2005年07月13日

1998年12月4日(金) 「サンタより愛を込めて〜世界中の人にプレゼントを〜」

 グループ満天の星による公演「サンタより愛を込めて〜世界中の人にプレゼントを〜」を観に池袋アートスペースサンライズホール(有楽町線東池袋下車)に行く。

 初めは同僚のYさんに誘われて嫌々行くようになったのが、今年3回目ともなると慣れてきたのか楽しみになってきた。

 舞台と映画とは全く違う芸術だ。舞台は生身の人間が毎回演技するのだから1回1回が違うし、回を追うごとにこなれていったり散漫になったりする。その息遣いを感じるのが演劇の醍醐味だろう。

 逆に映画は編集が終るまではやり直しがきく。つまり作家は完成された形を提供し、それが何度でも再現される事になる。新鮮さは演劇に比べて見劣りがするが、永遠の美をフィルムに封じ込める事ができる。

 前にも書いたが、演劇が苦手なのはひとえに生身の人が演じる生々しさに耐えられないからだ。定員100人足らずの小劇場の最前列で観てると役者の息遣いが感じられるが、どうにも正面をむく役者からは目を逸らすハメになる。それでも完成度の高い脚本をうまく出演者がこなしているためか今回は違和感が少ない。

 毎年ロシア文学「罪と罰」を上演する小劇団の練習風景から始まる。しかし今年は例年と違って劇団員の間がぎくしゃくしている。そこにビルのオーナーが現れ、自分が用意した脚本をぜひ演じてみせて欲しいと言う。

 それは社長に成り上がり家庭を顧みない男が、偶然知り合った浮浪者に幼い頃の記憶の中にあるサンタの面影を見いだし、家族への愛情を取り戻す話だった。

 それこそよくあるクリスマス・ファンタジーを舞台練習という形で挿入し、同時に劇団員たち一人一人のわだかまりがファンタジーを演じる事によって洗われていくという非常に凝った演出が見事。

 しかも登場人物がそれぞれよく描き分けられていて、脇役までおろそかにされてない脚本もすばらしい。これだけ見応えがあると次回も観たいという気にさせる。
posted by アスラン at 00:25| Comment(0) | TrackBack(0) | グループ満天の星 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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