2006年08月07日

「マウス・ハント」「a.b.c(アー・ベー・セー)の可能性」(1998年3月7日(土))

 日比谷のみゆき座で「マウス・ハント」(no.38)を観に行く。

 10:00の回で40分前に着いたら9:45から窓口を開けるという表示にがっくり。結局早めに開場したが、どうせなら列ができるできないにかかわらず30分前ぐらいから入場させてほしい。

 さて映画の出来はというと、前々から予告篇を見て期待していたどおりでとても面白い

 父の遺産を相続した二人の兄弟が、オンボロ屋敷が著名な建築家の幻の作品として莫大な価値があるとして処分しようとするが、そこには我が物顔で屋敷に居座る賢い一匹のねずみがいた。そこで兄弟とネズミとのバトルが繰り広げられるわけだが、ネズミの可愛らしさ・賢さが本物のネズミと人形(アニマトロニクスというらしい)とCGI(Computer Generated Image)を組み合わせてフルに表現されている。

 大規模なアクションやSFといったジャンルではなく、一見普通の日常世界なのにちょっと変だと思わせるところに特撮が活かされている。賢いネズミの事だからやりかねないと思わせるような、もしくはやったら傑作だなと思われる愛らしい行動を次々とやってのける。

 主人公の兄弟もドタバタコメディだが、一時代前のコメディタッチで非常に小気味良いし、単にオマヌケな二人という設定ではなく、父親を素直に愛している弟と自分の事を愛してくれなかったとすねている兄とが助け合って、最後には受け継いだ製糸工場を立て直すというクリスマス・キャロル風の筋立てが素晴らしい。それもネズミに助けられてというラストは最高。

 唯一欠点はゴキブリのCGI。あれはやりすぎ。

 昼食後、六本木に移動。シネ・ヴィヴァン六本木で「a.b.c(アー・ベー・セー)の可能性」(no.37)を観る。

 フランスの女性監督パスカル・フェランの長篇第2作。

 ストラスブールに住む男女10人の若者の生活をコラージュしながら物語は進行する。とりたてて事件が起る訳ではなく、どこにでもある日常的な悩み(将来の事、恋人の事、子供をつくる事、人付き合いの事)を描いていく。

 この10人の中でも人間関係が入り組んでいて最後のホーム・パーティで彼等が勢揃いしたところで、それが交差したりすれちがったりする。つまり今どきの若者の日常を簡潔に切り取って見せて、ラストで彼等が一年後にどんな可能性を択びとったかを鮮やかに描いて映画は終る。

 ロメール風と言えば言えるが、ちょっとセリフに軽さが足りない。登場人物の何人かが監督自身の哲学をダイレクトに語っているように聞えて映画を私物化し過ぎだ。ロメールのようなシチュエーションへの徹底したこだわりがないのも気にくわない。

↓クリックの応援よろしく!
banner_04.gif
人気ブログランキング
posted by アスラン at 02:13| Comment(4) | TrackBack(0) | 映画評(1998年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ゲド戦記がいまいちらしいので、何を観ようか迷い中。エラリーさんの感想を参考にしようかな。
Posted by rago at 2006年08月07日 08:20
「ゲド」の評判がよくないですねぇ。そもそもお父さんと息子とを同列に扱うのがいけないんだと思いますが、それにしてもこうなると逆にどれほどの出来かを確認したくなる気もします。昔ならそうしてたかも。今は無理だな。

 しかし、そもそもジブリ作品を全部宮崎駿作品だと思ってる人は結構いるんですよ。かつてレストランのとなりの席に座ったカップルが宮崎作品として「トトロ」や「ラピュタ」はよかったけど、「耳をすませば」とかはよくなかったとか平気で言ってる。それって全然監督違いますってばって感じです。

 ジブリブランドとして期待してるんですよね、そういう人達は。

 ところで、昨年「観たい映画、観たくない映画」という記事を書きました。らごさんに活を入れてもらったのでさっそく準備に入りました(笑)。

 ぴあが店頭にないのでやむなくTOKYO一週間を購入。現在分析中です。
Posted by アスラン at 2006年08月08日 12:29
ジブリ作品も様々ですよね。監督でも風合いが異なるみたいですしね。ジブリで好きなのは、「魔女の宅急便」と「トトロ」です。
「ハウル」も観ましたが、原作を読んでいないと判り難い箇所が多々あり、方向性を間違えていた様な気すらしました。

「マウス・ハント」観に行こうか検討中です。w
Posted by rago at 2006年08月08日 22:08
宮崎駿さんは、「もののけ姫」の頃からうむをもいわせない作風になってきましたよね。原作あるなしに関わらず、圧倒的な共感をもてた「トトロ」や「ラピュタ」のような作品には方向性などという言葉は無縁だったはずなのに…。

「マウス・ハント」観るとチーズが食べたくなるんですよ、ウフフ。
Posted by アスラン at 2006年08月13日 02:38
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。