2006年08月02日

「PERFECT BLUE」「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」(1998年3月8日(日))

 渋谷のSPACE PART3で「PERFECT BLUE」(no.40)を観る。

 アニメによる初めての本格的サイコ・サスペンス物という異色作。

 アニメファンではないのでよくは分からないが、大手の映画会社のバックアップなしで、単独でこれだけ上質のアニメを作った事に驚いた。企画協力・大友克洋やキャラクター原案・江口寿史などは、無名の作家たちによる映画への精一杯の箔づけだろう。

 ただし妙に生々しいキャラクターが浄瑠璃人形のように動くのになれるのには多少時間がかかる。リアルなアニメというより、まだ現実を忠実に再現しきれていない現時点での仮想現実の世界をモニタしているかのように感じる。それが観ている者の不安をかきたてる。内容がもう一人の自分という多重人格を絡めたサスペンスなので、画面から感じられる仮想現実感がさらに多重化される。

 元々は実写で撮る予定だったらしいが、最終的にはアニメでしかできない表現を駆使して成功している。

 渋谷ジョイシネマで「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」(no.39)を観る。

 驚くべきは主人公ウィルを演じたマット・デイモンの才能だ。この素晴らしい映画の脚本が若干28才の彼の手になるものだとは!

 ちょっとブラッド・ピットを若くしたような風貌のマットが演じるウィル・ハンティングは、天才的な才能を持ちながら下町で教育も受けずに埋もれている青年だ。彼は天才だが人間関係を築く能力がなく、どんな人にも垣根を作り決して心を開かない。それどころか彼に近づく人には、精神分析医にように相手の弱点を暴き立て傷つけてしまう。

 そんな彼がロビン・ウィリアムズ扮するセラピストとの対話を通じて暖かい心を取り戻し自分の生き方を見出だし、名前のとおり「希望をつかんで」旅立つ。ロビン・ウィリアムズの演技が抑え目で何時になくいい。

カチンコ
 セラピストと書いているがこれは勘違いだ。ロビン・ウィリアムズの役回りはあくまでマット・デイモンのいらだちの先を歩んできたもう一人の天才だ。若くして天才を示し、それゆえに人間関係を築く事ができない彼がマットに示す「明日」こそが、この作品の爽やかなラストに他ならない。

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posted by アスラン at 17:27| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画評(1998年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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『グッド・ウィル・ハンティング』(米)
Excerpt: 天才的な頭脳を持ちながらも 幼少時の虐待によって心をとざす少年 最愛の人をなくして失意の日々をおくり 心を閉じてしまった医師 この二人が出会い、語らい、そして心が安らい..
Weblog: 極私的映画のススメ
Tracked: 2006-08-15 18:40
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