2005年05月26日

1999年7月26日(月) 「天使に見捨てられた夜」「学校の怪談4」

 中野武蔵野ホールで「天使に見捨てられた夜」(no.81)を観る。

 久々にこの映画館に来たので、商店街のアーケードの中をいったりきたりで探し回ってしまった。おそらく小川プロの「1000年刻みの古時計」を観て以来じゃないかな。

 「800 TWO LAP RUNNERS」の廣木隆一の作品だ。僕にとってはにっかつロマンポルノ時代のガイラとしての方がなじみがある。ポルノとは思えないゴダールばりの映像世界をもっていた監督だ。

 だから「800」のストーリの陳腐さにはがっかりさせられたが、今回の映画は映像もストーリーもリアリティに満ちていてさすがと思わせてくれる。

 かたせ梨乃が38歳の孤独な一人暮らしの女探偵の役を好演している。しかも場面設定が新宿二丁目という多国籍人がふき溜まる界隈になっていて、ひとつひとつがリアルだ。

 都会人の孤独は、一見した雑踏の華やかさと裏腹で、疲れて帰宅するかたせが毎日きまったように街角の売店で大衆新聞を買って帰るところなどが丁寧に描かれていく。

 陰惨な犯罪を追っていくかたせの唯一心を許せる友はマンションの隣人の大杉漣だが、心以上のものを求めようとしても同性愛者だと告白されて、一線を越えることはできない。

 しかし事件解決後、いっしょに花火をしてはしゃぐ光景は、孤独なさびしさを心で分かち合える関係へと昇華できたことを暗示していて心がジーンとするラストになった。続編が期待できる作品だ。

 新宿に移動し、高島屋タイムズスクエアの「Din Tai Fang」で小龍包・肉まん・ちまきを食べる。週末だと90分待ちが当たり前だが、平日とあって15分で入れた。小龍包はさすがにおいしい。それ以外のメニューは普通の味といったところか。

 コマ東宝で「学校の怪談4」(no.80)を観る。

 「愛を乞うひと」という端正でオーソドックスな映画を作った平山秀幸監督の作品ということでぜひ観たくなった。

 冒頭から戦前の小学校のシーンをモノクロで描く。学校でかくれんぼをしていた子供たちを大津波がのみこんでしまう。

 一転して現代。東京から遊びに来た二人の兄妹は、いとこに案内された小学校で、大津波で死んだ子供たちの写真を見てしまう。それから二人や小学校の子供たちに異常な出来事が起こり出す。

 前半は非常に日本らしいオーソドックスな恐怖を描き、後半はかくれんぼで見つけられるのを待っている幽霊の子供たちを、妹の女の子が見つけてあげるという感動的なエピソードになっている。

 だから単に怖い話ではなく、日本の田舎に伝わる伝承を情緒豊かに描いた作品に仕上がっている。

 「愛を乞うひと」の子役もそうだったが、今回の主役の女の子(豊田眞唯)がとても愛らしい。この監督は子役探しの名人でもあるらしい。
posted by アスラン at 01:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画評(1999年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。