源とした誕生物語は繰り返し繰り返し語られる。それは分かりやすく心地よい物語の典型だからだろう。笙野頼子だったら真っ先に批判するだろうな。でも面白い書き方ができるかどうかも大切な要素じゃないだろうか。坪内祐三は今のところは面白い。
  

エジプト遺跡ウォーキングガイド
 エジプトを旅行する人向けに毎シーズン出されている雑誌らしい。神保町の書肆アクセスで見つけた。僕などはピラミッドの内部を丁寧にイラスト(しかもカラー)で紹介されているだけで800円はお徳だと思ったのだが、会社の派遣社員でバックパッカーの女性に話したら「高い!」と言われてしまった。彼女とは書籍に対する価値観が違うんだな(もちろん旅の対する価値観も彼女と僕とでは大きく違う)。

 バックナンバーを見ると「ロゼッタストーン」の特集号があって表紙が石板のアップで魅力的。残念ながら図書館では蔵書なし。取り寄せるか思案中だ。

10ドルだって大金だ ジャック・リッチー
 前作で初めて単行本が出版されたショートストーリーの名手の短編集。今回も冴えた短編がそろっている。特に僕のお気に入りは後半に何作かはいっているカーバンクル刑事もの。探偵すればするほど間違いだらけ。だけど解決の糸口を与えるのは彼自身というおかしさ。すでに読んだので実は積ん読ではない。
  

殺しの時間 若島正
 あの<乱視読者>シリーズでおなじみの著者の、ミステリーばかりの書評を集めた本(?)だ。例のクリスティ「そして誰もいなくなった」を再読して、クリスティの巧妙な作品構成を分析した著者が、おそらくは同じように再読によってミステリー作品の巧妙さを語るのだろうか。ちょっとおよび腰になるのはネタバレの心配があるのかどうかということ。それと目次を見る限り僕の趣味と重ならないので興味がもてるかどうかという点だ。

 と、ここまで書いて図書館で立ち寄って目次をみるとちょっと趣向が変わっている。ミステリーの書評には違いないのだが、目次のタイトルが<**を殺す>のオンパレードで、モチーフになんらかの形で<殺す>ことが含まれている作品を取り上げているようだ。<父親を殺す>とダイレクトなものもあれば、<時間を殺す>と比喩的なものもあり、さまざまだ。なんだ、やっぱり面白そうではないか。

文学全集を立ちあげる 丸谷才一 鹿島茂 三浦雅士
 タイトルが魅力的な対談。しかもいずれ劣らぬ本読みの3人がどのような全集を作るのか楽しみ。ついでながら僕の好みから高橋ん源一郎・坪内祐三・目黒考二の3名で<全集を立ち上げ>てもらえないだろうか?
  

アンフェアな月 秦建日子
 これもすでに読んでしまったので積んどくではない。書評も書いたので関心があるかたはそちらを読んでください。前作「推理小説」やテレビ「アンフェア」が面白かった人にはオススメです。スペシャルドラマ「コードブレイキング」があまり面白くなかったと思う方には、よりオススメします。

漱石先生大いに悩む 清水義範
 まあ、これも読んじゃったよ。これも漱石つながりで読みたくなった。著者には珍しくパスティーシュではない。漱石とそれを慕う架空の女性とのやりとりを描いて、ちょっとしたミステリーじみた構成になっている。
  

贅沢な読書 福田和也
 福田和也という人の本を実はまだ一冊も読んでいない。江藤淳の弟子をきどって、江藤が生きている間はお行儀よく猫をかぶっていたのに、死後はとたんにスキャンダラスな作品ばかり送り出しているように感じる。要するにやりたい放題だ。どこからつきあってどこまで付き合えばいいんだろう。この書評はひとつのキッカケになるかな。

エンデュミオン・スプリング マシュー・スケルトン
 本を主題としたファンタジー。世界を支配できると言われる「最後の書」をめぐる物語。グーテンベルグなど歴史上の人物も登場するところなど、オーソドックスなテーマながら<本>に関する物語というところに惹きつけられる。
  



