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    2008年09月02日

    江戸東京たてもの園の夏を楽しむ(2008/8/13)

     夏休み企画第2弾。レインボープールに引き続き、我が子を楽しませ僕らも同時に癒される、そんな虫のいいスポットを探す。なるべく近場でないかなぁ。我が子の好きなゴーオンジャーやプリキュアに会える後楽園か、キバやゲキレンジャー(何故いまさら?)に会えるとしまえんか。汐留の日テレでアンパンマンに会うか。いずれにしても親はそれほど癒されそうにない。

     親の好みは水族館。GWに葛西臨海水族園は行ったが、嫁さんはショーを我が子に見せたいと言う。ならば「しながわ」か「エプソン」が最寄りで、どちらもアシカのショーがある。行きたい。〈見せたい〉よりも親の〈行きたい〉がまさる。だが混むよなぁとひよった。で、「親子で楽しむ日帰りスポット」みたいなアンチョコを出してきて、なんとか選んだのが「江戸東京たてもの園」だ。前から行ってみたかったが、息子が楽しめるかがネックだった。ようやく月日が満ちた。 安心して息子を連れていける。はずだよね?

     JR中央線東小金井駅からバスで5分くらいのところ。そうだ、免許の更新で2月に来たばかりじゃないか。駅前はチンケなところでまともな食事をするところが見つからなくて困ったっけ。今日は立川で食事を済ませておいたので、バス停に向かう。あれ?夏休みで賑わうシーンを想像していたが、バスには僕らと孫2人をつれたおばあさんのみ。そんなもん?

     そんなもんでした。まだ夏休みのピーク前の平日ということもあって意外なほど空いてる。「たてもの園」は小金井公園というかなり大きい公園の一角にあり、上野公園の博物館のように広い広場を向こう正面に建物を見通すようにして近づく。トンボが飛んでる。とってもいいところに来た予感がする。

     入場すると室内展示と屋外展示の二つに順路が分かれる。もちろん屋外を選択して外の案内図を見ると、ボランティアのお年寄りが寄ってきてみどころを説明してくれる。はずだったのが、息子が邪魔してくれた。話し出す先から人見知りしない我が子がお年寄りにいちいち声をかけるので説明できない。おじいさんは説明を断念して、息子のためにかざぐるまをくれるところがあるからそこを目指すといいと教えてくれた。実は長々とした解説は少々わずらわしかったので、息子の口出しはナイスタイミングだった。ボランティアのおじいさん、ごめんなさい。

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     右手をゆくと明治の消防の火の見櫓があったり、ボンネットバスがあったりする。ボンネットバスとは乗用車のように前側にボンネットがでてるバスだ。しかもレトロな丸顔だ。僕の子供の頃にはすでに町中には走ってなかったが、奥多摩の山道などではまだ走ってたと思う。

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     息子が喜んだのは、バスではなくて市電の方だ。俗にいうチンチン電車だ。こちらは車内に乗り込める。クラクションの代わりに警告音を出すベルをならすひもがついている。いや、運転席だけでなく入り口脇についているから、車掌が発車オーライを運転手に示すベルでもあったのだろうか。これが見事に「チンチン」と鳴る。名前の由来だ。

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     明治から大正・昭和の古い建物がならぶ目抜き通りが見えてくる。文具や書籍を売る昔の三省堂とか、金物屋や花屋のディスプレイがおもしろい。さらに醤油屋がでてきた。そうそう、板橋の実家の商店街にも、醤油屋ではないが似た感じの酒屋があった。棚に醤油や酒の一升瓶が整然と並び、はかり売りがメインだった。だから、よくお酒や醤油を持っていった瓶に詰めてもらった記憶がある。懐かしい。実家の商店街には味噌屋もあったなぁ。味噌が山盛りになった入れ物が横並びに並んでた。あぁ、思い出に浸ってる場合じゃない。

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     目抜きの一番奥に立派な銭湯が見える。確か宮崎駿が「千と千尋の神隠し」を描く際に、あの油屋のモデルにしたと言われた銭湯だ。こちらは昭和20年代ぐらいの建物だろうか。間違いなく僕が通った銭湯そのものだ。左右対称の日本家屋ののれんをくぐると、右手に女湯、左手に男湯の入り口が見え、両脇に扉と木札の鍵がついたげた箱がある。さだまさしの「木根川橋」には、好きな同級生の出席番号が空くまでは中に入らなかったという台詞があるが、確かに行くたびにいろんな番号で〈験かつぎ〉をした。

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     中に入るとすぐが脱衣場だ。中央に鏡張りの仕切りがあり、上に広告が出てる。意外に低い仕切りなので女湯と男湯の声は筒抜けだ。いや、そもそも男女のプライバシーが希薄なのは銭湯ならではで、「もう出るよ〜」と母親に声を掛け合うのは当たり前の光景だった。高い天井には大きな扇風機の羽がむき出しで回っていて、エアコンなどない熱気と湿気の含んだ空気をかきまわしている(もちろん記憶の中でだ)。

     浴場入り口脇には体重計(デジタルではなく乗ると針がグルッと回転するやつだ)が置かれ、湯上がりには必ず計ったのだ。なんで体重計なのかは今考えるとちょっと不思議だが、やはり銭湯が一種のヘルスセンターだったからだろう。浴場の壁にはお約束の富士の絵だ。昔の富士は男湯の方に書かれていた。じゃ、女湯には何が書かれているのか、子供心に不思議だった。

     若いカップルが当時の風景を思い描くように腰掛けて浴場を、富士の絵を、眺めていた。もう、「三丁目の夕日」のような映画やドキュメント映像の中にしか見られない光景となったんだろうな。

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     3人でかき氷をわけあいながら、かざぐるまをくれる建物へと急ぐ。3時までなのを忘れてた。あと5分しかない。それは茅葺き屋根の立派な農家だった。縁側でボランティアのおばあさんが待ち受けていて、一緒になって作って持ち帰る趣向らしい。でもまだ息子にはムリだとわかってくれたおばあさんは、材料の羽を我が子に選ばせて、ママが手伝って作るように進めてくれた。羽はきれいな絵柄の紙に切り込みを入れて2枚をくみあわせたもの。息子はわからずにはずしてしまってみんなをあわてさせた。

     できあがったかざぐるまに大喜びする息子を、民家にあがって中から写真を撮った。かたわらにはいろりが切ってあり、その日は火が入って煙が立ちこめていた。暑いが懐かしい香りがした。

     最後は、かの高橋是清の邸(別邸?)にあがる。立派な日本家屋で、二階は歩いてもびくともしないしっかりとした造りだった。一階に喫茶があり、息子にはオレンジジュース、僕らはあんみつとクリームあんみつを注文した。畳の部屋に据えられた座卓で、家族連れや着物姿の若い女性二人、若いカップル、そして僕ら。みんな思い思いに古き良き日本の風情を満喫していた。木々に囲まれて思いのほか涼しい。

     帰り道は数の増したトンボと蝉しぐれが僕らを見送ってくれた。駅に向かうバスで行きに乗り合わせたお婆さんとまた一緒だった。ワンパクな孫2人は遊び足りずに残ったようだ。ちょっと寂しげに、でも一息つくように僕らの方に話しかけてきた。こちらも一日遊んでホッと一息。でも公園から出たとたん、夏の喧噪と暑さが戻ってきた。

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    posted by アスラン at 13:00| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記(電車でカフェ気分) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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