八甲田山 死の彷徨 新田次郎(新潮文庫,1978年)
劔岳 新版−点の記− 新田次郎(文藝春秋,2009年)
ちょうどそのときは新田次郎の「八甲田山 死の彷徨」を、ぜひ読むように勧めていた。その理由というのは、軍隊という組織が起こした大惨事のドラマを一種の組織論として反省的にとらえよ、というような感じに主張だった。一人の無能な、というか間違った方向に闇雲に従わせた一人の中間管理職のせいで、二百人以上の舞台のほとんどが帰らぬ人になってしまう。そして、本来の責任者である上長が、映画でも有名になった「天は我らを見放した」と慟哭する。
その史実を深く掘り下げた原作を、時代小説の大家としかイメージが沸かない新田次郎が見事な小説に仕上げているらしい。高校の修学旅行で八甲田山の頂上までバスで行った思い出があり、ちょうどそのころに映画も大ヒットとした記憶があるので、原作も筒井さんのオススメにしたがって、俄然読みたくなってきた。
と思ったらタイムリーなことに、今映画館で上映されている話題作「剣岳 点の記」というのも新田次郎の作品なのか。では、こちらもぜひ読んでみなければ…。もし、読んだとしたらば、中井喜一が演じたNHK大河小説「武田信玄」を熱心に見てたときに読んだ原作以来の新田作品という事になる。
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