2005年11月25日

1998年8月2日(日) 「ザ・ブレイク」「ラブ・ジョーンズ」

 シネスイッチ銀座で「ザ・ブレイク」(no.116)を観る。

 日本で言えばまさに高倉健主演の映画になるだろう。

 IRAの闘士だった主人公は、仲間と一緒に刑務所から脱獄する。そして逃亡の先はニューヨーク。過去をすべて捨て去り、移民街の皿洗いに身をやつして孤独に暮している。しかし仕事先で知り合った男が祖国グアテマラのために独裁者の暗殺を企てていると知り、その男の妹を愛するがゆえに自らの危険もかえりみず暗殺に協力する。

 主人公役のスティーブン・レイが、ちょっと近年の映画では見掛けないほど暗い影を表情に湛えている。言ってみれば女のために命を捨てる典型的な仁侠物だけれども、スティーブン・レイの並々ならぬ孤独な陰影と、女や友人にのみ見せるクールな優しさとが、淡々とした緊張感ある映像とともに描かれて、最後まで目を離すことができなかった。

 愛する者を守ることを貫き死んでいく主人公の最後が悲しい

 シネ・ラ・セットで「ラブ・ジョーンズ」(no.115)を観る。

 「相手に恋い焦がれるあまりどうすることもできない気持ち」の事を”ラブ・ジョーンズ”と言うらしい。

 これはまさに好きなのにうまく気持ちを伝えあえないカップルの物語。

 自分の気持ちの強さを持て余して、つい距離をとろうとしたり他の女性と付き合ったりするダリウス。恋人と別れたばかりで、なかなか次の恋に本気になれないニーナ。黒人のカップルのラブストーリー。

 しかもスラムとは一切無縁の中流階級どうし。かたや小説家志望の詩人でかたやカメラマン志望。彼らを結び付けたきっかけは、詩を読み上げるナイトクラブでダリウスが出会ったばかりのニーナに即興で詩を捧げたこと。

 ラストではニーナが別れたダリウスに詩を捧げるためにニューヨークからシカゴに戻ってくる。非常に粋な映画だ。

カチンコ
 2本ともジャンルは違うが玄人好みの作品だったか。これを一日で見るのはちょっとつらいかも。地味だしね。どちらも今やビデオで借りられるかどうか。「ラブ・ジョーンズ」の方は粋だけど、ちょっとモチーフに頼りすぎてストーリーが弱い気がした。同じNYの粋なラブストーリーでも「ワン・ナイト・スタンド」の方が切れ味があってオススメだ。
 「ザ・ブレイク」の方は僕だったらそう好きなジャンルじゃないから普通じゃ見ないかな。でも変な話、自分が書いたこの感想を改めて読んだら、スティーブン・レイの孤独な顔つきを見たくなってしまった。
(ブログ「大いなる遡行」2005/10/18記事より転載)


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posted by アスラン at 01:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画評(1998年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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