フロイトの函 デヴィッド・マドセン

 こちらも歴史上の人物ジークムント・フロイトが登場する。精神分析をモチーフにしてかなりあくどい趣味で物語が紡ぎ出されているようだ。平積みされた新刊のオビに「本の雑誌」の吉野朔実の漫画でおなじみの春日武彦が推薦していたのも読んでみたくなった理由のひとつだ。


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2007年01月20日

僕の心の積ん読リスト追加(2006年7〜8月当時)

 さてさて、どんどん昨年の垢は落としていかないとどうにもこうにも動きがとれなくなる。というわけで、なんと昨年夏の「心の積ん読」をはき出します。まだまだあるので乞うご期待!(って、そんな前の本、だれも見向きもしないか。)

[2006/08]
高知遺産
 この日は久々に立川村から離れて神保町へと向かいました。いつのもコースで「書肆アクセス」の小さなディスプレイを覗くと、このタイトルが目にとまりました。実際に手にとってみると、高知県の普通の素朴な風景や人物を写した写真集でした。もう十年前に一度訪れた高知のゆったりとした風景が思い出されました。当然ながらか、愛用する図書館2軒で検索してもでてきません。結構すてきな写真集なんだけど、買うほどではない。だから図書館なんだけど、地方出版物なんでしょう。こちらでは見られないようです。残念。
 
宇宙がわかる17の方程式 現代物理学入門 サンダー・バイス
 こういう一見すると素人を対象にした入門書は結構手強い。「万有引力、マクスウェルの方程式から、相対性理論、超弦理論まで」という蒼々たる理論をが要領よく説明されているとオビなどに書いてあるが、そんな事はありえない。どう説明されてもそのとき分かった気にさせられるだけだ。つまり学者でもある著者の口車にのせられるにすぎない。

 であるのも関わらず、僕はこういった口車にのせられるのが好きなのだ。実際、物理学を専攻して今なお、つくばの高エネルギー研究所の仕事についている高校時代の友人からは、悪趣味だからいい加減やめとけと言われるのだが、どうしてもこの手の入門書をなんどもなんども読んでは、宇宙の事、物理の事、人間の事を分かった気になりたくなるのだ。 


うらなり 小林信彦
 小説家であるとともに読書家・書評家でもある著者が書いた夏目漱石の名作「坊っちゃん」へのアンサーノベル。「裏・坊っちゃん」と言ってもいい。というのも、作中の「うらなり」の視点から書かれた作品なのだ。これに関しては著者があとがきに書いているように、決して「坊っちゃん」という作品が好きだからというわけではなくて、著者なりに「坊っちゃん」に納得がいかない部分があり、それが「うらなり」からのいわゆる坊っちゃんへの批評・強いては漱石への批判になるのではないかというのがモチベーションのようだ。実はもう既に読んでしまったので、あらためて書評を書いてみたい。

考える人 坪内祐三
 著者が考える「考える人」のラインナップを見ると…。いや見ても半分以上、著作を読んだ事がなかったり名前も知らなかったりする人がいるので何か言えた義理ではないが、やっぱり王道に偏っている。「王道に偏る」というのは変か。「オーソドックス」というか。おどろきが全然ない。いや、僕にはどうしても森有正という名前を口にする人の言葉をうさんくさく思ってしまうのだ。つい最近読み直している本多勝一の「日本語の作文技術」で、彼は日本語がフランス語に比べて非合理で非論理的な言語だと安易に主張してしまった、超の上に超がつく極悪思考の持ち主だからだ。そんな事をなぜ主張してしまったのか事情があるなら、もっと詳しく知りたい。 
  


読んでから死ね!名著名作 久我勝利
 <まさか「カラマーゾフの兄弟」も読まずに死ぬつもりじゃないでしょうね?>という挑発的なオビの言葉。だって死んじゃったら読んでたって読んでなくたって変わりがないじゃないか。あの世で自慢できるわけでもないのに。だけど「死ぬまで」なんて悠長な事ではなくて、そろそろ読んでおかないとね。

名もなき毒 宮部みゆき
 「財閥社内報を編集する杉村三郎」?おお「誰か」の主人公ではないか。「誰か」はちょっと宮部らしくない作品だったけれど、主人公や周囲の設定は使い捨てではもったいない雰囲気があった。読後、北村薫ワールドっぽいなぁと思ったんだったっけ。さっそく図書館で予約したんだからかれこれ4ヶ月になるのか。結構待たされているんだけど、まだ30人は待たなければ。
  

