2013年10月07日

2013年9月の新刊

ちょっと遅ればせながら大洋社のHP「Book Index」調べの新刊チェック。

09/03 夜の真義を(上) マイケル・コックス(文春文庫) 840
09/03 夜の真義を(下) マイケル・コックス(文春文庫) 735
09/04 異体字の世界 最新版 旧字・俗字・略字の漢字百科 小池和夫(河出文庫) 798
09/10 饗宴 プラトン(光文社古典新訳文庫) 未定
09/10 数学序説 吉田洋一(ちくま学芸文庫) 1575
09/10 白土三平論 四方田犬彦(ちくま文庫) 1050
09/18 数学が生まれる物語 第六週 図形 志賀浩二(岩波現代文庫) 1008
09/18 存在と時間(3) ハイデガー(岩波文庫) 1323
09/18 ジェイン・エア(上) シャーロット・ブロンテ(岩波文庫) 1071
09/25 グランド・ミステリー 奥泉光(角川文庫) 1050
09/25 エジプト十字架の秘密 エラリー・クイーン(角川文庫) 940
09/25 刑事マルティン・ベック 笑う警官 ペール・ヴァール(角川文庫) 945
09/28 図南の翼 十二国記 小野不由美(新潮文庫) 704
09/28 素数の音楽 マーカス・デュ・ソートイ(新潮文庫) 935


「夜の真義を(上・下)」は越前敏弥さんが翻訳した海外ミステリー。ご本人も絶賛している独特な雰囲気のミステリーだと思った。思ったというのは、一度いや二度かな、立川の図書館で借りたことがあるからだ。もちろん単行本で。でも、2度ともあえなく未読返却。内容がどうのこうのではなく、非常に忙しくて上下巻に渡るような長編を読む構えが持てなかったのだ。文庫化したとは店頭に平積みになっても気づかなかった。単行本とまったく同じカバーデザインだったので、新刊だと思わなかったし、越前訳という事も忘れていた。これは是が非でも読みたい。できれば文庫で。でも無理だろうな。単行本が揃っている図書館ではなかなか文庫に手が回らないので蔵書にならないのだ。

「異体字の世界」は個人的な関心から読みたい。僕の会社の先輩に「サイトウさん」がいたのだが、この「サイ」の字が変わっていて、まさに「斉」の異体字だったのだ。「斉」の異体字はえらくたくさんあるらしい。JISコードとしてコンピューター上で表示できるのは、ほんの一握り。表記できない名前をもった人はお気の毒というしかない。SMAPの草なぎ君しかり、中国のトウ小平しかりだ。異体字は何故存在するのか。どれだけあるのか。

 「饗宴」はプラトンの対話文学。プラトンは一度でいいから一つの作品を読み切ってみたいと思っていた。もちろん全部読むなんて事は考えてない。一作品でいい。たしか「饗宴」は小林秀雄の「考えるヒント」で引用されていた話だったんじゃないだろうか。では読まねばなるまい。

 「数学序説」は、かの培風館で1970年あたりに出版された高校生/大学生向けの数学の啓蒙書だ。最近、「基本の1,2,3」という数論の手ほどきのような本を読んだばかりなので、この本の内容は手応え充分に思える。すでに店頭で見つけて読んでみたいと思った。でも、文庫で借りられないんだろうな、やっぱり。

 「白土三平論」。四方田さんの評論だから読めば面白いはず。そう思って読んだ「ブルース・リー」の評論が以外とつまらなかったんだよね。ブルース・リーに個人的に溺れた身としては、四方田さんの評論に描かれるブルース・リーが、あの彼と同一人物とはどうしても思えなかったんだ。その点、白土三平にはそんなに思い入れはない。「カムイ外伝」を子供の頃に児童館で読んで、かなり衝撃を受けた。「えた・ひにん」(どちらも今の仮名漢字変換では変換できない)と呼ばれた被差別民たちの真実を描いていたからだ。そういう土俗的な歴史を描いていたからこそ前衛芸術と大衆芸術との間を往復できた希有な漫画家だ。でも僕がまっさきに思うのは、「サスケ」の作者なんだよね。そこんところの僕の思い入れに、四方田さんの評論は応えてくれるんだろうか。

 「数学が生まれる物語 」は第六週というだけあって、すでに6巻目という事だろう。こんなに続く数学の連作って珍しくないだろうか。どんな内容なのか、全然しらないのだけれど、とにかくおさえておこう。

 岩波文庫の新訳「存在と時間」も3巻目に突入。どうやっても読めないと思う。誰が書いても読めない。いや、越前さんが訳せば読めるかも。でも訳すわけないか。アマゾンの口コミを読むと「読みやすい」と絶賛されている。それなら期待してみるか。でも無理だな。私という存在が「現存在」だというのを理解するだけでもお手上げなんだ。

