2013年10月21日

2013年10月の新刊

「9月新刊」を10月に入って紹介し、引き続いてすでに10月半ばになってしまっているけれど、大洋社のHP「Book Index」調べの新刊チェック。

10/08 短歌という爆弾 穂村弘(小学館文庫) 560
10/10 考えるよろこび 江藤淳(講談社文芸文庫) 1470
10/10 近代以前 江藤淳(文春学藝ライブラリー) 1491
10/10 じつは、わたくしこういうものです クラフト・エヴィング商會(文春文庫) 1092
10/16 小暮写眞館(上) 宮部みゆき(講談社文庫) 未定
10/16 小暮写眞館(下) 宮部みゆき(講談社文庫) 未定
10/16 歌うクジラ(上) 村上龍(講談社文庫) 未定
10/16 歌うクジラ(下) 村上龍(講談社文庫) 未定
10/16 スナフキンノート トーベ・ヤンソン(講談社文庫) 400
10/29 飲めば都 北村薫(新潮文庫) 662
10/29 ビューティフル・マインド(上)天才数学者の絶望と奇跡 シルヴィア・ナサー(新潮文庫) 788
10/29 ビューティフル・マインド(下)天才数学者の絶望と奇跡 シルヴィア・ナサー(新潮文庫) 788


 現代的で、それでいてポップな感覚の短歌を書く歌人(勝手なイメージです)の穂村弘さんの「短歌という爆弾」。どんな本なのかよくわからない。でも言ってみれば短歌版・荒川洋治のエッセイみたいな本じゃないかな。だって、そもそもこの人のことを僕に教えてくれたのが、高橋源一郎さんだったし。彼の本で紹介されていたのがこの本だったような気がするし、その気になって借りて読んだのも、これだったような気がする。でも結局最後までは読めなかった。だから徹底的とはいわないけれど、もう一度「穂村弘」って人のことを知りたいんです。ところで、全然脈絡ない話なんだけど、ずっとこの人のこと「タネムラさん」だと思っていました。なんと「ホムラ」。三文字なんですね。名前からくる印象が全然違うんですけど…。

 江藤淳の文庫が2冊もでる。「考えるよろこび」と「近代以前」。どちらも未読。というか「近代以前」は1985年に単行本が出版されたきり、ながらく文庫化もされなかったようだ。「考えるよろこび」のほうは、どうやら1960年代の講演集だって。僕としては江藤淳の「漱石とその時代」がいつ文庫化されるのだろうかと心待ちにしているのだ。いや、もうこれはウンベルト・エーコの「薔薇の名前」の文庫化とどちらが先かというアポリア(難問)となって僕の頭の中に納まっている。どちらが先でもいいから、とっとと出してください。

 「じつは、わたくしこういうものです」。どんな本でしたっけ? クラフト・エヴィング商會の本は、デビュー作はタイトルに惹かれて買ったはず。でも読みきった記憶がない。その後、同じような趣旨、いやコンセプト、いや方法論かな。そうだ、方法論が同じ本が何冊も積っていった。なんか書店に新作が並ぶたびに、タイトルを見て「ああ、やってるやってる」と妙に納得してしまって。でも読んでない。この本も2002年に出版された、クラフト・エヴィング商會5冊目の本の文庫化のようです。どんな本かは、やはり書店で手にとってみないと、あらすじで理解するのは難しいかな。とにかく書店で見てみるべき。そうして、やっぱり安心して読まないような気がするけど…。

 「小暮写眞館」by宮部みゆき。ついにこの日が来てしまった。うちの二階の、主に子供とママの蔵書が置かれている廊下の本棚に、ママが気まぐれに買って本人さえも読まない分厚い単行本が置かれている。本の価値は読まれないかぎり、ないに等しい。なんて言われたら、僕ら愛書家のほぼ100%に近い人たちは自殺を考えてしまうだろうけれど、それでもたまには読んでないことを確認するためにカバーがかかりっぱなしで忘れられた身奇麗な単行本に手をとることが、年に一二度はあってしかるべきではないだろうか。だって僕なんか、年に十回ぐらいは読みたいなぁと手に取っているのだから。それにBSでドラマ化されて、会社のミステリー好きの同僚から、逐一そのドラマのいい点とわるい点をインプットさせられてからというもの、絶対ドラマの再放送に間に合う程度には読みきってやろうなどと考えていたのだよ。なのに、いまやおいしそうな文庫が書店をにぎわせている。あぁ、もう、これはもう、文庫への果てなき欲望を抑えるためにも、家の単行本を読まねば、だよ。

 「歌うクジラ」は言わずと知れた村上龍の2010年の近未来長編。SFファンタジーとカテゴライズすればいいんだろうか。宇宙エレベーターとかがクライマックスに印象的に出てくるあたりは、村上龍の通俗的な好奇心が健在である事を示しているけれど、新出島(しんでじま)に住む主人公の少年が、島で被差別的な扱いを受けながら生きてきた粘液を出す男との奇妙な二人三脚で終着地を目指して逃走を続ける。ロードムービー的と言えば言えるし、なんか不思議な魅力がただよっている。かつては両村上と称されたはずの片方は、ノーベル賞候補作家という肩書きをしょってしまったが、時代がスピードを速めて変わりつつあっても、不思議な事にもうひとりの村上さんは、かつてもいまも変わる事なく、時代の好奇心の最前線を歩いているようだ。

 「スナフキン ノート」ってなんだろうと期待していたら、実は先日店頭に並んだのを見てしまった。本当にノートでした。文庫サイズのノートなので手帳代わり、メモ帳代わりという事だろう。ムーミンの原作の挿絵を元にスナフキンばかりを集めて、それぞれのページの端に置かれている。大親友のムーミンとのツーショットもある。やはり単独のキャラとしてはスナフキンが一番なんだな。二番は?そりゃムーミン、ではなくてニュロニョロでしょ。次は「ニョロニョロ ノート」をお願いします。

 北村薫「飲めば都」。多作な作家というわけではないけれど、すっかり直木賞作家という肩書きをもって流行作家の仲間入りをしてしまった北村さん。少しずつ作品が枝分かれしていろんな出口ができてしまっている。かつては単行本も文庫もおさえておくほどの追っかけぶりを示していたのは、綾辻行人と北村薫の二人だったのだが、いまや「ああ、出てるな」と書店で見かけてタイトルを控えるぐらい。図書館でもすぐには借りなくなったりしている。これではいけない。あの頃の情熱をもう一度取り戻さねば。

 「ビューティフル・マインド」は映画化された作品。天才数学者を描いた作品というと、なによりマット・デイモンの出世作「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」が真っ先に思い浮かぶが、この作品もラッセル・クロウがただのワイルドなバカ役者ではなく役者バカであることを見せつけた作品だと僕は思う。見てないけれど…。それよりジェニファー・コネリーが出ていたんだっけ。なら見てみたいなぁ。映画の話ではなかった。この本は実在の天才数学者ジョン・ナッシュを描いた人間ドラマだそうだ。
posted by アスラン at 06:17| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | あっ、これ読みたい | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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