[2006/07]
行方不明者 折原一
 一家四人が忽然と行方不明になる事件と謎の連続通り魔事件。いまどきの世相ならば起こりそうな事件を題材にしているが、宮部みゆきの「理由」や「火車」といった現代ミステリーとはまた違ったテイストになるんだろうな。お得意のどんでん返しであっと言わせてくれるのは間違いなさそうだ。「沈黙の教室」以来ごぶさたなので、そろそろ読んでみようか。

複眼の映像 橋本忍
 「−私と黒澤明−」という副題がついているとおり、黒澤明監督作品の脚本を何本も手がけている橋本忍の自伝だ。目次には「羅生門・生きる・七人の侍・影武者・乱」というタイトルが見える。これだけで著者が黒澤明の神話に一端を担ってきた事が十分にわかる。それだけに黒澤作品の脚本を担当する苦労は並大抵ではなかったようだ。
  


三四郎はそれから門を出た 三浦しをん

 書店で見かけてタイトルだけでグッときてしまった一冊だ。読書家である著者が書評や本にまつわるエッセイなどを書きつづったものをまとめたものだ。実はすでに本書も読み終わっている。小雑誌などのコラムとして連載されたものもあり、企画を自前で持ち込んだものもあったりする。その企画も企画倒れでタイトルとあわないものもあれば、面白いものもある。それによっては内容も面白かったり面白くなかったりだ。一番面白かったのは、引きこもり状態が続く弟に対する辛辣な批評と、裏返しの愛情が見え隠れする文章だ。

そして五人がいなくなる はやみねかおる
 こちらも実はタイトルに惹かれた。ちょうどアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」を読み直した事もあって、クリスティの作品のタイトルを元ネタにして似て非なるものがいっぱいあることを気にかけていたからだ。たとえば、
そして誰かいなくなった
そして誰もいなくなった殺人事件
そして誰もいなくなる
そして誰も見なくなった
そしてだれも笑わなくなった
そしてみんな軽くなった

などだ。本書のその一冊だろうが、内容は関係するのかどうか。ミステリーには違いないがジュブナイルのようだ。
  


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2006年12月08日

僕の心の積ん読リスト追加(2006年6月当時)

 6月に一回積んでおいて以来、ご無沙汰してしまった。読みたい本を見かけるたびに、マイ携帯には本のタイトルがため込まれていくが、忙しくてブログに吐き出すヒマがなかった。

 たくさんため込んではみたものの、半年前に拾ったタイトルはすでに内容がよく分からないものもある。その時すぐに自分の関心の在りどころを書いておかないと、ダメだ。いや、そもそも忘れるような本ならば、そんなに読む必要がなかったのかもしれない。書店で見かけた時の、一時の気の迷いというやつだ。

 ならば「心に積んどく」までもない。リリースしてしまおう。と思い切れればいいのだが、やっぱり心残りがあるので、何が面白そうかわからないままにリストアップだけはしておく。


季語集 坪内稔典
 何に興味をもったのか不明。芭蕉に関心を持つ以前の積ん読だから、単に好奇心からのようだ。例えば桜や紅葉、蜜柑に栗などは、それぞれ季節が特定できるが、蛙はいつの季語なのか門外漢にはピンとこないものも多い。さらには季語になりそうにないものまで季語だと言われると、一体誰が決めたのかとツッコミを入れたくなる時がある。

 季語が何故必要とされるかは最近なんとなく分かってきた。芭蕉の時代の俳諧連歌で、歌仙を巻く際に一定の規則に従って月や花などを詠み込んでいく名残だとおもう。違うかな。やっぱり読んでみたい。

角の三等分 矢野健太郎
 幾何学がアカデミックな知の一つだった昔、コンバスと定規だけで作図できるものが特権的な図形だった。「博士の愛した数式」ではないが、江夏の背番号28が「完全数」と呼ばれて特別視されたのと同様に、「完全なものイコール調和のとれたものイコール神への崇敬」という図式が一部の数学者たちの頭に成立していたようだ。

