2005年05月24日

1999年8月1日(日) 「アナザー・デイ・イン・ザ・パラダイス」「セレブレーション」

 渋谷のシネマライズで「アナザー・デイ・イン・ザ・パラダイス」(no.83)を観る。

 こそ泥をして暮らす16歳のボビーとロージー。そこに一緒に大きな仕事をやらないかと誘うプロの仕事屋メル。ボビーはうまい仕事とメルの強烈な個性に惹かれて一緒に様々な盗みをやるが、盗んだ拳銃を逆に奪いに来た奴らと銃撃戦になり、メルが撃たれてしまう。

 ロージーはメルと情婦のシドの愛し合う姿にボビーとの将来を重ね合わせるが、次第に過激になっていく仕事に不安を感じていく。 やがてボビーの子を流産して精神的に耐えられなくなって、こんな生活から逃れたいと泣いて頼むがボビーは聞き入れず仕事に出かけていく。

 ヤクと盗みとセックスに明け暮れる少年が、大人の犯罪の世界に引き込まれて結局悲惨な結末を迎える。そこは夢のようにあこがれるところでは決してなく失った物は大きい。
 ラストの草原をメルから逃げていくボビーの姿はすさまじい世界から抜け出られた開放感にみちた魅力的なシーンとなった。

 ユーロスペースで「セレブレーション」(no.82)を観る。

 デンマーク映画というのも珍しいが、映画自体が、様々な制約を自らに課した映画監督集団の一人から生み出されたものだというのも珍しい。

 たとえばロケーション撮影のみでセットを使うな、音楽は使うな、手持ちカメラを使え、などなど。かなり厳しい制約だが、それは真実のみを追究し、衰退してゆく映画を救済するためのかなり戦略的な手法である。確かに全編ドキュメンタリーフィルムを観ているかのように生々しく人々の表情を切り取っていく。

 地方の領主である父の還暦パーティーに親族一同が会すが、長男が、二ヶ月前に自殺した妹は父に近親相姦を強要され続けて死に至ったと暴露して大騒ぎになる。何事もなくパーティを進めようとする父や他の子供たち。次第にそれぞれの心の暗く醜い部分が浮かび上がっていく。かなり画期的で面白い作品だった。

 東横線で中目黒に移動。『グループ満天の星』の公演の千秋楽を観る。初日とくらべて安心して観られるが、客の入りは七分程度。笑いのつぼになかなか入らないのが歯がゆい。

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『グループ満天の星』は声優・森川智之主宰の小劇団。
posted by アスラン at 09:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画評(1999年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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