2007年06月05日

「恋に落ちたシェイクスピア」「女と女と井戸の中」(1999年5月4日(火))

 渋谷東急で「恋に落ちたシェイクスピア」(no.43)を観る。

 ここは東急文化会館の5Fにあってかなり大きい。スクリーンは渋谷一の大きさじゃないかな。
 映画はアカデミー賞7部門を受賞した話題作。監督のジョン・マッデンはイギリス人で先頃「Queen Victoria/至上の愛」が上映されたが残念ながら観ていない。舞台劇のキャリアがあるので、今回のシェイクスピアを題材にした戯曲の演出手腕も確かなものだ。

 キャストも「シャイン」のジェフリー・ラッシュを始め豪華なメンバーがそろっている。ここ数年の最良のイギリス映画(「ブラス!」や「フル・モンティ」「いつか晴れた日に」など)の出演者たちが脇を固めている。

 シェイクスピアが恋に落ちて「ロミオとジュリエット」を書き上げたり、恋の相手が「十二夜」ばりに男装して舞台に上がるだとか非常によく考えられた脚本になっている。欲を言えばグウィネス・パウトロウは男装した時は演技がちょっと紋切り型で単調かなとも思うが、それ以外は若々しくて上品で美しくてと文句無しの出来だ。

 「タンゴ」のル・シネマは満席。ここは立ち見も制限しているので満席で打ち止めになる。残念ながらあきらめて急きょ新宿に移動。

 以前恵比寿でやっていた「女と女と井戸の中」(no.42)を東映パラス3で観る。

 全48席。以前「うなぎ」を観た松竹ピカデリー3の53席より小さい。40インチのTVで観るような感じだ。

 オーストラリアの田舎町。辺りは岩と荒野しかない。「マッドマックス」に出てきた風景のようだ。そんな中に父と二人暮らしのへスター。ある日若い家政婦キャスリンがやってきて、へスターの生活が変わってゆく。

 父の奴隷のように生きてきたへスターは、キャスリンの自由な生き方に魅せられ自らの孤独な人生の穴埋めにキャスリンを求めるようになる。それはある時は娘としてであり、ある時は友人として、恋人として。父が死んでからはそれがエスカレートしてゆく。

 キャスリンを繋ぎとめるために、欲しがるものは何でも買い与えるようになるへスターの鬼気迫る情念が怖い。全体が青味がかった映像でとられ、オーストラリアの荒野での二人の生活の冷たい緊張感がうまく表現されている。

 キャスリンが車で男を轢いてしまって井戸深く死体を隠してしまってから二人の生活が破綻していく後半は、残酷と不思議な温かさが共存している。

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posted by アスラン at 01:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画評(1999年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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