2006年01月02日

僕が選んだ2005年ベスト30、そしてワースト本6冊

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします。

 たしか昨年の冒頭に、今年こそは100冊以上読むぞと意気込んでみたのだが、結局それは達成できなかった。91冊(上下本は一冊と見なす)が2005年の読書総数だ。正直もっと読めるはずだし読みたかったけれども、現状では行き帰りの通勤電車の中が読書時間の中心なので、まあまあ検討した方じゃないだろうか。

 とにかく昨年一年はブログを始めたのが大きい一年だった。読書時間が多少でも切りつめられても、読んだ本についての感想を発信できる喜びは大きかった。なによりそれは自分自身への発信でもある。自分の文章を自分で読む。すると自分の言っている事に自分で感心したりする自分がいる。それは一種のナルシシズムだけれども、その中から自分でも無意識に感じていたことが言葉になって立ち上がってくる感じがした。

 この91冊のリストを改めてながめて、よかった本を挙げてみたらベストテンにおさまらない。かといっても切りのいい冊数だけ挙げる事に意味があるとも思えない。

 で、よかったと思った本はすべてあげるとキリがないので、とりあえず30冊に絞り込んだ。それぞれに受けた感動の大きさや質には大小があるので、全部が同じように面白かったわけではない。その中であえてベスト10を特に選んでみた。ただどれが一位、二位などとケチなことは言わない。順不同です。

 さらにこそっとワースト本も6冊ほど挙げる。これだけは、ちょっとガマンができなかったという本しか挙げてません。

[2005年ベスト10]

日本文学盛衰史 高橋源一郎
 日本語と日本文学と格闘した明治の作家の数々が現代によみがえる。特に漱石の「こころ」の中の友人Kとは何者だったかという謎解き部分がスリリングで面白い。
(参考)啄木・ローマ字日記

航路 コニー・ウィリス
 臨死体験を疑似的に体験できる実験をおこなって、臨死とは何かをつきとめようとする主人公の医師2名の物語。そこにタイタニックが絡んでくる面白さ!

インストール 綿矢りさ
 芥川賞受賞作「蹴りたい背中」より面白い。こっちの方が好みです。

エラリー・クイーン Perfect Guide 飯城勇三
 エラリー・クイーン初の全作品完全ガイドブック。クイーンファンもそうでない人もぜひ読んでください。楽しさ2倍です。
 (参考)エラリイ・クイーンパーフェクトガイド(文庫版) 飯城勇三・編著

アースダイバー 中沢新一
 こんな散歩の仕方があるとは思わなかった。こんな風景の読み方があるとは思わなかった。江戸の古地図と現代の地図を重ね合わせる楽しさはわかりやすいが、縄文時代の地図と重ね合わせて土地のもつエネルギーを読み取るダイナミックさと意外性が絶妙!

空中ブランコ 奥田英朗
 もう文句なし面白い。こんな医者がいたらぜったいかかりたくないけど、もし診察室に足をふみいれたら逃れられそうにない。

しょっぱいドライブ 大道珠貴
 このダメダメな女たちの情けなさを感じると、彼女たちのかわいらしさが見えてくる。

ニッポン硬貨の謎―エラリー・クイーン最後の事件― 北村薫
 エラリー・クイーン全作品を渉猟した者のみが味わえる醍醐味が隠されている作品。もちろん北村テイスト炸裂なので、北村薫好きならばとりあえず楽しめる。

失踪日記 吾妻ひでお
 吾妻ひでおってすごいねぇと見直してしまうこと間違いナシ。

赤塚不二夫のことを書いたのだ!! 武居俊樹
 赤塚不二夫作品の真実がつまっていて、読むことで赤塚作品ともういちど出会える本。

[2005年プラス20]

