2006年02月28日

週刊ブックレビューズはペナント優勝を狙えるか?

 年末になると恒例のミステリーの年間ランキングがいろいろと発表され、その他、翻訳本や恋愛本、SF、ライトノベル、エンターテイメントなどなどあらゆる本のランキングが発表される。日頃、そういうものに踊らされるのはごめん蒙りたいなどと格好をつけてはいるものの、やはり読んで手堅く感動させてくれたり楽しませてくれる本の存在は無視できない。

 特にミステリー好きを自称しているわりには、ランキング上位の本を読んでいる事が少ないので、年末年始に帳尻を合わせようと、いろいろ面白いところを読みあさっている。

伊坂幸太郎「死神の精度」
古川 日出男「ベルカ、吠えないのか?」
麻耶雄嵩「神様ゲーム」
石持浅海「扉は閉ざされたまま」

などは、ランキングを参考に読んで、それぞれ面白く読んだのであらためて感想は書いてみたい。

 ミステリーランキングは「このミス」や「本格ミステリー」「文藝春秋」などいろいろと出ているが、当たり前のようだがみんな傾向が似ている。一年間の限られた本の中から選ぶのだから同じ本が入っていてもおかしくはないのだが、やっぱりどれも同じというのは手堅すぎて面白くない。ならばもっと本読みのうがったランキングはないかと思ったら、ちょうどいい企画をテレビで見た。

 正確には録画しておいた番組で、「BS週刊ブックレビュー」12月18日放送分の特集だ。いまさらと思われそうだが、なにしろ日々忙しさが募ると録画番組がどんどんたまってくる。ブックレビューは毎週予約していたが、最近はたまった方を読むだけでも一苦労なので予約をはずしてある。そこでようやく先日さきほどの録画をみたわけだ。

 北上次郎と関口苑生が丁々発止の言い合いで、それぞれ持ち寄った20冊のミステリーから、「週刊ブックレビューズ」と野球チームに見立ててベストナインを決めようというものだ。

この趣向は、「本の雑誌」の読者ならば目新しくないだろう。 本の雑誌紙上では、半期ごとに北上次郎(ではなく目黒浩二)、椎名誠、他編集者数名が、持ち寄った本をベストテンのどこかに入れようと、大激論を戦わす。だいたいが人間関係の力学で決まる事が多い。つまりはごり押しすれば通る。だが、駆け引きもあって、それを入れるのを許すかわりにこっちもここらへんに入れてくれという取引は当たり前。ダメな物は絶対ダメと逆ギレされる場合もあり、いやはや大人げないところが本当に面白い。

 その再現かとも思われたが、やはりNHK−BSではダメだろう。しかも二人ではなれ合いになってしまう。下克上の面白さがある編集者(平社員)が入ってたり、それと鷹揚に物事を決めてしまう椎名誠がいればもっと面白くなっただろう。

 ともかくも本読みの達人のお二方が決めたベストナイン。だまされた思って何冊か読んでみたい。特に「隠蔽捜査」は期待して現在、借りて読んでます。
 


「週刊ブックレビューズ」スターティングメンバー
1番. 暗礁 黒川博行
2番. ユージニア 恩田陸
3番. 容疑者Xの献身 東野圭吾
4番. シャングリ・ラ 池上永一
5番. 隠蔽捜査 今野敏
6番. 耽溺者 グレッグ・ルッカ
7番. 灰色の北壁 真保裕一
8番. 暗く聖なる夜 マイクル・コナリー
9番. 魔力の女 グレッグ・アイルズ
代打.オルタード・カーボン リチャード・モーガン


以下、本のあらすじ(転載)

[1番. 暗礁 黒川博行]
建設コンサルタントの二宮啓之を、三たび誑しこんだ疫病神・ヤクザの桑原保彦。次なる獲物は数十億円に及ぶ大手運送会社の闇のマル暴対策費。そのシノギは追いつ追われつの壮絶な裏金争奪戦となった…。リアルでコミカルなセリフ回し、白熱のバイオレンスとサスペンスが読者の興奮神経を直撃する、超弩級のエンターテインメント大作。

[2番. ユージニア 恩田陸]
遠い夏、白い百日紅の記憶。死の使いは、静かに街を滅ぼした。知らなければならない。あの詩の意味を。あの夏のすべてを。

[3番. 容疑者Xの献身 東野圭吾]
これほど深い愛情に、これまで出会ったことがなかった。いやそもそも、この世に存在することさえ知らなかった。運命の数式。命がけの純愛が生んだ犯罪。

[4番. シャングリ・ラ 池上永一]
地球温暖化の影響で東京は熱帯の都市へと変貌した。都心の気温を5℃下げるために東京は世界最大の森林都市へと生まれ変わる。しかし地上は難民で溢れ、積層都市アトラスへと居住できる者はごく僅かだった。地上の反政府ゲリラは森林化を阻止するために立ち上がった。

[5番. 隠蔽捜査 今野敏]
竜崎伸也、四十六歳、東大卒。警察庁長官官房総務課長。連続殺人事件のマスコミ対策に追われる竜崎は、衝撃の真相に気づいた。そんな折、竜崎は息子の犯罪行為を知る―。互いに自らの正義を主張するキャリアとキャリアの対立。組織としての警察庁のとるべき真の危機管理とは。


[6番. 耽溺者 グレッグ・ルッカ]
「あいつに見つかっちまった」親友からの未明の電話で、女性私立探偵のブリジットは己の過去に直面させられた。十代で薬物中毒だった二人は更生施設で出会った。再び悪事に引き込まれそうな友を救うため、彼女は自ら囮となって麻薬密売組織に闘いを挑む。大人気ボディーガード・アティカス・シリーズ番外篇。

[7番. 灰色の北壁 真保裕一]
世界のクライマーから「ホワイト・タワー」と呼ばれ、恐れられた山がある。死と背中合わせのその北壁を、たった一人で制覇した天才クライマー。その業績に疑問を投じる一編のノンフィクションに封印された真実とは…。表題作ほか全3編。

[8番. 暗く聖なる夜 マイクル・コナリー]
ハリウッド署の刑事を退職し、私立探偵となったボッシュには、どうしても心残りな未解決事件があった。ある若い女性の殺人と、その捜査中目の前で映画のロケ現場から奪われた200万ドル強盗。独自に捜査することを決心した途端にかかる大きな圧力、妨害…事件の裏にはいったい何が隠されているのか。

[9番. 魔力の女 グレッグ・アイルズ]
愛した女の魂は不滅なのか。とうの昔に殺された元恋人マロリーしか知り得ない過去をちらつかせ、肉感的な美女が誘惑してくる。妻と一人娘を裏切った瞬間からジョンの日常は一変。恐怖と官能の坩堝のなかで、理屈では説明のできない事件が続出する!あまりに危険で強烈なサスペンス。

[代打.オルタード・カーボン リチャード・モーガン]
27世紀、人間の心はメモリースタックに記録されており、肉体が死を迎えてもスタックを維持し、新しい肉体を買うことも可能。設定はサイバー・パンク、ストーリーはオーセンティックなハードボイルドミステリ。

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posted by アスラン at 12:55| Comment(0) | TrackBack(3) | 日記(電車でカフェ気分) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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