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    2009年04月24日

    よみうりの切り抜き(2009/4/??)

     事情があってようやく立川に住むようになってから、ということは結婚してから、ということだけれども、初めて新聞をとることにした。3月から取り始めて、ちょうどポケモンとことわざ辞典が一体化している企画が始まったところで、子供がそのコラムの場所を探し出すのを毎日楽しみにしている。

     僕は僕で、実家にいたころのように新聞を隅から隅まで味わう生活がもどってきて、久々に楽しんでいる。やはりウェブの新聞サイトを見るだけでは味わえない楽しみが紙の新聞にはあるのだ。当然ながら、書評欄も毎週楽しみにしている。まるでプチ書店を逍遙しているような気分になれる。実家にいるときは安さ優先・広告の少なさ優先で東京新聞をとっていた。今回は折り込み広告優先という変わったニーズを我が家は抱えているので、チラシが充実している読売新聞をとっている。読売は確かに東京や朝日と比べると紙面の広告が占める比率が高く、その割に朝日ほど記事に切れ味がないという印象があった。だから駅売りで買う時は朝日にしていた。東京は安さだけの良さではなくて、その名の通り東京で密やかに暮らしている我が家向きで、的確な情報を控えめに提供してくれる。非常にすっきりしたコンセプトを持った紙面だった。

     ただし、不思議な事だが、書評欄は昔から何故か読売新聞がダントツで面白い。東京新聞は学者や識者の硬質な文章が勢揃いする事が多く、読んでいて退屈だった。今回、読売の書評欄を読み出すと、昔の印象そのままで、たいてい一、二冊は必ず読んでみたい本が見つかる。だって、松山巌とか北上次郎とかが常連で本を紹介してくれるんだよ。本当の内容以上に面白そうに見えてしまうじゃないか。

    宇宙を織りなすもの 時間と空間の正体(上・下) ブライアン・グリーン(草思社)
    ミステリーとの半世紀 佐野洋(小学館)


     「宇宙を織りなすもの」は、エントロピー増大の法則に関する本だ。自然科学の本は面白そうな題材に比して、文章がつまらない、もしくは難解な場合が多いので、躓くことが少なくないのだが、こちらを読んでみたいと思ったのは、書評担当の文章にそそのかされたというわけではない。書評の最後に「訳者・青木薫氏の偉業にも賛辞を。」と書かれていたからだ。おーお、サイモン・シンの著作の訳者ではないか。あの「フェルマーの最終定理」の面白さを平明な文章で伝えてくれた伝道者・青木さんの訳した本ならば、読んでみる価値はあるか。


     もう一冊は、ミステリーファンならば知らない人はいないだろう。短編ミステリーの大家・佐野洋の著作だ。などと偉そうに書いているが、一冊も、一編も作品を読んでません。ごめんなさい。どうも日本のミステリーは手が出ない時期が続いていたために、こんな事になる。でも評論家・エッセイストでもあることは知っていた。こちらは北上次郎が紹介しているので、本の内容以上に著者に関する面白いエピソードを追加してくれて、読む気にさせてくれる。

     そのエピソードは、文人碁会というイベントに参加した際に川端康成が見ていたかもしれないテレビのチャンネルを、そっと競馬中継に変えてしまったという逸話だ。まだ佐野洋が若い時の話だ。それが川端でなくて乱歩だったら果たして平気でチャンネルを変えることができたかと聞かれて「躊躇したかもしれません」と答えたという話だ。その話がもちろん載っているわけではないんだけれど、どうやら北上マジックにしてやられそうだ。


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    posted by アスラン at 13:01| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | あっ、これ読みたい | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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