2005年07月25日

1998年11月7日(土) 「相続人」「モンタナの風に抱かれて」

 丸の内ピカデリーで「相続人」(no.159)を観る。

 ベストセラー作家ジョン・グリシャムの書き下ろしの脚本を、芸達者なロバート・アルトマン監督が演出する。

 意外にもほとんど法廷シーンはなくトラブルに巻き込まれた女性を助けようとして自らも窮地に追い込まれる弁護士の姿を描いていく。

 キャスティングは申し分ない。ケネス・ブラナー、ロバート・ダウニーJr.、ロバート・デュバルなどなど、曲者ぞろいだ。しかし全体的にサスペンスは空回り。当初からネタ割れして先が読めてしまう。

 クライマックスに法廷でのどんでん返しでもあればよかったのに。オーソドックスなスリラーに仕上がっているだけにちょっと残念

 日比谷映画で「モンタナの風に抱かれて」(no.158)を観る。

 劇場の脇の通路で次回待ちの行列に並んでいると、隣りのカップルが「マディソン郡の橋」の女性版なのだと話しているのを耳にした。なんだ、そういう映画なのかと少々がっかりした。

 「マディソン郡」はクリント・イーストウッドの演出はともかく、原作のストーリーは間が抜けていい気なものだったからだ。でもよく考えればイーストウッドの映画に刺激されてロバート・レッドフォードがこの題材を選んだのだと思えてくると、がぜん興味が出て来た。

 一言で言えばきれいなラブ・ストーリー。数々のカウボーイを演じてきたレッドフォードの面目躍如たる純情な中年男女のラブストーリーだ。

 しかも事故で傷ついた馬と娘の両者を癒す話がメインとなっていて、そこでたまたま出会った二人が次第に惹かれていくという非常にスマートな展開。

 これ以上ないくらいオーソドックスなストーリーを支えているのは、やはり圧倒的に美しい牧場の風景と、馬と心を通わせる事のできる男の存在だろう。

 きれいごとに終始するのがレッドフォードの役者としての限界とも言えるのだが、あえてここまで役者レッドフォードを活かし切った監督レッドフォードの手腕を認めてあげよう。
posted by アスラン at 23:32| Comment(2) | TrackBack(2) | 映画評(1998年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TB有り難うございます。
レッドフォードというヒトはある意味不思議なヒトで、見る側からすると、若い頃とあまり演技の印象が変わりませんネ。可もなく不可もなく・・・といった感じで・・・。ただ、監督としては繊細というか、余裕の力量というか、スンバラスィ〜仕事ぶりですよね。毒の無さというのも許せたりしますね・・・。
これからもよろしくお願い致します。
Posted by toycozy at 2005年07月27日 01:00
toycozyさん、こんにちは。

レッドフォード。万年青年ですね。演技者としてはもう自分自身見切りをつけてるって事でしょうね。どうやったって、ポール・ニューマンにはなれんし。
で、監督やサンダンスインスティテュートのような仕事に力を入れてる。監督としての手腕はこれも正直不思議にも深みはない。「クイズ・ショー」とか撮っちゃうからなぁ。
Posted by アスラン at 2005年07月30日 00:05
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/5273225
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック

『モンタナの風に抱かれて』・・・癒し、癒される人と馬。
Excerpt: 『ミスティック・リバー』のクリント・イーストウッドと同様に、本作の主演でもあり監督でもあるロバート・レッドフォードのこの...
Weblog: TOY COZY MUSEUM 別館
Tracked: 2005-07-27 00:53

モンタナの風に抱かれて / THE HORSE WHISPERER
Excerpt: ● モンタナの風に抱かれて / THE HORSE WHISPERER [1998年] モンタナの広大な自然に、思わず心癒されます。馬が風を受けて揺れる草原を駆け抜けていく様は観ていて本当に気持..
Weblog: MOVIS
Tracked: 2005-08-11 17:02
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。