 そこから自然と「円と同じ面積を持つ正方形を作図せよ」とか「角の三等分線を引け」という知のための知のような演習問題が出てきた。前者については作図不可能なのはなんとなく分かるが、後者が作図不可能なのは実はよくわからない。いや作図できそうにないな、という事は素人ながらわかる。しかし「数学的に証明された」と言われると、「へえ、さいざんすか」と引き下がるしかない。矢野健太郎さんに、もう一度教えを請うとしようか。

偶然の本質 アーサー・ケストラー
 ケストラーというと神秘主義の先鋭というイメージがあるのだが、違うかな。そういう人が書いた「偶然」の本。いつぞや読んだ偶然についての本が、「偶然は測定できる」という統計学に着地したのが不満だったから、違うアプローチの話を読みたい。

北米探偵小説論 野崎六助
 この著者の「アメリカを読むミステリ100冊」は面白かった。クイーンやヴァンダインの作品をただエンターテインメントとして読むだけでなく、そこから浮き彫りになってくる当時のアメリカの世相や流行を読み取る刺激的な評論だった。今回はどんな評論になっているのか。
 
帝都東京・隠された地下鉄の秘密 秋庭俊
 この作品は単行本として書店に並んだ時からちょっと関心があった。文庫本になったのを機に読んでみようか、という軽い気分で拾った。

ナスカ 地上絵の謎 砂漠からの永遠のメッセージ アンソニー・F・アベニ
 この本を見かけたちょっと前に、新聞で新たなナスカの地上絵が見つかったという記事が掲載された。驚くべきは、衛星を使って探し出したのだそうだ。それくらいでないと見つからないほど大きかったのか、地上からもしくは飛行機で上空からでは探しにくいところにあったのか。まだまだ未知の地上絵があるのかもしれない。記事を読んでワクワクした。ワクワクしたところで高所恐怖症の僕には、地上絵をセスナから見るなどという体験は不可能だ。ならば、こういった本で楽しむのもいいだろう。

レッドパージ・ハリウッド 上島春彦
 「赤狩り」だ。このハリウッド映画界に壊滅的な衝撃を与えた不幸な事件を、映画ファンならばもっと詳しく知っておく必要があるだろう。チャップリンはなぜ出国して二度とアメリカで暮らす事をあきらめねばならなかったのか。あの喜劇と一体となった悲劇を知っておかねば。

文字力100 林哲夫
 えーと、なんでしたっけ?この本は。ウェブで検索すると装丁家の著者の書物や装丁についての本(エッセイ?)のようだ。面白そうだが、なんと僕の愛用する二つの図書館のいずれにも蔵書がない。なんでぇぇ。

地獄の黙示録 コンラッド
 言わずとしれたコッポラ監督の代表作の原作。新訳なのかな?出版されていたから、この機に読んでみようか。という軽い気分(またかよ)。軽い気分で読める本なのだろうか。まあいいけど。

ブックショップはワンダーランド 永江朗
 著者が書店員と対談して、書店のおもしろさを探るだした本(らしい)。図書館の内容紹介ではそんなふうな事が書かれている。「ときわ書房本店にミステリー本のうんちくを訊く」とか「青山ブックセンター本店で世界の現代文学を一望する」みたいな見出しだ。なんだ、面白そうじゃないか。

気分は名探偵 犯人当てアンソロジー
 これ借りたんじゃなかったっけなぁ。確かつまらなそうだったので、ほとんど読まずに返したんだったよなぁ。いや、違った。それは「名探偵推理クイズ 犯人は誰だ?」だった。著者が、我孫子武丸、有栖川有栖、貫井徳郎、法月綸太郎など。なんだ、新本格のそうそうたるメンバーじゃないか。面白そうじゃないか。

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2006年06月13日

心の積ん読リスト追加(2006年6月)

 またまた読みたい本がたまってきたので、心の積ん読リストに追加するとしよう。

 ちなみに今回の半分以上は、立川市民御用達のオリオン書房アレアレア店で見つけた。思うに平積みの効果は偉大だ。時間に余裕ががあれば棚の背表紙を眺めて抜いて中身を確かめるわけだが、最近は短時間で書店逍揺する事が多いので平積みを一別するのがせいぜいだ。

