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    2025年03月14日

    英文解釈教室の訳文を書き直す(7.3.7)

    Chapter7. It . . . that . . .「B 強調構文」より。

    7.3.7 It is not by prayer that you cause things to go as you wish, but by acquiring a knowledge of natural laws.
    (訳) 物事を思いどおりに進行させられるのは、祈祷によってではなく、自然法則の知識を得ることによってである。
     前回も書いたが伊藤先生は、not A but Bのような共通関係を主語にもつ英文(a)に対する強調構文には二通りの書き方(a')(a")があることを示している。今回の例文は二つ目のパターン(a")に相当する。
    (a) Not A but B is P.  (AはPではないが、BはPである。)

    (a') It is not A but B that is P. (PなのはAではなくBだ。)
    (a'') It is not A that is P, but B.  (PなのはAではない。Bだ。)
    (*)日本語は私訳
     この例文は強調構文の構造も分かっているし、内容もおおよそのところはつかめている。だからあとは推敲あるのみだ。内容はおおよそ分かっていると書いたが、具体的にどんな内容なのかというと今ひとつ分からないところがある。それはthingsの具体的な中身だ。「物事を思い通りに進行させる」には祈祷では駄目で、自然法則の知識を知らなければ駄目だと言っている。これにうまくあてはまるのは「豊作」や「豊漁」だろうか。あるいは「(病の)平癒」なども良さそうだ。これらは、かつては「願かけ」をして叶えようとしたが、今では品種や土壌の改良、気象情報などが「豊作」を、最新の装置を搭載した漁船と、やはり気象情報などが「豊漁」を、そして近代医学の進歩が「平癒」をもたらす。これらはいずれも自然法則に関する知識を活用したものだと言える。一方で「立身出世」や「世界平和」などは社会的な法則、あるいは経験則が有効であって自然法則の知識は直接には関係しない。こういう時にthingsとは何を指すのか。

     もうちょっとジタバタするためにニッポニカの「自然法則」の項を読んでいたら「生産・労働と自然法則認識」という項目に非常に分かりやすい解説が載っていた。
    人間は、生存の必要上、絶えず環境である自然に働きかけてこれを改変し、このことを通じて、人間からは独立した自然法則を発見してきた。
     (中略)
    …このように、物質的生産・労働のなかに自然の法則性についての観念の根があった、…そしてこの根から、近世ヨーロッパにおける資本主義の勃興という社会的大変革過程の一要素として、自然科学という木が生まれ育ち、これはしだいに自然法則の認識という果実をつけていくようになったのである。人間がその後この成果を深化させ拡張することによって自然をますますうまく統御して、自らの利益に役立てることができるようになったことは、改めていうまでもない。
     これを要約すると「人間は環境(自然)に働きかける事で自然法則を発見し、やがて自然法則という存在を認識するまでになり、その認識によって自然そのものを思い通りに統御(コントロール)する事ができるようになった。」という事だろう。だとすると、thingsの意味は「自分の身の周りの環境」であり「自然のあらゆる物事・状況」だと言っていいだろう。

    (推敲訳) 身の周りで起きる諸々の状況を自分の望むとおりに変えていくには神頼みでは駄目だ。自然法則に関する認識をちゃんと習得しておく必要がある。
     少しくどいので、あっさりと推敲してみよう。
    (推敲訳) 思いどおりに現状を変えていくには神頼みでは駄目だ。自然の摂理がいかなるものかを身につける事こそが重要だ。
    posted by アスラン at 00:25| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 英文解釈教室を書き直す | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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