 「ジェイン・エア」は自宅に古本の全一冊がある。だから岩波で読む必要があるのかないのか。新訳なのかな?「ジェイン・エア」に関心があるのは、お姉さんのエミリー・ブロンテが書いた「嵐が丘」の新訳を新潮文庫で読んだからだ。同じ姉妹が「お姉さんが書けるのなら、あたしだって書けるはず」と言ったかどうかは知らないが、同じような大河小説を書いてしまって、それも名作として世に残ってしまった。作者シャーロット・ブロンテは、この一作を書いた翌年には病気で亡くなってしまったそうだ。ブロンテ姉妹(末っ子も文才があったらしい)の物語の方が数段、興味深いかもしれない。

 「グランド・ミステリー」は奥泉さんの長編歴史ミステリーだ。だと思う。まだ読んでないし。ずいぶん前に「鳥類学者のファンタジア」という分厚い単行本をながらく蔵書に抱えていた。かなり前に立川図書館のリサイクル本でただでもらってきたものだ。ただより高いものはない。もらってろくに読んだためしがない。モチベーションがなかなかあがらないのだ。こんな事なら別の人にもらってもらえばよかった。そのうち蔵書が増えすぎて手放してしまった。この前、自宅近くのブックオフが閉店して、閉店セールで文庫の「鳥類学者のファンタジア」を見つけた。最後の最後まで残っていて、なんと200円程度で手に入れられたはずなのに、トラウマが残っていたのか購入しなかった。次に行ったら消えていた。そうとなると惜しくなる。「グランド・ミステリー」は文庫になると読みたくなった。やはり新刊の分厚い文庫は魅力がある。でも予算がないので、急遽図書館で単行本を借りてきて、今自宅にある。読むかなぁ、読まねえだろうなぁ(って、このネタに気づく人はほとんどいないだろう)。

 「エジプト十字架の秘密」はすでに購入済み。なんと「ギリシャ棺の秘密」を読み控えているうちに、次が出てしまうなんて。越前版クイーンをまっさきに読まないでどうするんだ。読み控えている理由は、「フレンチ」「オランダ」と順調に読んだのはいいが、まだ書評として感想をまとめてないからだ。ぜひともクイーンの国名シリーズは一作・一作詳細な感想を書きたい。となると、またフレンチから再読しないと。そうなると、また次がでてしまうのでは?と思って越前さんのブログに行ってみたら衝撃的な事実が判明。なんと予定では「エジプト」までしか出版の約束が取り付けられていなかったんだそうだ。てっきり国名シリーズ全作は出す事になっているのだと思った。でも幸いな事に、同シリーズがかなり好評なので、残りの作品も出版される事に決まった。「中途の家」まで出すという情報(同作は国名シリーズではない)は、とびきりの目玉情報と言える。次作は来年6月の予定だそうだ。そこまでにすべてを読んで感想を書き綴らねば。

 「笑う警官」はタイトルは有名なんだけれど読んでない。警察小説として名高い作品だ。「笑う警官」と言えば、近頃再々再々……視聴した「ダーティハリー2」を何故か思い出してしまう。別に何も関係はないんだけれど、このタイトルを店頭で見るにつけ、映画の方の犯人のイメージにつながってしまう。ここいらで悪しきイメージをこれ以上引きずらないように、読み切ってしまおうか。

 「図南の翼」は十二国記の中でも何故か別格と言っていいほど、読んで爽快な気分に浸れるスペシャル版だ。シリーズを通して読んでいるファンにとっては、読後の満腹感は充分であっても、報われない登場人物たちの気持ちに感情移入してきた分、結末の重さにいたたまれなくなる事も多い。でも、この作品だけは大丈夫。なにしろ北上二郎さんの折り紙付きの作品だからだ。そして、この新潮文庫の完全版十二国記の本作でも、解説を書いているのが北上さんその人だ。これもぜひとも読まねばなるまい。読書の秋近し!

 最後は「素数の音楽」。これはなんだったかなぁ。よく覚えてないんだけど、「新潮クレスト・ブックス」という、非常に装丁は癒やされるのだけど、今ひとつ読みにくい叢書の中の一冊だった。その証拠にまだ一冊も読んでない。あの当時読みに読まれたはずの「朗読者」だって、家の本棚に古本が埋もれているはずなのに、いまだ読んでいない。自慢にもならないが。あらためてあらすじを探してみたら「リーマン予想」という文字が読めた。そうか、そういう題材だったか。やはり、静かに秋の夜長に読みたくなった。
posted by アスラン at 19:31| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | あっ、これ読みたい | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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