 となるとどうしたって新刊が目に留まることが多くなる。しかもどの書店でもスペースの関係からか売れ線の同じような本が並んでいる。目新しいが面白みに欠ける。

 その点、オリオン書房は平積みスペースが多いのでそこだけ見て行っても十分に楽しめる。北口のノルテならばメガ店舗なので何時間でも見て飽きないが、アレアレア店は手狭な割りに独創的な平積みのレイアウトなのが読書ジャンキーの気を惹く。

樹上のゆりかご 萩原規子
 ポップに「都立立川高校が舞台!?」とある。ページをめくると辰川高校とある。都立高校出身としては興味がわく。ご近所の立川高校が舞台ともなれば尚更だ。

不完全性定理 数学的体系のあゆみ 野崎昭弘
 ちくま文庫で結構な頁数がある。パラパラ覗くと難しい数式が詰まっている。副題からおしはかると公理を前提とすることなく数学体系の根拠をきちんと定義づける事ができるかというアプローチから始めて、ゲーデルにより体系内部で無矛盾の証明ができない事がわかるまでを解説しているようだ。しろうとにはムリかなあ。

ウルトラマン誕生 実相寺昭雄
 昭和47年に誕生したファーストウルトラマンに演出家として関わった著者の回顧録だ。ウルトラマンはゴジラを生み出した円谷英二の監修のもと円谷プロが生み出した怪獣物のヒーローだ。その後いろんな亜流を生み出したがいまや現存する怪獣物のヒーローはウルトラマンをおいていない。

 間違ってはいけないが、その後の等身大の変身ヒーローはウルトラマンや怪獣を出自としない。あれはロボットもの(アトムや鉄人28号)やサイボーグ物(009)などを出自として仮面ライダーを決定打とした内部に人間を抱えたヒーローなのだ。

 だから最初のウルトラマンはヒーロー自身に人間としての悩みはない。そのせいか、ストーリー自体に非常に時代を色濃く反映して人間くさいテーマの話が多かった。その中でも独特な雰囲気の作品を作り続けたのが著者だ。シーボーズの回は何かと有名だが、その話を含めて当時の話を読みふけってみたい。

硫黄島の星条旗 ジェイムズ・ブラッドリー
 クリント・イーストウッド監督、渡辺謙主演(日本側から描いた一本)で話題を呼んでいる映画の原作ノンフィクション。あのよく見かける写真や銅像のオリジナルの軍人たちの生身の姿を描いた作品だ。

 かれらは米国にとって永遠に語り継がれるヒーローであるが、ヒーローに持ち上げられたその後にどんな現実があったのかを描いているとするなら興味深い。

漱石の妻 鳥越碧
 漱石の妻・鏡子は悪妻だと言うのが長きに渡っての定説になっている。漱石が夫婦で熊本に赴任し、妊娠した彼女がヒステリーになって自殺まがいのことをしたり、漱石が子供を取り上げて羊水まみれの嬰児の感触の得体の知れなさに怯えるシーンが「道草」に描かれる。

 さらには漱石は妻への書簡で寝坊ぐせのある鏡子をたしなめたり、ロンドン留学中には一向に便りがない彼女のズボラ加減に憤ったりしている。

 その後、森田草平や小宮豊隆など熱烈なる門人の目には、漱石を軽んずる鏡子は悪妻以外の何者でもないと映り、以後それが世間に喧伝される。

 後に自著「漱石の思い出」(長女の夫・松岡譲との共著)で、彼女は夫として漱石の人となりを明らかにしている。それによれば漱石はロンドン留学中に神経症を発症し、以後たびたび発症しては家族を悩ました。決して世間が思うような文豪の面ばかりではないという言わば暴露本であった。

 人間漱石の知る上でこの本は貴重な証言ではあるが、信憑性に難があると考えてなのかまともに取り上げる本が意外と少ない。あの江藤淳でさえあまり言及してなかった。だから当の鏡子自身を描いた本書のアプローチは興味津々だ。

ぼく、ドラえもんでした 涙と笑いの26年うちあけ話 大山のぶ代
 初代ドラえもんの声、長きにわたって夢をあたえ続けてくれてありがとうございました、大山のぶ代様。あなたの声しか考えられない僕は今のドラえもんを見かけても偽物としか思えません。これほどの衝撃は小池朝雄亡きあとのコロンボの声が変わったとき以来です。

