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    2012年03月28日

    語り女たち 北村薫(2004年10月29日読了)

     「アラビアンナイト(千夜一夜物語)」のような趣向で、語り女(かたりめ)として夜伽を命じられたとおぼしき様々な女性が、懐かしい話、不思議な話、怖い話を語り継いでいく短編集。

     といっても、横暴な君主が残酷な死と引き替えに寝物語を語らせるわけではなく、高等遊民らしい控えめな男が海辺の静養地の一室で、語り女たちに自由気ままに物語を語らせている。

     北村薫らしいと言えばそうだけれど、最近の趣味を反映してか、夢かまぼろしのように輪郭が曖昧な小編を揃えた短編集になっている。

     僕は、どちらかというと「水を眠る」のような、ファンタスティックで、それでいてどこか日常とリアルな接点をもった作品が好きだ。本作でも、そういうテイストの作品がいくつか紛れ込んでいる。一気に読んでしまってちょっと勿体なかったかな。いずれゆっくりともう一度味わいたいな。
    (2005年5月21日初出)
    posted by アスラン at 12:34| Comment(0) | TrackBack(2) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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