2006年02月27日

「ウルトラマン」の脚本家、佐々木守さん死去

 昨日の新聞に脚本家・佐々木守さん死去の記事が載った。

 「ウルトラマンの脚本家」と冠がつかなければ見過ごしてしまったかもしれない。正直、市川森一や実相寺昭雄などは、「ウルトラマン」から羽ばたいたビッグネームとしてよく知られているが、佐々木守という脚本家がどのような人でどのような仕事をなしたかは、僕自身よくわかっていなかった。

 第一期「ウルトラマン」世代(「ウルトラQ」「ウルトラマン」などを放映当初から見ていた世代)である僕としては、佐々木さんの仕事を振り返っておくやみに変えたいと思う。

 まず佐々木さんは「ウルトラマン」全39話のうち、以下の6本の脚本を担当している。

真珠貝防衛指令 「汐吹き怪獣ガマクジラ登場」
恐怖の宇宙線 「二次元怪獣ガヴァドン(A)(B)登場」
地上破壊工作 「地底怪獣テレスドン登場」
故郷は地球 「棲星怪獣ジャミラ登場」
空の贈り物 「メガトン怪獣スカイドン登場」
怪獣墓場 「亡霊怪獣シーボーズ登場」


 このリストを見て何か気づかないだろうか。僕自身びっくりしたのだが、すべて実相寺昭雄が監督した作品なのだ。あの実相寺作品の独特な映像やストーリーのタッチは、佐々木さんとのコラボレーションから生み出されたと初めて知った。

 特徴としては、ノスタルジーや哀愁に満ちた作品が多く、ジャミラやシーボーズなど出自の悲しさが際だった作品が含まれている。かと思うとガマクジラの回のように怪獣話とギャングが抱き合わせになるスタイリッシュな作品もあり、これは実相寺さんの遊び心に応えた作品なのかもしれない。出色なのはスカイドンの回で、超弩級の重量の怪獣が空から落ちてくるというユーモアに満ちた楽しい作品だった。

 「ウルトラセブン」でも以下の2話の脚本を書いている。

遊星より愛をこめて スペル星人
勇気ある戦い クレージーゴン

 ただし、再び実相寺監督とタッグを組んだスペル星人の回は不幸なことに永久欠番となり二度と日の目を見ることはなさそうだ。クレージーゴンの回は、ダンと手術を控える子供との約束を描いたヒューマニティー溢れる作品であり、これは実相寺監督作品ではない。逆に佐々木さんの本領とするところが分かる作品と言えるかもしれない。

 その後のフィルモグラフィーを見ると、

「コメットさん」
「柔道一直線」
「刑事犬カール」
「奥様は18歳」
「刑事くん」
「西遊記」

などなどの当時、子供から大人まで楽しんだドラマやコメディーを多岐にわたって担当していて、平凡な名前が象徴するように職人気質が感じられる脚本家だったようだ。

 なかでもこれもうかつだったとしか言いようがないが、僕の好きな「アルプスの少女ハイジ」の脚本を担当していた事が、まさに佐々木さんの脚本家としての手腕がいかに手堅いものであったかを納得させてくれるだろう。全52話のうち、最終話を含めた23話が佐々木さんの脚本だ。

第20話 新らしい生活
第21話 自由に飛びたい
第22話 遠いアルム
第27話 おばあさま
第28話 森へ行こう
第29話 ふたつのこころ
第30話 お陽さまをつかまえたい
第31話 さようならおばあさま
第32話 あらしの夜
第33話 ゆうれい騒動
第34話 なつかしの山へ
第41話 お医者さまの約束
第42話 クララとの再会
第43話 クララの願い
第44話 小さな計画
第45話 山の子たち
第46話 クララのしあわせ
第47話 こんにちわおばあさま
第48話 小さな希望
第49話 ひとつの誓い
第50話 立ってごらん
第51話 クララが歩いた
第52話 また会う日まで


 前半は別の脚本家が担当しているが、アルムを離れて遠くフランクフルトでの生活が始まったのを機に、佐々木守脚本で感動的な話が綴られるようになる。脚本のテコ入れでもあったかもしれないが、何よりフランクフルトから再びアルムにいたる重要な山場を乗り越えるには、佐々木さんの手腕以上に、エモーショナルな筋立てが必要とされたのだろう。

 佐々木さん、感動を与えてくれてありがとうございます。
 あらためて合掌。

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posted by アスラン at 12:58| Comment(0) | TrackBack(1) | 評論・エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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佐々木守
Excerpt: 佐々木守
Weblog: アイドル芸能Shop
Tracked: 2006-05-12 16:24
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