 いまドラえもんではなくなったあなたの肉声が聴きたいのです。

メンデレーエフ 元素の謎を解く ポール・ストラザーン
 この本については「おかしなおかしな翻訳書」という記事で書いたので付け加えることはあまりない。見つけた書店では2週間後に姿を消した。

文章探偵 草上仁
 こういうタイトルは見逃せない。いわゆる叙述トリックなのだろうが、それだけでも興味を惹くのにさらに文章自体に仕掛けがあるなんて願ったり叶ったりだ。例のテレビドラマ「アンフェア」で話題になった原作「推理小説」と同様の仕掛けがあるのだろうか?とにかく読まねば。

千九六十年生まれ 金田理恵
 ほぼ同時期に生まれて同じものを見たり聞いたり食べたり読んだりしている。そんな著者がどんなことをどんなふうに取り上げているか興味がある。リリー・フランキーの「東京タワー」でも同時代への著者のまなざしに対して共感があったが、彼はやや年下。こちらの著者はやや年上になる。その若干のズレが決して小さくない事も改めて確認したい。つまりは僕自身しか分からない昭和体験だってあるのだから。

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2006年04月28日

心の積ん読リスト追加(2006年4月)

 読む量と比べても読みたい本はどんどん増える。書店で見かけたり、テレビで知ったり、友人から勧められたり。よって心の積ん読リストはどんどん更新される。

黒澤明vs.ハリウッド 『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて 田草川弘
 「トラ・トラ・トラ!」は先日亡くなったリチャード・フライシャー監督の作品。日米合作ということで日本側のシーンは黒澤明監督が撮影することになったが途中で降板した。黒澤が降板した事情がこんな分厚い1冊にまとまるとは驚き!ぜひ読んでみたい。

万物の尺度を求めて メートル法を定めた子午線大計測 ケン・オールダー
 いつでもこういった自然科学には人間を介したドラマがある。なんかとにかくこの手の本に弱いのだ。

グーグル完全活用本 創芸舎
 グーグルは仕事でもプライベートでも使っているが、その割にちゃんとした使い方をマスターしているわけではない。ぱらっとめくってintextやalltextの使い方で検索の精度が上がると書いてあると、読まねばという気になる。

町長選挙 奥田英朗
 ああ、これは無条件で読みたい!なんといったって「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」の伊良部の再登場作品だから。

博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話 サイモン・ウィンチェスター
 以前、単行本化されたときに読みたかったのだが、このたび文庫化された。なんといってもタイトルがそそられる。そもそも辞書作りとは一種の狂気がないとできない孤独な作業ではないだろうか。

姿三四郎と富田常雄 よしだまさし
 「姿三四郎」の原作者については特に何も知らない。そもそも「姿三四郎」も知りすぎているのに原作は読んでいない。やはり黒澤明の映画が原作を有名にしたのだろうが、黒澤の長編第一作を決めるにあたっては、淀川長治から「何を撮るの?」と聞かれて「姿三四郎」。「何それ?」と淀川さんがすかさず聞いたら、書店の棚をながめてなんとなく良いタイトルだと思って決めたというエピソードを淀川さんは自著で書いている。

終末のプール 伊坂幸太郎
 書店で見かけて、さわやかそうなプール色のブルーの文字でタイトルが書かれていた本を見た。なんとなく読みたくさせる。まあ、今は著者の作品はなんでも読みたくなるのだが…。

モンキー・パズル ポーラ・ゴズリング
 ハヤカワが受賞フェアというのをやっている。どうも僕は海外のミステリーの賞の名前が覚えられない。名前というか略号だな。MNWみたいな(やっぱり覚えてない)。で、とにかくフェアの中の一作。どんなラインナップかはハヤカワのHPにも最近まで掲載されてなかったが、店頭で手にとってピンときたのがこの一冊。

我が闘争 アドルフ・ヒトラー
 ジェフリー・ディーヴァー「獣たちの庭園」を読んで、作中で効果的に使われている全編世迷い言の書だと揶揄される本書をぜひ読んでみたくなった。

びっくり館の殺人 綾辻行人
 綾辻は「暗黒館の殺人」(上下)を買っておいて1年以上も寝かしてしまった。同じく「館」なのだが、こちらはミステリーランド。子供向けでちょっと趣向が違うのだろうな、きっと。

