2006年07月03日

「エンド・オブ・バイオレンス」「バンドワゴン」(1998年4月11日(土))

 恵比寿ガーデンシネマで「エンド・オブ・バイオレンス」(no.52)を観る。

 ヴィム・ヴェンダースの新作だ。

 1995年の「リスボン物語」でようやく初期の作品のような初々しさを取り戻したヴェンダースが今回選んだ舞台は大都市ロサンゼルス。人知れず忍び寄る都会の暴力がテーマだ。

 思えば「アメリカの友人」「パリ・テキサス」など暴力の意味を問う作品をこれまでにも何本か撮っている。それも直接的な暴力シーンというより内面の恐怖、そしてそれが周囲の人々に与える影響を鋭くクールに描き出す。映画やTVが生み出す暴力シーンが人々の感覚を麻痺させている現状をシニカルに捉え、そこから人々の生き方を変えてしまうファクターをある意味では都会での必然とみている。都会人の愛と孤独こそが暴力を生み出す根源なのだ。

 俳優がどれもいい。「いい人」俳優ビル・プルマンと神経質そうなアンディ・マクダウェル、苦悩する孤独なガブリエル・バーン。極めつけはバーンの帰りを待ち続ける父親に、あの映画監督サミュエル・フラーだ。ラストにひたひたと暖かさが染みわたってくる映画だ。

 新宿に移動。シネマスクエアとうきゅうで「バンドワゴン」(no.51)を観る。

 3階にあがったらミラノ座の窓口でチケットを購入するよう言われた。行くと4館統一の窓口で混雑している。どうもコンピュータによる発券システムを導入したために各館の個別窓口は廃止したようだ。利用する側からは不便以外の何ものでもない。

 映画はタイトルどおりバンドを結成した4人の若者が、メジャーになるためにおんぼろワゴンでドサ回りツアーに出かける物語だ。

 恥ずかしがり家で人前で歌えないボーカル、マザコンでエコロジーかぶれのドラマー、短気でケンカ早いベース、一番ノーマルだと自称するドラッグでラリったリードギターという一癖も二癖もある4人と、クールな伝説のさすらいマネージャとのツアーが奇妙でおかしく、飛び切り楽しい。

 久々で全編楽しい映画を観た。

カチンコ
 その後、この映画が話題にのぼったのを見聞きした事がない。まったく世に知られずに埋もれてしまったのかもしれない。本当に残念だ。年間を通して180本近く中でベストテンに入れるほど小気味よい作品だったのだが…。

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posted by アスラン at 03:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画評(1998年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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