2012年06月11日

十二国記シリーズ、ついに新潮文庫にお引っ越し

 ちょっと前から「2012年6月の新刊」という記事へのアクセスが高い事になんとなく気づいてはいたんだよねぇ。だけど、うかつにも「何故か」とは考えなかった。登録してある「ブロガーの本棚」がまったくここの書評を掲載してくれなくなった事の方が気になって、気になって。

 でも、そのうち、ようやく「6月の新刊」へのアクセス数が多い理由が分かりました。今月末に小野不由美の「魔性の子(新装版)」と十二国記シリーズの第一作「月の影影の海(上・下)」が刊行されるからなんだ。つまりは昔からの十二国記ファンが〈そわそわ〉し出したわけで、それを知ったら僕自身もそわそわしてきた。

 新潮文庫のHPにあたってみたら、なんと十二国記の公式サイトが出来ている。そして、予定通り6月27日に3冊が刊行される。公式には7月1日発売なんだそうだが、店頭には今月の27日に並ぶと担当者がツィートしているので間違いないだろう。

 だけど、「6月の新刊」の記事でも書いたけれども、これは問題作だ。元々ラノベとして登場した十二国記シリーズは、「図南の翼」で北上次郎(目黒考二)さんが本の雑誌で絶賛したようにラノベのジャンルを越えて人気を博した。その後は、小野不由美という作家の力量は「屍鬼」などで十分に証明されたのだけれど、講談社文庫の扱いは、ラノベブランドであるX文庫から講談社文庫へ格上げするだけの鈍いものとなった。その後、新作がX文庫と講談社文庫の両方から同時発売されたのだけれど、それ以外に小野不由美ブランドの作品がX文庫にも講談社文庫からも刊行される事はなかった。

 一般に遅筆なのか寡作の作家として知られる小野不由美さんではあるが、ひとたび作品ができあがれば、圧倒的な存在感で読む者の心を捉えてしまう。それは元来がホラーが苦手な僕が、ひと夏をそれこそ震え上がりながら「屍鬼」を読み切った事からも証明されよう。

 そして、今度の新潮文庫からの出版は、ただ単に十二国記の旧作を講談社文庫と競合するかたちで出版するだけではない。新作も何年かぶりに新潮文庫から書き下ろしで出版される(未確認だが、たぶん講談社からは出ない。少なくともすぐには出ない)。と言うことは、旧作は版権の関係で講談社文庫にも権利が残るが、新作を含めて十二国記シリーズは新潮文庫に完全に「お引っ越し」したと言っていいだろう。

 そうなると前々から気になっていたのが「魔性の子」の取扱いだ。これは新潮文庫の表紙からも一目では分からないようになっていたので、ずっとホラーだと思って読み控えていたが、読んでみれば十二国記のサブエピソードであることはファンならば一目瞭然だ。でもおそらくは権利の問題で、講談社の手前[十二国記」とは名乗れないのだろうと思っていた。予想通り、今回の新装版には[十二国記」の文字が刷り込まれるそうだ。

 さらにビックリなのは、これまでラノベで表紙と挿絵を描いてきたイラストレーターが引き続き新潮文庫版・十二国記でも表紙と挿絵を担当する。だから本編の「月の影影の海」だけでなく「魔性の子」も、あのおなじみのイメージのイラストにリデザインされている。ファンとしては、これで長年の胸のつかえが降りたというものだ。

 そういえば講談社文庫は、X文庫から講談社文庫に格上げした際に、あのラノベっぽいファンタジー色が強いイラストも挿絵も廃した。そういう点でも著者の新潮文庫へのシリーズ移籍を覚悟させる諸々があったのではないだろうか。もちろん邪推ですけど…。

 とにかく問題作なのは間違いない。これは「僕にとって」の問題作でもある。すでに家の書棚にはX文庫でそろえた全作品が大切に保管されている。いつ新作が出ても、旧作にアクセスするための用意でもある。でも、まさか新潮文庫で出るとは思ってなかったし、装丁は変わるし、なんか背表紙も一通り揃えると絵柄で出てくるという「ずっこい企画」が隠されているそうだし、これは”買い”でしょうか。うーむ、そんな予算あるかなぁ。これから続々と出てくるみたいだし。少なくとも「魔性の子」は買うよねぇ、絶対。困ったなぁ。
posted by アスラン at 13:22| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | あっ、これ読みたい | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。