2005年08月26日

1998年10月3日(土) 「シティ・オブ・エンジェル」「ムーラン」「ベル・エポック」

 丸の内ピカデリー1(マリオン9F)で「シティ・オブ・エンジェル」(no.143)を観る。

 ヴェンダースの「ベルリン・天使の詩」のリメイクだ。監督はブラッド・シルバーリング。若手の監督だ。

 天使の黒ずくめのコスチュームと両手を広げる時のシルエット。海岸での天使たちの配置、図書館の吹き抜けの通路から一斉に天使が主人公の二人をのぞき込む構図などなど。すべてがスタイリッシュな映像で現代の都市に住み着く天使がいかなるものかを見事に見せてくれる。

 期待させてくれた割りには肝心の天使と人間のラブ・ストーリはあまり感動的ではない。思うに天使が天使のままで人の目の前に姿を現わすことができるという設定は、「天使が人間になる」というクライマックスを台無しにしている

 そうせざるを得なかったのは、やはり監督の力量不足ゆえに単なる男と女のラブストーリーという枠組み(男女の出会いとすれ違い)を越えられなかったからに違いない。

 「ベルリン」に住む天使は、大戦や東西の壁といった不幸な歴史を見すえた上で、癒されない心を持つ女性に恋する天使だった。「アメリカ」の天使には歴史の視点がなく、単なる現代的なラブ・ストーリに過ぎない。

 日比谷映画で「ムーラン」(no.142)を観る。

 映画館でディズニーのアニメを観るのはこれが初めてらしい。ディズニーのマークが映しだされるのを初めて見た。

 正直期待してなかったのだが、とにかく面白い。素晴らしいの一語に尽きる。非常にシンプルな英雄譚だが、人物造形が明確で映像もドラマチックなところが随所に見られる。

 出だしムーランがお見合いに向うところから一家の人物を手際良く描き、戦争で足を悪くした父以外に男手のない一家では、無事にムーランが良縁に嫁ぐことを願っていることがわかる。

 お見合いがうまくいかず、父のことを思いがっかりするムーラン。そして父が再度戦場に赴かねばならないと知って、密かに父の代わりに男として戦場に向う決意をするムーラン。冒頭から見事な手際でドラマチックなシーンを演出している。

 お供のドラゴンのムーシューやコオロギがちょっと中国風とは言えないのがやや難だが、往年の東映アニメ「長靴をはいた猫」を思わせる一大ファンタジーに仕上がっている。

 シャンテ・シネで「ベル・エポック」(no.141)観る。

 監督は「バタアシ金魚」の松岡錠司。今回も漫画が原作らしい。どうもどろどろしたラブストーリーより感覚に訴えかけるものがお好みのようだ。

 というわけで、キャリアをもつ5人の働く女性たち(正確には一人が結婚退社後バツイチになっている)の恋や仕事に揺れうごく姿をそれぞれに描いてはいるが、リアリティがあるようでどこか物足りない

 生き方がきれいごとだとは言いたくないが、絵に描いた餅のような描かれ方。どいつもこいつも頭を抱えて悩んでる表情を見せるけれど、それぞれの気持ちが伝わってこないのでいずれのエピソードも単調なばかりで面白みに欠ける。

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posted by アスラン at 19:01| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画評(1998年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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