怪盗グリフィン、絶体絶命 法月綸太郎
 綾辻の「びっくり館…」と同時に店頭に並んでいたのでついでに読んでおこうと思った。と言ったら著者がかわいそうだ。最近「初期クイーン論」を読んだので、とりあえず読んでおこうかと…。

チョコレートコスモス 恩田陸
 伊坂同様、恩田陸も読みたくなる本を出してくる。ただしあまりに多作なので次々と読まないと追いつかないのが玉にきず。それにしても今回は題材が演劇だ。相変わらず予測が付かないほど著者の守備範囲は広い。

空海 三田誠広
 NHK−BS「週間ブックレビュー」で著者本人が出演して本書について語っていた。今まで青春文学を結構書いてきたが、この歳になって結構きつくなってきた。最近は歴史上の人物に関心があり本書ができあがったという話をしていた。しかし聞き手の話では若き日の空海は活き活きと描かれていて青春文学としても読めると言っていた。なぜか俄然読んでみたくなった。

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2006年02月26日

僕の心の積ん読リスト(逐次更新)

 以下、「心の積ん読」である。要するに未購入。書店、TVなどで発見して心に積んだ本のタイトルを逐次列挙する。

 いずれ図書館で借りようと思う。
 図書館でなければ、いずれ古本で買うかもしれない。
 古本で見つからなければ、いずれ書店で買うかもしれない、買わないかもしれない。

[2007年3月7日更新]
文芸時評という感想 荒川洋治
「近代日本文学」の誕生 坪内祐三
エジプト遺跡ウォーキングガイド
10ドルだって大金だ ジャック・リッチー(読了)
殺しの時間 若島正
文学全集を立ち上げる 丸谷才一 鹿島茂 三浦雅士
アンフェアな月 秦建日子(読了)
漱石先生大いに悩む 清水義範(読了)
贅沢な読書 福田和也
エンデュミオン・スプリング マシュー・スケルトン
フロイトの函 デヴィッド・マドセン


[2007年1月20日更新]
高知遺産
宇宙がわかる17の方程式 現代物理学入門 サンダー・バイス
うらなり 小林信彦(読了)
考える人 坪内祐三
読んでから死ね!名著名作 久我勝利
名もなき毒 宮部みゆき
行方不明者 折原一
複眼の映像 橋本忍
三四郎はそれから門を出た 三浦しをん(読了)
そして五人がいなくなる はやみねかおる

[2006年12月8日更新]
季語集 坪内稔典
角の三等分 矢野健太郎
偶然の本質 アーサー・ケストラー
北米探偵小説論 野崎六助
帝都東京・隠された地下鉄の秘密 秋庭俊
ナスカ 地上絵の謎 砂漠からの永遠のメッセージ アンソニー・F・アベニ
レッドパージ・ハリウッド 上島春彦
文字力100 林哲夫
地獄の黙示録 コンラッド
ブックショップはワンダーランド 永江朗
気分は名探偵 犯人当てアンソロジー


[2006年6月13日更新]
樹上のゆりかご 萩原規子
不完全性定理 数学的体系のあゆみ 野崎昭弘
ウルトラマン誕生 実相寺昭雄(読了)
硫黄島の星条旗 ジェイムズ・ブラッドリー
漱石の妻 鳥越碧(読了)
ぼく、ドラえもんでした 涙と笑いの26年うちあけ話 大山のぶ代
メンデレーエフ 元素の謎を解く ポール・ストラザーン
文章探偵 草上仁
千九六十年生まれ 金田理恵


[2006年4月28日更新]
黒澤明vs.ハリウッド 『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて 田草川弘
万物の尺度を求めて メートル法を定めた子午線大計測 ケン・オールダー
グーグル完全活用本 創芸舎
町長選挙 奥田英朗
博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話 サイモン・ウィンチェスター
姿三四郎と富田常雄 よしだまさし(読了)
終末のプール 伊坂幸太郎
モンキー・パズル ポーラ・ゴズリング
我が闘争 アドルフ・ヒトラー
びっくり館の殺人 綾辻行人
怪盗グリフィン、絶体絶命 法月綸太郎
チョコレートコスモス 恩田陸
空海 三田誠広


