いつもの村上節とは違う…。
書き出しから違和感を感じる。語りが「僕」の一人称ではないからだ。誰か得体のしれない人物の硬質な語りで始まる。
しかも語りの位置は、いわゆる「神の視点」で書かれている。登場人物の姿も場所も時間の把握もすべて「彼」には見えているからだ。正直読み出した時点で、村上春樹は「僕」一人称以外の書き方は下手くそだなぁと思わずにいられなかった。
おまけに登場人物の何人かは、いつもの「僕」クローンだ。タカハシと白川は特におなじような感性を持っている。セリフを互いに取り替えても良さそうだ。
にもかかわらず最後に、闇の時間と空間が光のそれと入れ替わる交代劇を僕らは著者の狙いどおり静かに見守る事になるだろう。
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2005年06月03日
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