すると、さらにウェブの情報からこの「ジュニア版」が、1972年に出された「世界の名作推理全集」全16巻の改訂版であることが分かった。装丁が少々変わっただけで中身はそのままのようだ。そして改訂版の方ならば図書館の蔵書として残っているので、さっそく「Yの悲劇」を借りた。確かにあの頃読んだ本に間違いない。挿絵やら目次やら文章の細かい部分が思い当たることばかり。あっという間に僕は小学5,6年生の頃の自分の興奮を再現する事ができた。
ところがさらに、この「ジュニア版」はまだ出版社に在庫がある事が分かった。もう、どんなに大きな書店でも店頭には見かけないので絶版だとばかり思っていた。今「本やタウン」で検索すると以下の本が入手可能だ。
闇からの声(イーデン・フィルポッツ 中島河太郎訳)
義眼殺人事件(アール・スタンリ・ガードナー 藤原宰太郎訳)
黄色いへやの秘密(ガストン・ルルー 山村正夫訳)
犯人をあげろ(ウィリアム・アイリッシュ 藤原宰太郎訳)
死を呼ぶ犬(ジョルジュ・シムノン 藤原宰太郎訳)
グリーン家殺人事件(S.S.ヴァン・ダイン 中島河太郎訳)
奇妙な殺人(ブレット・ハリデー 藤原宰太郎訳)
列車消失事件(傑作短編集 中島河太郎訳)
16巻中8冊も手に入る。意外と手に入るもんだ。
あれ?「Yの悲劇」がない。おや、僕が最後の一冊を入手してしまったのか。ひょっとして秋田書店の在庫ではなく、本当に本やタウンで在庫管理してたのかも。いずれにしても本当に僥倖だったと言っていい。最初632円と書かれていて「安いぜ〜」と思ったら、指定書店に取り置きの時点で800円に値が上がった。書店で手に入れて早速奥付を見ると「平成6年3刷」となっている。この時に800円になったらしい。しかし一緒に予約した高橋源一郎著「大人にはわからない文学史」が1700円以上するのを考えれば、超お得な一冊と言っていい。
しかも新品。テカテカの表紙カバーに白髪のドルリー・レーンらしき人物がこちらをじっと見透している。一生の保存版にしよう。



