2005年07月23日

1998年11月14日(土) 「踊る大捜査線線THE MOVIE」「トゥルーマン・ショー」

 日劇東宝で「踊る大捜査線線THE MOVIE」(no.161)を観る。

 通常は映画とテレビだと話のテンポや演出が変わってがっかりさせられるものだが、この映画にはそれがあまり感じられなかった。このシリーズの締めくくりとしては最高の出来と言っていいと思う。

 映画うんぬんを論じるより、現代の警察をリアルに描くという言わば逆転の発想がなによりもこのシリーズを支えていて、今回も冒頭のゴルフコンペのシーンから所轄と本庁との上下関係は随所に描かれている。

 クライマックスで黒澤明監督の「天国と地獄」をまねて煙突から着色された煙りを出すあたりは、映画ファンへのサービスも怠らない。とにかく最後の「青島刑事の死(?)」までよく楽しませてもらいました。

 丸の内ピカデリーで「トゥルーマン・ショー」(no.160)を観る。

 「踊る‥‥」に比べるとやや入りは劣る。前評判からもっと混んでいるかと思った。なにしろハリウッドでしか出来ないような独創的で魅力的なストーリーだからだ。

 生まれた時からずっとテレビに放映され、社会人として家庭をもつ今現在でさえも現実から隔離されたセットの中で暮しているトゥルーマン。今まで気づく事もなかったのに、次第に人生がコントロールされている不安にとらわれていく。

 ジムー・キャリーは日頃の馬鹿騒ぎの演技ではなく抑制の利いた演技を心掛けている。トゥルーマンの回りの社会が実際は大規模なエキストラによる演技からなりたっている事が映像の端々で露になるところのちぐはぐさが楽しい

 しかし監督が「ピクニックatハンギングロック」や「目撃者・刑事ジョン・ブック」のピーター・ウィアーだけあってユーモアだけに終ることなく、トゥルーマンをショーとして放映するテレビやそれを固唾をのんで見入っている人々に、ファンタジーにとどまらないリアリティーを与えている。
 ただしラストがちょっと拍子抜けで残念。

 11日に亡くなった淀川さんなら今日の2本なんと言ったろうか。実は映画を待つ間、そんなことばかり考えていた。

 「なんだ、つまんない映画」と言ったろうか。
 「観て損しないよ」とでも言ったろうか。

 いや、「もっと映画を観なさい」が最後の言葉。「観ちゃいけない映画なんてないよ」というのも口癖だった。黒澤さんの葬儀での言葉どおり後を追って逝ってしまった。

 89才の見事な人生に合掌



posted by アスラン at 00:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画評(1998年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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