2005年08月08日

1998年10月25日(日) 「オール・スターズ」「フェリーチェさん」

 オランダ映画祭の招待券が当たったので、青山一丁目の草月ホールにいく。

 1600年4月19日にオランダ船が九州に到来して以来、400年の長きにわたって日本とオランダとの関係は続いている。それを記念して昨年から2000年まで3年連続で映画祭が催されるそうだ。昨年は知らなかった。今年は新聞の応募で知ることができた。東京に住んでいて本当によかったと実感するのはこのような企画が催される時だ。

 「オール・スターズ」(no.150)は、子どもの頃から続いている草サッカーチームの仲間たちを描いた映画だ。

 オランダではサッカーが国技のように人気があるスポーツで、誰もが子どものころからサッカーを楽しんでいる。中には観るだけでなく大人になってもアマチュアでサッカーを続ける。ただ20代にもなると少年のころとは違い、お互いの生活も環境も変わる。悩みなき少年も様々な人生の痛みを抱えるようになる。バカをやったりバカを言ったりもしていられない。そんなちょっぴり苦くてそれでいて楽しい連中の友情や愛情を見事に描き分けている。

 上映前にジアン・ファン・デ・フェルデ監督の挨拶、上映後に質疑応答があり、映画祭らしくてとても楽しかった。
 天気がいいので渋谷までぶらぶら散歩しながら途中で昼食。

 再び草月ホールに戻り「フェリーチェさん」(no.149)を観る。

 この映画はオランダと日本の400年の国交にふさわしく、日本に幕末に来日した報道写真家フェリーチェ・ビアトと日本人妻お菊とのエピソードを描いている。

 ストーリーは史実ではなく、監督のペーター・デルペウトがフェリーチェの撮った写真のイメージに触発されて創造したものである。

 突然帰国して6年後に戻ってきたフェリーチェは、その間消息を断ったお菊を探して長崎から尾道、冨士、横浜、東京と旅をする。旅の間に様々なお菊ゆかりの人々と出会うことで、お菊の自分への愛情に気づいて日本人の文化に初めて理解を示すようになる。

 ほとんどが宿や女郎屋などの室内でのフェリーチェと人々との対話だけで物語が進行するが、全編日本語で会話が行われ、登場人物もしごく日本人らしい。

 どう考えても日本映画以上に日本の100年前を描き出している。どうしたらこのような映画ができるのか不思議だ。しかも単調だが奥深い演出が静かな感動を生んでいる。
posted by アスラン at 01:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画評(1998年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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