原作は江國香織。「きらきらひかる」(といってもフジテレビのドラマとは別)の作者だ。
あれは夫がホモセクシャルで妻はアルコール依存症というセックスレスの夫婦の話だった。夫にはボーイフレンドがいて妻は二人の話を聞きたがる。奇妙な3角関係の中で互いに心を求め合う男女の姿を描いていた。少女マンガだなと思った。
この映画では、逆に男1人に女が二人。夫が急に一人暮らしをしたい、ある女性に一目ぼれをした、と言って突然出て行ってしまう。一人になった彼女のもとにその女性が訪れて住みついてしまう。
奇妙な共同生活は、またしてもマンガと言えないこともない。しかし彼らのふわついた生活はそれまで口にする事を避けてきた友人の事故が原因である事や、住み着いた女性がやがてなくてはならない存在になった上で、彼女の突然の死が主人公を一歩自立させるきっかけになるなどファンタジックな内容ではあるが、微妙にリアリティが感じられる。
日比谷映画で「Xファイル ザ・ムービー」(no.169)を観る。
これはテレビシリーズ自体、あまり興味がなかったのでほとんど観ていない。だからはっきり言ってよくわからない。シリーズでキーマンとなる人物が出ているらしいが、つながりがよくわからない。ただ別に分からなくてもストーリは十分楽しめる。
特撮は金をかけていて内容もよく考えられているが、”宇宙人もの”によくあるきわもの的演出は変わっていない。謎は謎のまま。謎を解くとさらにその奥にまた謎がある。エイリアンの正体、それに協力する人間の組織の実態も明かされない。そこらへんが演出の限界でもあり不満は残るが、テレビシリーズに慣れた人はそれなりの醍醐味を感じるのだろう。