2006年06月04日

ついに出た!「フェルマーの最終定理」(電車でカフェ気分)

 まちわびていた文庫が昨日書店に並びました。

 サイモン・シン「フェルマーの最終定理」(新潮文庫)

 5/30発売予定だったから1日前倒しだ。しかも出勤前に入手できて週明けの欝欝も吹き飛ぶ爽快さ。

 500頁の読みごたえ十分の厚さで781円は超お徳だ(この半端な値段は何だ?)。さっそく購入しました。嬉しいなあ。

 予想されていた事だが、オビには「小川洋子さん推薦」の文字が。

 「博士の愛した数式」副読本

とも書かれている。そういえばあの小説の巻末に参考にした本が挙げられていたんだっけ。その中の一冊だったわけだ。

 思うに「博士の…」の著者・小川洋子さんは、この本のモチーフである数学の美しさをフェルマーの大定理の証明という一大事件からインスピレーションを受けていると思う。

 何事も複雑な世の中で専門分野は多岐に枝分かれして科学や数学などはおいそれと素人が手を出す分野ではなくなった。なのにいまだに日本人がノーベル物理学賞受賞ともなると最先端の科学への関心が沸き起こる。これはなんなんだろう。やはり人の好奇心を刺激するからだろうか。

 とは言えエレガントで分かりやすい素人向けの説明がなければ好奇心は持続しない。要はロマンに浸りたいのだ。だからリンゴが落ちるのを眺めたニュートンや、決闘で世に出る事なく消えた若きガロアや、宇宙の神秘をE=mc2という美しい式に封じ込めたアインシュタインに惹かれるわけだ。

 ただいかんせん、彼らの真実に近づきたいがために読む科学や数学のノンフィクションは必ずしも分かりやすくないし、面白いとも限らない。納得しやすい理由がある。

 ひとつは数学や科学のノンフィクションの書き手が同じ数学者や科学者である事が多く、彼らが「素人にも分かりやすい」と考えているレベルがおうおうにして高すぎる。

 しかもそういう著者に限って面白いと思ってとりあげたエピソードが素人には一向に面白くなかったりするのだ。

 さらにこれに拍車をかけるのが訳者の存在だ。訳者が専門の翻訳家ではなく科学者、数学者だったりすると原作の面白さが台無しにされるという惨歎たる状況になる。

 そこでこの「フェルマーの最終定理」だ。サイモン・シンという著者は難しい事を分かりやすく書く事にかけて稀有な才能を持っている。元々の専門は数学だがテレビのノンフィクション番組のディレクターになり、そこでフェルマーの最終定理の証明という一大事件を取り扱う事になる。

 本書でその名を世界に知らしめた著者は、「暗号解読」「ビッグバン宇宙論」とさらなる難解な題材を扱う事で才能が確かなものである事を証明した。
 
 訳者の青木薫さんも文庫あとがきで書いている。「だまされたと思ってまず『フェルマーの最終定理』を読んで欲しい。そうすればあなたは『暗号解読』『ビッグバン宇宙論』もきっと読みたくなるに違いない」と。

 まったくの同感だ。そのうえ付け加えたいのは翻訳者の青木さんの文章の読みやすさだ。これだけの題材にも関わらず素人にもクロウトにも感動を与える作品を生み出した手柄は著者だけのものではない。

 みなさん、読むべし!

参考
 あの「フェルマーの最終定理」が帰ってくる!


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posted by アスラン at 02:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記(電車でカフェ気分) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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