[2006年2月26日更新]
月の記憶 アポロ宇宙飛行士たちの「その後」 アンドリュー・スミス(立川図書館に購入リスエスト、その後読了)
僕らは星のかけら マーカス・チャウン
孫が読む漱石 夏目房之介
吉本隆明代表詩選
容疑者Xの献身 東野圭吾(古本屋で購入済み,800円)
隠蔽捜査 今野敏(読了)
新しい世界地図 世界ニホン語的珍地名 新しい世界地図製作委員会
良心の領界 スーザン・ソンタグ
日本文学ふいんき語り 麻野一哉/飯田和敏/米光一成
時空蒼茫 高橋英夫
シャングリ・ラ 池上永一
ワンコイン悦楽堂 ミネルヴァの梟は百円本の森に降り立つ 竹信悦夫
近代 日本語の思想―翻訳文体成立事情 柳父章(図書館に無し)
日本語とはどういう言語か 石川九楊
パズルでめぐる奇妙な数学ワールド イアン・スチュアート
文人暴食 嵐山光三郎
失敗百選−41の原因から未来の失敗を予測する− 中尾政之
ホーキング、宇宙のすべてを語る
脳と仮想 茂木 健一郎
風味絶佳 山田詠美
和本入門 千年生きる書物の世界 橋口侯之介
探偵小説と二十世紀精神 笠井潔
黄金比はすべてを美しくするか? 最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語 マリオ・リヴィオ
信仰が人を殺すとき ジョン・クラカワー
まだある 大空ポケット文庫(図書館に無し)
キング・コング エドガー・ウォーレス
文房具を楽しく使う 筆記具篇 和田哲哉
近代文学の終り 柄谷行人の現在 柄谷行人
日本の橋 保田与重郎
偶然のラビリンス デイヴィッド・アンブローズ(図書館に無し,古本屋で購入済み350円)
東京瓢然 作家のとらえた幻想的な東京 町田康
魔王 伊坂幸太郎(読了)
フーコーの振り子 科学を勝利に導いた世紀の大実験 アミール・D.アクゼル(読了)
竜とわれらの時代 川端裕人
本が崩れる 草森紳一
誰も「戦後」を覚えていない 鴨下信一
虚人魁人 康芳夫
製本探索 大貫伸樹(図書館に無し)
毎月新聞 佐藤雅彦(読了)
ラッキーワンダーボーイ D.B.ワイス
花のようなひと 佐藤正午
復刊ドットコム奮戦記 左田野渉(読了)
書 筆蝕の宇宙を読み解く 石川九楊
タッチで味わう映画の見方 ムーヴィー・リテラシー 石原陽一郎
東京タワー オカンとボクと、時々、オトン  リリー・フランキー(読了)
あのころの未来 星新一の預言 最相葉月
獣たちの庭園 ジェフリー・ディーヴァー(読了)
斬首人の復讐 マイケル・スレイド
素数の音楽 マーカス・デュ・ソートイ
小説の自由 保坂和志
後ろ向きで歩こう 大道珠貴(読了)
逆説探偵 13人の申し分なき重罪人 鳥飼否宇
「二重言語国家・日本」の歴史 石川九楊
幼年論 21世紀の対幻想について 吉本隆明/芹沢俊介
紫禁城の黄昏 完訳 R.F.ジョンストン
一人の哀しみは世界の終わりに匹敵する 鹿島田真希
撮影監督 小野民樹
モーダルな事象 桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活 奥泉光(読了)
出生の秘密  三浦雅士
ケプラー予想 四百年の難問が解けるまで ジョージ・G.スピーロ
これでわかった「現代思想・哲学」大全 鷲田小彌太(図書館に無し)
ドーナッツをくれる郵便局と消えゆくダイナー ビル・ブライソン
国語辞書事件簿 石山茂利夫
四色問題 ロビン・ウィルソン
パラドックス大全 世にも不思議な逆説パズル ウィリアム・パウンドストーン
ミステリ十二か月 北村薫
裸者と裸者 打海文三


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posted by アスラン at 01:08 | Comment(4) | TrackBack(0) | あっ、これ読みたい | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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