例えば、同系統のおどろおどろしさを生涯のテーマとした作家・横溝正史は、きわめて理性的に、時に官能的に、人間の暗さを描き続けたし、江戸川乱歩は自らの暗さに照らし合わせて人間の心の闇を描いたけれど、本書の著者は、そのどちらとも違って心に棲む闇を妖怪の姿に変えて描き出す。
だからエンディングに近づくにつれて、怒濤のように「うぅぅlってなるようなストーリー展開を覚悟しないといけない。オカルトやらホラーが好きな人は抵抗無く読める。特に、怖いものみたさの女性の心に訴えるところがあるんじゃないかなぁ。。
僕はというと、ようやく2作目にして京極の世界に入り込んできた感じだ。面白いのは、「語り手」のワトソン役がいて、京極堂という本屋の主人兼「陰陽師」がいて、その他に「探偵」がいて、「刑事」がいるという風に、個性的な常連たちが役割分担されて配置されている点だ。これまでのところ、一作ごとに彼らのいずれかが犯罪の渦中に過剰に関わりすぎてしまい、精神的にも肉体的にもダメージをうけつつストーリーが進行する点が、とにかく独創的だ。
今回の「魍魎の匣」は、それ以外にも注目する点がある。明らかに乱歩の名作「押し絵と旅する男」にインスパイアされて書かれているのが、とっても微笑ましい。それにしても後味悪いな〜。
(2005年5月19日初出)




京極って、女性に人気なんですか?知らんかった・・・
2番目ですか。1番目は何だろう。
女性に人気というのはちょっと独断的・個人的印象です。僕の会社の同僚(女性)のネット仲間に京極にはまってる女性がいて、勧められて読んだ同僚は「これはミステリーではない」って感想言ったら絶交されたそうです。
どうもそういうはまり方をした女性京極フリークは結構いるようです、ハイ。
またちょくちょくお邪魔させてもらうと思いますので、よろしくお願いいたします。
絡新婦の感想はまだ書いてなかったなぁ。
あれは最初から犯人が分かってしまう京極にしては珍しいお話しだったので、ちょっと意外でした。
たしかにどなたかがいうように、何か元の趣向があってそれを著者が自分なりに書いてみたかったのかもしれません。
これからも懲りずにご足労くださいませ。