電車男 中野 独人
 (参考)「鉄塔武蔵野線」あるいはもうひとつの「電車男」
アポロとソユーズ 米ソ宇宙飛行士が明かした開発レースの真実 デイヴィッド・スコット+アレクセイ・レオーノフ
幸せな動物園 旭山動物園監修
間宮兄弟 江國香織
センセイの鞄  川上 弘美
装丁ノート 栃折久美子
 (参考)ワープロで私家版づくり 栃折久美子
解夏 さだまさし
古道具屋中野商店 川上弘美
パズル アントワーヌ・ベロ
鉄鼠の檻 京極夏彦
孤独のグルメ 
カップルズ 佐藤正午
明日の記憶 荻原 浩
告白 町田康
僕が批評家になったわけ 加藤典洋
復刊ドットコム奮闘記 左右田歩
イン・ザ・プール 奥田秀朗
素晴らしい一日 平安寿子
神様 川上弘美
東京物語 奥田英朗
村上龍映画小説集 村上龍
 (参考)限りなく透明に近いブルー 村上龍
     69 村上龍
夜のピクニック 恩田陸


[2005年ワースト本]

負け犬の遠吠え 酒井順子
 「負け犬」が思ったほど普遍的な概念ではないという事が分かる。読めば「なんだ、看板に偽りありじゃん」って分かる本。

通勤電車で座る技術! 万大
 それほど得るところがない技術本。しかも著者の未熟さがあからさまに文章からたちのぼるところがあきれてしまう。

徹底抗戦!文士の森 実録純文学闘争十四年史 笙野頼子
 もうとにかく駄文を半分くらい読まされる。こんな雑文を整理もせずに読ませるな!
 (参考)「文士の森」は一冊ではない

東京タワー 江國 香織
 書評で書いたとおり。男性には実はまったく必要としない本。いやお呼びでないという本。

ダ・ヴィンチ・コード ダン・ブラウン
 どうしても読んでてお手軽という印象がぬぐいきれなかった。たぶん薔薇十字とかの題材をすでにエーコの「フーコーの振り子」などで読んでしまっていたからだろう。それに何故、こうも短い時間で、あの優柔不断な素人探偵が次々になしくずしに謎を解いてしまうのか違和感が残る。

ミステリよりおもしろいベスト・ミステリ論18 小森収・編
 とにかくおそろしく偏りの多いミステリ論集。面白い小文もあるにはあるのだが、もうちょっと全体のバランスを考えた取りそろえにしてほしかった。著者の好みだけで読まされると、著者の考え方が狭い場合は目も当てられない。
 (参考)書評連載(その1)(その2)(その3)(その4)(その5)

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posted by アスラン at 03:37| Comment(5) | TrackBack(0) | 評論・エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うううううーーむ
二重の唸りですw
先ず、去年私は83冊ぐらい?しか読んでいません。それでも自分を褒めてあげたい気分だったのにな。(涙
次いで、重なっている本が一冊もない・・・。
びびさんのみならず、エラリーさんまで重ならないのか・・・。

と、気を取り直して、
今年も宜しくお願い致します。
Posted by rago at 2006年01月02日 12:31
 らごさんの「今月読んだ本」を読んだときに、重なりそうもないなぁと正直思ったんですが、そうですかぁ。一冊もですか。まいったな…(汗、汗)

 でもそれだけ互いにオススメする本が多いって事でもありますよね。らごさんの昨年読んだ本のベストをぜひ日記にあげてもらうとうれしいです。

 こちらこそ今年もよろしく。
Posted by アスラン at 2006年01月02日 22:56
 あけましておめでとうございます。
 今年もエラリさんにとってよい年でありますように。

 さっそくですが、ベストで1冊、追加20で7冊、ワースト1冊かぶってました。意外にかぶるもんですね(笑)

 さてここで問題です。かぶっていた9冊とはどれでしょう?(笑)
Posted by at 2006年01月04日 01:33
・・・ごめんなさい。上のコメント私です。アスランさんの名前も間違ってるし・・・削除してやってください。すいませんでした。
Posted by しのきち at 2006年01月04日 01:35
 しのさん、今年もよろしく。

 削除には及びません。しのさんのおっちょこちょいを証明するために大事にとっておきます(笑)

 思うにベストの1冊は「空中ブランコ」か「インストール」、ワーストの1冊は断然「東京タワー」でしょう。追加の7冊はゆっくり考えるとします。

Posted by エラリー at 2006年01月04日 12:46
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