2012年02月21日

ジャンプ 佐藤正午(2004/06/29読了)

 コンビニでリンゴを買ってくると言って、そのまま失踪してしまったガールフレンドを追い求める主人公。ある日突然、目の前から身近な人がいなくなってしまったら、どんな気持ちになるだろうか。そこには北朝鮮による拉致被害者と家族の間に存在するような政治や謀略の厚い壁はない。ただただ、残された者の理不尽な思いだけが永遠に続くだけだ。

 結末のあっけなさや物足りなさは、横山秀夫の「半落ち」を読んだ後の感想と一緒だけれど、そこに至るまでの物語や主人公の内面の動きに対して、僕ら読者が決して傍観者のままでいられなくなるドキドキ感まで同じだった。

 しかし、佐藤正午は、以前に読んだ「Y」といい、本作といい、ストーリーの展開もうまいし、ラストの切なさも申し分ない。いや、うますぎるぞ!
(2005/5/14初出)

posted by アスラン at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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